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RAIDコントローラの存在意義

RAIDコントローラの存在意義

サーバの多くはRAIDコントローラを搭載しています。なぜRAIDコントローラが必要なのでしょうか。RAID構成のサーバと、非RAID構成のサーバで比較してみてみましょう。

非RAID構成のサーバではOSがインストールされているディスクが1つだけです。この場合、このシステムディスクに障害が発生すると、ユーザデータにアクセスできないだけでなく、顧客へのサービスが停止します。これは通常のサーバ運用としては非常に脆弱です。

RAID構成のサーバの場合、システムディスクあるいはユーザデータが保管されるディスクは、RAIDコントローラに接続された複数の物理ディスクから構成された論理ディスクとして取り扱います。これにより、ある物理ディスクに障害が発生したとしても、RAIDコントローラの機能によって、その論理ディスクは正常に稼動し続けます。すなわちOSからは正常のOSとして見えますので、サービスは続行するのです。また、サーバが稼動した状態で、ディスクを交換すれば、RAIDコントローラが自動的に新しいディスクにデータを書き込み、障害前と同じ状態に戻せます。

RAID構成の重要なポイントは、RAIDコントローラ配下の物理的なディスクに障害が発生しても、サーバの業務を停止させることなく交換できることです。RAIDコントローラの論理ディスクはユーザへ物理的なディスク配置を意識させないという意味もありますが、最大の利点はデータ保護といえるでしょう。

Linuxサーバをインストールする前段階でハードウェアのRAIDコントローラの設定を適切に行っておかないと、OS側でいくら頑健なファイルシステムを構築してもあまり意味がありませんので注意してください。

図2:非RAID構成とRAID構成の違い

 

RAIDコントローラ設定(Smart Array系)

ここではHP ProLiantサーバにLinuxをインストールする場合を例に、Smart ArrayコントローラのRAID設定の方法を紹介します。

まず、ProLiantサーバの電源投入後のPOST画面にて、「Press to run the Option ROM Configuration....」と表示されたら、すぐにF8キーを押し、Smart Arrayコントローラの設定画面に移行します。Main Menuの「Delete Logical Drive」を選択し、現在Smart Arrayコントローラに作成されている論理ディスクを消去します。現在の論理ディスクが表示されたらF8キーを押して選択します。続けて、「Press to delete the logical drive」と表示されますので、F3キーを押して論理ドライブを削除します。

次に論理ドライブを作成します。Main Menuの「Create Logical Drive」を選択し、新規で論理ディスクを作成します。論理ディスクはRAID1で構成します。

Main Menuから「View Logical Drive」を選択し、論理ドライブが正しく設定されているかを確認します。ここでRAID1等の論理ドライブが作成されていれば、その論理ドライブにLinuxをインストールすることが可能になります。

次に、ファイバチャネルホストバスアダプタの設定について解説していきましょう。

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