あなたは正しく使えていますか? 要注意な英語フレーズ「5選」
はじめに
英語を話していると「あれ? これで正しく伝わったかな?」と迷うときがありますよね。筆者が担当するレッスン内でも、実際に「その言い方だと誤解が生じてしまうかもしれないな」と思う表現を耳にすることがあります。
単純に「通じない」ということであればまだ良いのですが、表現によってはこちらが伝えたい意味やニュアンスとは全く異なるものになってしまうようなこともあります。
今回は、そのような要注意の英語フレーズを5つ紹介します。「それ使っているかも!」という表現もあるかもしれませんので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
それでは、早速見ていきましょう!
要注意な表現 その1:You have to …
例えば、相手に「あなたは何かをしなければならない」ということを伝えるときがありますよね。そのときに、あなたはどのような表現を使って言いますか? もし、下記の表現を使っていたら要注意です!
You have to …
(~しなければならない)
この表現を使ったやり取りを見て、受ける印象を考えてみてください。
A: Thanks for the book.
B: No problem, but you have to return it to me tomorrow.
A: Sorry. I’ll give it back to you tomorrow.
A: 本ありがとうね。
B: 大丈夫だよ。でも明日返してくれないといけないよ。
A: ごめん。明日返すね。
どうですか? 短いやり取りなので、状況が分からないという点はありますが、きつく聞こえませんか。
そうなんです。このYou have to…という表現は、相手がそれを「行うか、さもなければ」のような少し強制や脅しのような印象を与える可能性があります。
そのため、規則上何かを行う必要があったり、またはそれを行わなければ相手が危険な目に遭ったり、不利益を被る場合等に使うことをお勧めします。
この会話では、You have to return it to me tomorrow.よりもCould I get it back tomorrow?のような表現の方が良いでしょう。
直訳すると正しい訳ではありますが、そのまま使うと状況によってはきつい印象を与えるので要注意です。
要注意な表現 その2:I promise …
日本語と英語では、同じ意味を持つ単語でも「日本語で使う場合と英語で使う場合の重みが異なる」ものがあります。例えば「嫌い」をhateと言うと英語では日本人が思うより強い意味になります。
これに似た単語で「約束する」があります。もちろん日本でも何か約束をしたらそれを守る必要がありますが、あとで「あ、ごめん、ちょっと無理になっちゃった!」と言ってなしにすることもあったりしますよね。
しかし、英語で「約束」という言葉を使うとかなり重いので要注意です。
I promise …
(…を約束する)
かつて、当時の総理大臣がアメリカの大統領にI promiseと言って、その約束を実行せず信頼問題になったことがありましたね。これは国家レベルだけでなく、個人レベルでも同じです。
こちらも会話例を見てみましょう。
A: Can you make it to the train station at 5 pm tonight?
B: Yeah, I promise I’ll be there.
A: Okay. See you then.
A: 17時に駅に来られる?
B: うん、その時間にいるよ。約束する。
A: 分かった。じゃあ後でね。
このようにpromiseを使うと「必ず行く」と断言することになります。後で都合が悪くなったと連絡しても「promiseと言ったじゃないか」と言われる、またはそう思われる可能性があります。そして、それは信頼関係にも影響します。
Promiseは「絶対に守る約束」を伝える際に使うものと覚えておくと良いでしょう。何となく使う単語ではないので注意してください。
要注意な表現 その3:Please …
これは、間違いなくお願いする際に多くの人が当たり前のように使っている表現です。
Please …
(…お願いします)
「Pleaseを付ければ丁寧になる」と覚えている人も多いと思いますが、これは「必ずしもそうならないことも多い」と思った方が安全です。理由は、Pleaseを削れば残りは命令形になるからです。
少し長めの会話の中で1回か2回くらい使う分には問題ないのですが、何度も繰り返しPleaseを使ってお願いごとをすると、相手に何かすることを強要しているように聞こえる可能性があるので要注意です。
要注意な表現 その4:I can’t understand.
何か理解ができないことがあったときに「分かりません」「理解できません」と伝えたい場合、英語で何と言いますか? もし下記のように言っていたら要注意です。
I can’t understand.
(理解できません)
これだけだと問題なさそうに見えますよね。この表現を使う際に注意が必要な理由は「思っている意味と実際の意味が異なる」からです。実際に、この表現を使った会話例を見てみましょう。
A: That’s what my boss said.
B: I can’t understand it.
A: What can’t you understand? I think it makes perfect sense.
A: 上司がそのように言っていました。
B: 私には理解できません。
A: 何が理解できないのですか? 私には筋が通っていると思いますが。
このやり取りから気付かれた方もいると思いますが、I can’t understand.は「相手が言っていることが理解できない」のではなく、「その考え方等を受け入れるという意味で理解、または共感ができない」ということを指します。もし単純に「どういうことだろう」のように、単語や説明が理解できない場合にはI don’t understandと言うようにしましょう。
これを間違えると相手の反応が変わるので注意が必要です。
要注意な表現 その5:I’ll get you back.
これも言い方を間違えると誤解されてしまう表現です。重要なことは「正しく覚えて正しく使う」ことですね。
ビジネスの場面などでは、よく「折り返し連絡します」「改めて連絡します」と言いますよね。英語ではget backを使うと思いますが、下記のように言っていないでしょうか。
I’ll get you back.
(あなたに借りを返すから)
こんなことを言われたら怖いですよね。しかし実際に言い間違えてしまう方が多くいるのです。正しい表現とよく似ているので分かるのですが、本当に注意が必要です。
I’ll get you backと言うと「借りを返す」とか「復讐する」という意味になり脅迫にしか聞こえません。会議中に突然笑顔で言われたら、言い間違えたことは理解してくれると思いますが、それでも相手はびっくりしてしまいますよね。
「改めて連絡します」を正しく言う場合はI’ll get back to you.という表現を使いましょう。こう見ると間違えてしまう理由を理解できますが、間違えてはいけない要注意な表現と言えますね。
おわりに
いかがでしたか。もし「これ使っていた!」という表現があれば、ちょっと次からは注意してみてくださいね。
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