新型マインドストームEV3が彩るアイデアロボットの競演「ロボTRY」決勝イベントレポート
作品名「CABA-ROBO」/チーム名「みやけん」
「くろだ 02」の後で、ひときわ緊張したと後に話していたのは、チーム「みやけん」の面々。今回発表したのは、ちょっと大人の雰囲気を醸し出す、「CABA-ROBO(キャバロボ)」という作品。名前の由来については言うまでもないが、出張などで遠距離状態の家族やカップルが、距離を気にすることなくコミュニケーションを取れるように考えられたロボットとなっている。遠隔操作でロボットがお酌をしてくれたり、ご飯を口に運んでくれることで、離れている寂しさを少しでも解消しようという思い入れに好感が持てる作品だった。
作品名「Mindeyes」/チーム名「一菜」
閉じた箱の中に入れられた果物や玩具を、人間の目では判別することが出来ない。チーム「一菜」が挑戦したのは、これらの見分けをロボットで行うという内容だ。電子レンジの10倍となる24GHzの電波と、リモコン等に使われる赤外線を使って、ベルトコンベアに載せられた牛乳パック製の箱に何が入っているかを見分け、あたかも透視しているようにそれぞれ指定のエリアに仕分けることに成功していた。機構部分も非常に安定しており、正確に物体を見分ける様子は、さながら工場などで活躍するロボットを連想させた。
作品名「ムスカ・ケトル」/チーム名「岐阜高専LEGO同好会」
学生にとってカップラーメンは非常に身近な存在であり、このカップラーメンを食べるまでの時間も楽しみたいという思いから、「ムスカ・ケトル」が生まれた。
動きまわったり、光ったりしながらカップラーメンの待ち時間を演出してくれるのだが、機構もさることながら、実際のケトルをモチーフに作られた外観は、決勝進出作品の中でもひときわ目立つ存在となっており、上部から吹き出す湯気を綿を使って作っているなど、作品への愛情が随所に見られた。
なぜムスカなのか、という質問には「某アニメ映画で、最後に3分間だけ待ってやる人から取りました」とのこと。
作品名「うつし太郎」/チーム名「長崎大学ロボットサークル」
一昨年に誕生し、普段は九州地区でのボランティア活動を行っている長崎大学ロボットサークルは、今回が初の九州外イベント参加となる。
「気軽に設置できる自宅警備ロボ」をコンセプトとして製作した本作品は、侵入者を検知するとゴム鉄砲による攻撃を行い、パトランプが作動、同時にカメラによる撮影を行い、犯人の特定に結びつけるなど、侵入者を撃退する頼もしいロボットと言えそうだ。
ネーミングの由来は「(ゴムを)撃つ」「写す」と、「~したろう(~してやろう)」という関西方面の方言を合わせたものとなっている。
作品名「ドミノロボットいーヴぃさん」/チーム名「Suelab」
気分転換にドミノを爽快に倒したい。しかしドミノを並べるのはとても面倒。Suelabの製作した「ドミノロボットいーヴぃさん」はそんな時、人間に代わってドミノを並べてくれるロボットだ。Android搭載のスマートフォンでマインドストームを制御し、ラジコン感覚で搭載したドミノを好きな形に並べ、倒すといった一連の動きを楽しむことができる。ドミノの搭載数などに課題はあるものの、走行しながら綺麗にドミノを並べていく様子は非常に安定しており、完成度の高さを感じさせた。また、本作品では3Dプリンタでパーツを生成するという工夫も見られた。
作品名「大阪のオカン」/チーム名「ToolBox」
「大阪のオカン」を簡単に紹介すると、どうしても寝ずに仕事をしなければならない時にサポートしてくれる、眠気防止ロボットということになる。仕事中に寝てしまった人を激しく起こしながらも、同時に眠気防止のミント菓子を差し出してくれる。大阪のオカンの厳しさと優しさを表現した、というのがコンセプトだという。
頭の傾きで寝たかどうかを判断すると、すかさず回転灯が動作してピンポン球を発射、Twitterにメッセージが送信される。ユーザーが目を覚ましてボタンを押すと、回転灯を止まってミント菓子が出てくるという流れになっている。深夜に一人で作業する時の心強い味方になるかもしれない。
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