Eclipse実践プラグイン開発 6

ビューの拡張

はじめに今回はプラグイン開発で最も頻繁に利用されるビューの拡張方法について説明します。

大森 洋行

2005年8月8日 20:00

はじめに

今回はプラグイン開発で最も頻繁に利用されるビューの拡張方法について説明します。

ビューは普段Eclipseを使っていて最も多く目にする画面です。ワークベンチ・ウィンドウのメニューから「ウィンドウ」-「ビューの表示」-「その他」を選択してみてください。そこに現われるものは、すべてここで扱うビューの拡張として作られています。

前回のメニューのアクションと同様に、ビューに対してもアクション(ビュー・アクション)を追加することができます。

ワークベンチ・ウィンドウ
図1:ワークベンチ・ウィンドウ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

 

ビューの追加

まずは以下の手順で、本連載の第5回で作成した「Hello2 プラグイン」に「Hello, Eclipse world」と表示されるビュー(図2)を追加しましょう。

実行例
図2:実行例
 

はじめにマニフェスト・エディターの「拡張」ページを表示します。「追加」ボタンをクリックし、「新規拡張」ウィザードを起動します。

次に拡張ポイント"org.eclipse.ui.views"を選択し、「新規拡張」ウィザードを終了します。

"view"のプロパティ設定

"org.eclipse.ui.views"を右クリックします。表示されたポップアップ・メニューから「新規」-「view」を選択し、"view"のプロパティを以下のように設定し、保管します。

プロパティ
内容
id 値:examples.hello2.views.SampleView
ビューを識別するためのID
name 値:サンプル・ビュー
ビューの名称
class 値:examples.hello2.views.SampleView
ビューの実装クラス(ビュー・クラス)。org.eclipse.ui.IViewPartをインプリメントしていなければいけません
category 値:なし
ビューが属するカテゴリー。カテゴリーとはビューをグループ化する単位
icon 値:なし
ビューに関連付けるアイコン
fastViewWidthRatio 値:なし
アクティブ高速ビューとして使用するワークベンチの幅をパーセンテージで指定(0.05〜0.95)
allowMultiple 値:なし
IWorkbenchPage.showView(String id, String secondaryId)によるビューの複数表示を許可するかどうか

クラスを作成しビューを追加

「拡張エレメント詳細」の「class」リンクをクリックして、examples.hello2.views.SampleViewクラスを作成します。SampleViewクラスに以下のようにコードを記述します。
 

public class SampleView extends ViewPart {

    public SampleView() {
        super();
    }

    public void createPartControl(Composite parent) {
        Label label = new Label(parent, SWT.NONE);
        label.setText("Hello, Eclipse world");
    }

    public void setFocus() {
    }

}

SampleViewクラスのスーパークラスであるorg.eclipse.ui.part.ViewPartクラスは、IViewPartインターフェースをインプリメントしています。

以上でビューを追加することができました。ワークベンチ・ランタイムを起動し、メニューから「ウィンドウ」-「ビューの表示」-「その他」を選択し、表示された「ビューの表示」ダイアログのツリーから「その他」-「サンプル・ビュー」を選択して「サンプル・ビュー」を開いてみてください(図2)。

これまでに、ビューを追加する手順について説明しました。次に拡張ポイントとビュー・クラスについて説明します。

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