開発前におさえておくべきmixiアプリ企画のポイント

2010年9月8日(水)
森 和之

ソーシャルアプリで大儲け?! mixiアプリのマネタイズ

マネタイズが重要なのは、コストが先行してもそれを回収して収益に繋げられる見込みがあるかどうかです。爆発的に増えたアクセスをさばくためにサーバー追加やネットワーク増強をしようと思ってもお金が無ければそれもできません。mixiアプリは新しいプラットフォームであると同時に新しい市場でもあります。つまり、マネタイズの手段まで提供されています。mixiとの親和性を考えたマネタイズ手段として3つの方法が提供されています。

  • mixiアドプログラム
  • mixiペイメントプログラム
  • mixiファンド

開発したアプリを発展させるためにもマネタイズは欠かせない

mixiアドプログラムは登録料無料で、個人や法人問わず利用できる広告プログラムです。以前はimp数とUUランキングによってアプリごとに広告単価が変わっていましたが、2010年9月から単価が全アプリ共通に変更になり、DAU(デイリーアクティブユーザー)数が計算方法に組み入れられました。詳しい計算方法はdeveloper centerの「mixiアドプログラムに関する変更について」を御覧ください。広告の掲載位置が決まっているため、あらかじめ広告の場所を考慮してデザインしていないと、いざ広告を載せようと思ったときにデザインしなおす事になってしまうため注意が必要です。

mixiペイメントプログラムはアプリ内のデジタルアイテムを購入する際の決済方法として、mixi内の仮想通貨であるmixiポイントを使えるようにするためのプログラムです。決済といっても今までのように「このアプリは●●円です」と、アプリ自体に課金するのではなく、仮想アイテムに対して決済できるようにしています。ユーザー同士の競争に少しだけ有利になるアイテムや、アバターやペットを着飾れるアイテムなど、ユーザーにプラスアルファの価値を持たせるようにするのがポイントです。課金プログラムはユーザーに課金してもらうまでが難しく、さまざまな工夫が必要です。あるアプリでは、シルバーとゴールドの2つの仮想通貨を用意しています。シルバーは普通にアプリを使っているうちに稼げるお金、ゴールドはmixiポイントとして課金しないと稼げないお金です。普段シルバーの仮想通貨を使うことに慣れてもらうことで、ゴールドを使うことにも躊躇を減らすようにしているのです。

mixiファンドはmixiアプリを開発している個人や法人に対して、出資や融資、mixiアプリの買取をすることで資金面での支援をするものです。

ここで紹介したマネタイズ手段はmixi公式のものですが、それを強制するものではありません。外部の広告や課金プログラムであっても、利用規約に準拠していれば構築できます。mixiアプリはあくまでユーザーにとって使いやすく、開発者が開発しやすい環境を構築するプラットフォームであるべきだからです。

これからアプリ開発を目指す皆さんへ

mixiアプリはプラットフォームとしても市場としてもまだ発展途上です。公開状態のアプリの数もPC:1,121個、mobile:810個しかありません(2010年7月時点)。もちろん、アプリの数が少ないということは、その分だけ参入余地があるということです。

現在、利用者数トップのサンシャイン牧場は3カ月弱で300万人を集め、mixiアプリの火付け役になりました。サンシャイン牧場を開発しているRekooは中国の企業でした。mixiアプリには世界中のSAPが注目しています。これからも世界中から参入が始まるでしょう。それでもソーシャルアプリ市場は世界から見てもまだまだ始まったばかりです。日本は新しいもの好き・ゲーム好きな人が多く、ゲームを見る目が厳しいユーザーがたくさんいます。そんな厳しい市場で育った優秀な開発者が多い日本から、世界をあっと言わせるようなソーシャルアプリが出てくるのではないかと思っています。

「友達と遊んで面白いゲームを作る。」それがソーシャルゲームの基本です。逆に言えば、既存のゲームにソーシャル要素をうまく付け足すことができれば、サンシャイン牧場以上に流行るソーシャルアプリになることも期待できるでしょう。

次回は開発編です!デベロッパー登録をしてmixiアプリを実際に作りながら、mixiアプリではどんなことが出来るか、どんな情報が取れるのか、開発・デバッグのコツまで解説したいと思います。お楽しみに。

株式会社ミクシィ

パートナーサービス部 第1プラットフォーム開発チーム
1985年生まれ。2007年に株式会社ミクシィの最初の新卒として入社。Find Job !の開発を半年間経験したのち、mixi開発グループに移動。mixiアプリのプロジェクトの立ち上げから開発を担当し、以降現在までmixiアプリ及び mixi Platformの開発をしている。

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