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ビジネスUXを効果的に導入するための4つのステップとは?

2013年6月6日(木)
崔 仁熙(チェ インヒ)

STEP.3:Idea -アイデア

この段階は大別してPersona→UXConcept→UX Concept中概念化→Scenarioの4段階に分かれます。

(1)ペルソナ(Persona)

ここではペルソナを設定します。ユーザーグループを代表する仮想の人物として定義するペルソナは、名前、年齢、性別、職業、趣味などを含む典型的なターゲットユーザーを描写したもので、明確なニーズを持つ特定のユーザーグループの代表とします。
単にユーザーのプロフィールを羅列するのではなく、ターゲットユーザーグループのニーズとゴールを反映して、日常生活の流れ、興味、主な行動パターン、作業時に感じる不便さなどを詳細に記述しなければなりません。ペルソナを作成する時は実際に存在する人のように生き生きと描写することが重要です。

図5:実際に存在するようなペルソナ作成を心がける(クリックで拡大)

(2)UX Concept

ここではUXの基本的なコンセプトを決めます。

1. コンセプトデザインはユーザーリサーチのプロセスを言葉にしてまとめ、デザインに展開します。コンセプトデザインは、後に進める情報構造のデザイン、インタラクションデザイン、インタフェースデザインのための基礎となるので、新しい製品やサービスをデザインするために最も重要かつ基本的なプロセスとなります。

2. ユーザーが指摘した問題点、解決策などを整理します。ユーザーリサーチとシステムの分析結果をもとに具体的なユーザーの声やニーズをグルーピングしてUXコンセプトとして整理します。

図6:インタビューなどの分析結果をもとにUXコンセプトを整理する(クリックで拡大)

STEP.4:Idea View&IA(Information Architecture) - 設計プロセス

この段階は、Contents Inventory→IA(Information Architecture)→Site Path→ViewStudy→View選定→Viewによるパターンマッチング→UI prototype→UT→UI標準定義書の7つに大別されています。

ここでは、IA(Information Architecture)とView Studyについて説明します。

(1)IA(Information Architecture)

ここでは、データを収集、分類して、ユーザーに意味のある形で再整理します。システムに必要な様々なデータを収集し、収集したデータをユーザーが理解しやすいように構造化して、ユーザーがこの情報に簡単にアクセスできるように設計します。このプロセスを情報構造(Information Architecture)といいます。情報構造プロセスは、大きく3つの段階で構成されています。データを収集するGathering、収集されたデータを分類するClassification、システムに最も適した情報構造を決定するStructureの3つです。

図7:IAでは収集したデータをユーザーに意味のある形で再整理する(クリックで拡大)

(2)View Study

ここでは以下の2点に注力し画面デザインを具現化します。

1. 斬新で創造的なアイデアの導き出し

ここでは現行の画面分析資料を見て、新しい画面のアイデアを作るわけではなく、単純で簡単なレベルの機能改善と視覚的なデザイン変更と、より革新的なサービスと製品を製作するためのアイデアを導き出します。
ここで重要なのは詳細なデザインとコンテンツの品質や内容を議論するのではなく、製品の差別化戦略とビジネスロジックを考慮したアイデアに凝縮して、1枚のKey Viewで表現することです。

図8:アイデアを導き出し、1枚のKey Viewとして表現する(クリックで拡大)

2. 象的な言葉で表現された"UXコンセプト"を可視化

ここでは、ユーザー調査の結果を分析して整理する過程で"言語"に変えて、抽象化した概念を可視化します。目に見えない概念だったUXコンセプトを反映して可視化してみることで、アイデアを実際の画面デザインのレベルで具体化できるようになります。

筆者より 〜最適な成果物を得るために〜

TUMはある程度の成果物を得るためのガイドラインです。

ガイドラインというのは、料理レシピに例えると理解しやすいです。同じレシピを見て料理をしても、すべて同じ味になるとは限りませんよね。作る人や材料や環境といった、様々な要因によってある程度結果は異なります。同じ様に、TUMはある程度の成果物を得るために体系化させたビジネスUXを実行するためのガイドであり、理論をベースにした実践的な側面を重視したメソッドです。ガイド通りに行えば、全く同じものではないものの、一定の結果を出すことが可能です。

