2. DRBDデバイス(/deb/drbdX)でファイルシステムを作成、マウントする
2. DRBDデバイス(/deb/drbdX)でファイルシステムを作成、マウントする
作成した/dev/drdbXをmke2fsコマンドなどでファイルシステムを作成し、任意のマウントポイントにマウントしておく。
3. DRBD ARKパッケージがインストールされていること
この点についてはLKDRと同様である。パッケージ名は「steeleye-lkDRBD-..rpm」となっている。DRBD ARKをインストールすると、主要な関連ファイルは以下のパスに格納される。
以上が確認できたらGUIクライアントからリソース作成ウィザードを使用してDRBDリソースの作成を行う。DRBDリソースの設定を 行う時、ウィザードから作成するリソースを選択する「Select Recovery Kit」から「Filesystem Resource」を選択する。「DRBD Resource」という項目はないのでご注意いただきたい。
| 画面名 | 選択・入力内容 |
| Select Recovery Kit | Filesystem Resource(注6) |
| Switchback Type | Intelligent |
| Server | プライマリサーバ名を選択 |
| Mount Point | /DRBD(注7) |
| Root TAG | DRBD(注8) |
※注7: Mount Pointは/dev/drbdXデバイスをマウントしたものを選択する。
※注8: 「Root TAG」とはそのリソースの依存関係において最も上位(親)となるリソースのTAG名を指すが、ここでは単純に作成したリソース名と考えておくとよい。
続いて拡張作業に入る。拡張作業における設定項目は表5の通りである。
| 画面名 | 選択・入力内容 |
| Target Server | スタンバイサーバ名 |
| Switchback Type | Intelligent |
| Template Priority | 1 |
| Target priority | 10 |
| Mount Point | /DRBD |
| Root Tag | DRBD |
以上の設定内容で作成したリソースが図4の画像になる。

図4:DRBDリソース完成図
DRBD ARKは、書き込み完了とするタイミングや同期処理、同期中の障害が発生した場合の制御についてDRBD自体の設定によって変更することができる。この設 定に関してはDRBDのマニュアルなどを参照してほしい。動作の確認についてはLKDR同様アクティブ側でファイルを作成し、スイッチオーバーさせた後ス タンバイ側でも同じデータを確認できるかどうかを見るとよい。
終わりに
共有ファイルシステム、LKDRとDRBD ARKの紹介は以上である。
冒頭でも述べた通り、共有ファイルシステムを構成するときには共有ストレージが多く使用される。共有ストレージを使用した場合クラスタノードでは単 一のデータ領域を使用するため、同期制御を行う必要がない。ディスクの切り替えはハードウェア的に行われ、より安定した共有ファイルシステムを構築するこ とができる。
しかし、機器が高価な上にストレージの接続や設定において専門的な知識を必要とする場合があるため、システムによってはそれほどのものが必要ない場 合も考えられる。そういった場合は今回紹介したLKDRやDRBD ARKを使用することをご検討いただきたい。また、検証などの要件で気軽にHAクラスタを構成したいといった場合にも最適である。
次回は「MySQL ARK」と「Oracle ARK」を紹介する。これら2つをはじめとしたデータベースを保護するARKは、設定を行う上でファイルシステムリソースが必須となる。次回以降の連載に おいて共有ファイルシステムを使用するケースがある場合は、今回の記事を参考にしていただければ幸いである。
(監修:サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章)