第6回:SMB市場におけるLinuxの導入実態 (2/3)

SMB市場における新ITシステムの動向
SMB市場における新ITシステムの動向

第6回:SMB市場におけるLinuxの導入実態
著者:ノーク・リサーチ  伊嶋 謙二   2006/2/20
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利用中のOSに満足しているが、サポートが不安

   次にLinuxに対する考えを聞いてみたところ、「使うつもりがない」が56.2%、「すでに使っている」(25.0%)、「今後使いたい」(18.8%)という結果であった。ここでは「使うつもりがない」という回答について考察をしていく。
SMBのLinuxに対する考え
図2:SMBのLinuxに対する考え

   Linuxを「使うつもりがない」理由として最も多かったのは、「今使用しているOSに満足している」で49.7%、ほぼ同程度の47.6%で「サービス/サポートが不安」というのがあがった。以下「アプリケーションが少ない」(30.8%)、「実績が少なく不安」(29.5%)、「安全性に問題がある」(8.2%)と続く。

Linuxを使うつもりがない理由
図3:Linuxを使うつもりがない理由

   「今使用しているOSに満足している」ということについては、満足しているのにわざわざ移行する必要性を感じないという、当然といえば当然の理由だろう。注目したいのは、「サービス/サポートが不安」な理由は次の2点が起因していることである。

  • SMBユーザのLinuxに対する知識の圧倒的低さ
  • ディストリビューターもしくは販売店の提案・アピール不足

表1:Linuxのサービス/サポートが不安な理由

   「SMBユーザのLinuxに対する知識の圧倒的低さ」は、LinuxはUNIXを扱ったことがあるユーザには馴染みやすいが、そうでもなければ扱うのが難しいことを意味する。今までWindowsを利用していたユーザがいきなりLinuxを使うのは簡単ではない。

   そうなると、エンジニアに専用の教育プログラムを受けさせるか、または社外から経験者を募って中途採用するという結果になってしまうだろう。また、今までオフコンやWindowsで受けていたサービス/サポートがLinuxでもきちんと受けられるのかどうかという不安はある。サポート切れの「Windows NT」利用者がSMBにおいてもまだまだ多い一方で、不慣れなLinuxに対しては弱腰な面も見える。

   「ディストリビューターもしくは販売店の提案・アピール不足」については、売り手の提案がユーザに伝わっていないということをあらわしている。セミナーやイベントを積極的に開催し、SMBユーザの耳にその提案を確実に届けないと、いつまでたっても「サービス/サポートはちゃんとやってくれるのか」というユーザの不安・疑問は消えないだろう。

   「アプリケーションが少ない」が30.8%と多かったのも、これは再三指摘されていることである。アプリケーションを自社開発で済ませるような技術力を保有したユーザ企業ならOSの種類は問わないだろうが、そうでなければ対応するアプリケーションの数が少ないことはネックになるだろう。

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有限会社 ノーク・リサーチ 伊嶋 謙二
著者プロフィール
有限会社 ノーク・リサーチ  伊嶋 謙二
1956年生まれ。1982年、株式会社矢野経済研究所入社。パソコン、PC(IA)サーバ、オフコンなどをプラットフォームとするビジネスコンピュータフィールドのマーケティングリサーチを担当。とくに中堅・中小企業市場とミッドレンジコンピュータ市場に関するリサーチおよび分析、ITユーザの実態を的確につかむエキスパートアナリスト/コンサルタントとして活躍。1998年に独立し、ノーク・リサーチ社を設立。IT市場に特化したリサーチ、コンサルティングを展開すると同時に、業界各誌への執筆活動も積極的に行っている。


INDEX
第6回:SMB市場におけるLinuxの導入実態
 はじめに
利用中のOSに満足しているが、サポートが不安
 シェアは「Red Hat Enterprise Linux」が圧倒的
SMB市場における新ITシステムの動向
第1回SMB市場におけるITシステムの導入実態総論
第2回SMB市場におけるERPパッケージの導入実態
第3回SMB市場におけるSCMの導入実態
第4回中堅・中小企業におけるCRMの導入
第5回SMB市場におけるグループウェアの導入実態
第6回SMB市場におけるLinuxの導入実態

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