経験理論(Experience Theory)
理論をもとに経験知識を活用して近道を探してみましょう

人間は様々な現象の論理を証明するために多くの研究をしてきました。理論的な理解が先にではなく、経験が先になって、その理由を見つけるために様々な分野で"なぜ?"という質問を続けながら、その答えを得てきました。 UXはユーザーが中心となって、最良の結果を得るためのプロセスです。
最良の結果を得るためには、UXも理論の以上に経験を重視しなければならないと考えています。UXというこの基本的な理論をもとに、環境と状況、ユーザー、プロジェクトから得られる経験理論にもっと信頼を置きながら進めていくべきです。本の中の論理で現実を無理やりに合わせようとしてもうまくいきません。理論と現実的な状況は、100%マッチングさせることができません。良い理論をもとに、現実との類似点や共通点を見いだし、失敗した事例と成功した事例から直接的かつ間接的な経験の理論を体系化することも良い方法だと思っています。
是非、試行錯誤しながら探求してほしいです。しかし、多くの企業がUXを採用するのは初めてだと思いますので、最初に経験がある会社の支援を受けることは良いことだと思います。

UXデザイナーになるために自分の専門分野を発展させよう!

UXのプロジェクトは、ユーザーの経験をデザインするために複数の専門家が参加します。しっかりとしたUXの成果物を出すためには、革新的なアイデアの発掘、可視化するための設計プロセス、技術力に基づいたソリューション化などを様々観点の知識や経験も使用してプロジェクトを進めます。

もし、このコラムを読んでUX分野を始めたいという方がいらっしゃいましたら、まずユーザーの経験をデザインすることに、必要な基本的な知識を学ぶことから始めてください。その次に、

  • 認知心理学(Cognitive Science)
  • 使用性(Usability)
  • 情報構造(Information Architecture)
  • ビジュアルデザイン(Visual Design)
  • 人間実行(Human Performance)
  • HCI(Human-Computer Interaction)
  • ユーザーリサーチ(User Research)
  • デザイン経営(Design Management)

などの専門分野を広範囲に浅く学んだあと、その中から一つを深く学ばれると良いと思います。これらの分野は人文学とテクノロジーが融合し発展してきているため、すべての分野の専門知識を習得することは大変難しくなってきています。

できる限り、広い範囲の基本的な知識を習得して、現業の専門家たちのノウハウとキャリアを学び、自分だけの専門分野を発展させていくことをお勧めします。

詳細は以下のページの資料番号24「ビジネスUX導入方法論概要資料(2013年2月版)」をご覧ください。
→ TOBESOFT サポートセンター
※資料のダウンロードには会員登録が必要です

いかがでしたでしょうか?今回までのコラムで、UXの概念、市場動向、事例、導入方法論を解説してきました。UXの全体イメージをご理解いただければ幸いです。

このあと3回にわたって日本のUX事例について解説していきます。是非ご期待ください。

著者
崔 仁熙(チェ インヒ)
株式会社トゥービーソフトジャパン UXデザイナー

 

1980年08年30日、韓国生まれ。子供の頃から絵を描くのが得意で、大学でビジュアルデザインを専攻。01年からUIデザイナーとしてモバイルのコンテンツ、ゲームのキャラクターやGUI、フラッシュアニメなどを製作。07年には日本で早稲田外語専門学校を卒業。日本のモバイル系の会社に勤め、08年からトゥービーソフト(韓国)に入社して企業向けのUIを専門的にデザインしている。10年、アカデミーJUNGLEでUXバイブル課程を修了。ビジネスUI・UXを専門分野にして活動。
13年から日本法人に転職。昨年からトゥービーソフトとソウル学校UXラボの共同研究により、企業向けのUX方法論(TUM)が製作され、それをベースに日本のITシステムに合う方法論(プロセス)と活用し易いUIコンテンツを研究している。

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