仮想環境のキャパシティ/構成/課金管理
クラウド環境の構成管理:vCenter ConfigControl
仮想環境では、構成管理も、運用管理上の大きな課題の1つである。
仮想環境には、VMotionやHA、DRS、DPMなどに代表される、動的な仮想マシン再配置機能がある。このため、物理サーバーとシステム(やアプリケーション)の関係性が希薄になる。物理環境と同じようにサーバーとシステムをひもづけて台帳管理することが困難になる。
一方で、大規模環境になればなるほど、これらの動的最適配置機能、高可用性機能の重要性は高まる。これらの機能を利用することで、システムの全体最適化を図って仮想化の導入効果を最大化できるためだ。
この相反する2つの要素は、仮想化の延長線上の技術であるクラウドを構築しようと考えている企業やベンダーにとって、大きな課題となる。
その理由は、クラウドの定義が、“どのシステムがどこで動作しているか、といったことを意識せず、必要な時に必要なサービスやリソースを提供する”、といったものであるためだ。
クラウドの利用者は、サイト/ロケーションを問わずに、どこからでもシステムを利用できるという恩恵を受ける。一方、その環境を維持/管理する部門や業者は、サイト/ロケーションを可視化し、把握できるようにしておかなければならない。つまり、システムの台帳管理に相当する作業を実施する必要がある。
米VMwareでは、仮想環境における構成管理を効率化すべく、近くvCenter ConfigControlという製品を投入する予定である。ConfigContorlでは、大きく分けて2つの機能を提供する。
1つ目は、仮想環境上ではあいまいとなる、物理コンポーネントと仮想マシン間のひも付けを可視化するインベントリ管理機能である。
例えば、ある仮想マシンを選択すると、それを軸として、関連するコンポーネント(サーバー、ストレージ、ネットワークなど)を一括で表示させることが可能だ。この情報は、グラフィカルに表示することもできる。
2つ目の機能は、ポリシー・ベースで構成管理を行う、というものである。例えば、それぞれのVMware ESXホストの設定が正しい状態に設定されているかどうかを定期的に確認できる。指定したマスター設定との差分を監視し、一定の設定差分を検知した場合には自動的に設定を変更できる。設定は変更せずにアラート・メールを送信することも可能である。システムに加えられた変更作業は変更履歴として管理されるため、変更管理やコンプライアンス管理にも役立つ。 *機能に関しては、開発途中のものなので、予告無く変更する場合があります。