海外で見たユニクロはオシャレだった!
今回のエピソード、ちょっとネタっぽく描いていますが、ほぼ実話です! ちなみに、最近のことのように描いていますが、このユニクロがオープンしたのは半年ほど前の話なのです……(すみません、ネタを暖めすぎました)。
ベルリンに来てしばらくは「せっかく海外に憧れて移住したのに、日本のブランドなんて見たくないし、まして着るなんてもってのほか!」などと、我ながら海外かぶれがひどかったのですが、ユニクロに限らず日本の文化一般に対して西欧の人たちの関心が思いのほか強く、また一定の尊敬も得ているのを感じるにつれ、自国の文化に対する感じ方が変わってきた部分があります。
また、マンガでも描いた通り、日本と比べてベルリンでは超ファッショナブルな人たちがオシャレにユニクロの服を着こなしていたり、ユニクロのバッグを持っていたりするので、そういうのを見ているうちに「ユニクロ、オシャレじゃん……」と思い始め、だんだんユニクロに行きたくなってしまいました(僕はこれを「感覚の逆輸入」と呼んでいます)。特に、今回描いたユニクロ・ハッケシャーマルクト店は我が家から近いこともあって、最近はかなり頻繁に利用するようになりました。いや~、ユニクロ最高です!
ユニクロはブラック企業?
もうひとつ僕がユニクロを敬遠していた理由は、マンガ(3ページ目)でも言っているとおり、時に「ブラック企業」とまで言われる同社の労働環境への懸念です。メディアでも一時期騒がれていましたが、僕の場合はファーストリテイリング(ユニクロの持株会社)に勤めていた友人から直接そういった話を聞いてしまったこともあり、その印象がより強かったということもあります。彼自身はそこまでではなかったものの、彼の周囲には結果が出せずに社内のプレッシャーに追いつめられて精神病になってしまった人が何人かいたそうで、そんな話を聞くたびに戦慄したものでした。
後に、転職した彼が当時の環境を「確かにハードすぎる部分もあったけど、逆に言うとそれだけ命がけで良い商品を作ろうという気概にあふれた環境でもあった」と、必ずしもネガティブではないスタンスで話すのを聞いて、当時は全く理解ができないと思ったものでしたが、その物作りの精神の一端を図らずもここベルリンで垣間見た気がしました。
ただ、ユニクロに限らず最近も過労死のニュースが話題になるなど、まだまだ日本の労働環境には改善の余地があると言わざるを得ないので、その辺りの話も今後取り上げていけたらと思っています。
「ベルリンで見つけた日本」
ベルリンは先進国の大都市としては20世紀の産業化や経済成長が遅れていたこともあり(主に壁による分断の歴史が原因)、他の都市に比べて日本のもの(ブランドや外食チェーン店など)を目にする機会が少ないのですが、それでもここ数年のベルリンの経済成長に加えて日本企業の海外進出の加速の影響で、少しずつ日本文化を目にする機会が増えつつあります。そんな「ベルリンで見つけた日本」を、今後もシリーズでお届けしていきたいと思っています。
どうぞお楽しみに!