ドキュメントクラスの設定とイベント処理
ADDED_TO_STAGEイベント
MOUSE_MOVEイベントが実行されるとCreateCircleクラスのコンストラクタが呼び出され、init()が実行されます。CreateCircleクラスのinit()では、円を描画するためのmakeCircle()が実行され、ADDED_TO_STAGEイベントのリスナー登録をしています(リスト1)。
makeCircle()では、第2回(http://www.thinkit.co.jp/article/78/2/)でも紹介したgraphicsを使って描画しています。描画に関しては、ここでは割愛します。
init()で登録されているイベント、ADDED_TO_STAGEは、システムイベントの1つで、自身がなんらかの表示オブジェクトコンテナーの表示リストに追加されると発生し、リスナー関数を呼び出します。なぜこのような処理が必要なのかは、リスナー関数addedInstanceHandler()を見てみましょう。
addedInstanceHandler()では、まず”自身”のX座標とY座標に”自身”のステージ上で動かされているマウスカーソルのX座標とY座標を参照して代入しています。stageやroot、parentといった自身から、相対的もしくは絶対的に参照する場合、自身が表示リストに追加されている必要があります。なぜなら、自身が表示されていない段階でstageを参照しても、自身がnull(存在しない)であるために参照できないからです。
this.x = this.stage.mouseX;
this.y = this.stage.mouseY;
ENTER_FRAMEイベント
これで、stageでのマウスカーソルの位置を取得し、生成した瞬間そこに円を移動することができました。次のspeedからは、幅を広げるためのプロパティを設定しています。
ここで登録しているイベントはシステムイベントENTER_FRAMEイベントです。ENTER_FRAMEイベントは、その名の通りフレームに入ったらという意味です。つまり、第2回でも解説したfpsにあわせて、1フレーム分の秒数ごとに繰り返しイベントが発生します。fpsが32の場合、1/32秒の間隔でリスナー関数を呼び出し実行します。
しかし、正確に1/32秒がでるというわけではありません。fpsはクライアントの環境に依存されるため、クライアントの環境が劣悪な場合やFlashそのものが重い場合、設定通りのfpsがでません。これはなにもENTER_FRAMEイベントだけではなく、Flashすべてに関係していることで、これを回避するためには、Flashそのものとスクリプティングの処理を、いかに軽くするかにかかっています(リスト2)。