モバイルサイトの機能もリッチ化する
モバイルSEOやアクセス解析は進化している?
モバイルサイトに求められる基本的な機能とサイトへの導入法について紹介してきましたが、ほかにもさまざまな最新機能がさらなる機能化に向かっています。
その中でも進化が著しいのは、モバイルSEO対策関連のノウハウや機能化です。GoogleやYahoo!の大手検索エンジンがモバイルで本格化したことで、企業モバイルサイトが普及しつつあり、それに伴ってモバイルSEOも研究が進んでいます。
一般ユーザーのモバイル検索エンジンの普及率も高く、すでに8割を超えるユーザーが携帯電話からキーワード検索をしています(図3)。SEO施策で少しずつ効果を上げるサイトもでてきています。
モバイルSEOは、Title、Keyword、Descriptionの設定とキーワード研究、基本的なマークアップ、被リンク、ドメインエイジが長いなどに効果があると言われています。実際にページ内キーワードも重要度が高いように感じます。ちなみにインタラクティブ・Flashのサイトでは検索には対応できません。
ただ、モバイルサイトの構造上の難しさや、キャリアごとの振り分け処理などIPアドレスでの制限をしている場合は、検索エンジンのクローラーまではじかれてしまうケースもまだ多いこと、検索結果が安定しないなど、高精度の検索機能にはもう少し時間がかかるのかもしれません。
企業モバイルサイトの普及では、モバイル広告への広がりから、アクセス解析や広告効果測定のニーズも広がっています。アクセス解析に関しては、Cookie機能が使えないことから、経路分析やページ遷移等のデータを簡単には取りにくいのですが、モバイルでも精度の高い分析ができるような技術が進んでいます。
また同様にモバイル・アフィリエイトのニーズや、実際に効果を上げているサイトも多く生まれてきています。モバイルLPO(ランディングページ最適化)やRSSへの対応サービスも登場し、サイトの機能という意味では、徐々にPCに引けを取らなくなってきました。
GPSやFeliCaに対応したリッチ機能
GPSや非接触集積回路(IC)カードFeliCa(フェリカ)などに対応したサービスも続々と登場しています。
FeliCa機能は電子マネーとしての活用や定期券としても便利ですが、QRコードの変わりに、FeliCa機能を活用する方法もあります。読み取り端末にかざすだけで会員登録ができたり、そのままクーポンとして使えたりと、アクション端末としてモバイルを使う時の利便性をぐっと高めることができます。もちろん、かざすだけでサイトに飛ばしたり、会員認証したりもできます。
店舗サイトの機能としてFeliCaに対応すれば、集客から決済までスムーズに活用できることになります。先に紹介したマクドナルドの事例でも、「かざすクーポン(http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2008/company/20080519.html)」としてFeliCaを活用した店舗集客を展開しています。
また、読み取り端末側も店頭でPOP代わりにムービーが流せたりと、インタラクティブに進化してきています。
さらに、チェーン展開しているお店などでは、さらにGPSの機能を使い、近くの店舗を表示させて、集客へのナビゲーションをすることも可能です。GPS機能の活用では、現在地の近くの不動産情報をリアルタイムで探す、コミュニティーに参加している会員同士の位置情報を確認するなど、さまざまなサービス展開に広がっていくでしょう。
ご紹介してきたように、基本的なモバイルサイトの機能に加え、新しい機能化が一気に進んできているのも現状です。少しずつサイト機能のリッチ化を進めてみるのはいかがでしょうか。
次回は「モバイルWebの可能性と未来」と題し、モバイルサイトの未来像について考察していきます。