自動運転車に賛成する人たちはその技術の明確な可能性について語っているが、ロシアの専門家たちは自動運転車があらゆる犯罪に使われる恐れがあることを指摘している。
Russia Beyond the Headlinesは、最近、自動運転車の悪用により傷害や殺人が引き起こされる大きな可能性について検証した。
ロシアのCognitive Technologies(CT)のような民間企業は、自動運転車にまつわるモラルと犯罪の問題にすでに取り組んでいる。CTは現在、ロシアのトラック製造社 KamAZのために無人トラックを開発しているところだ。
「ロボットによる運転の開発において、モラル面や一定の基準を考えなければならない。無人運転のシナリオを考える上では、まず、SF著者のアイザック・アシモフ氏によって提唱されたロボット工学三原則の第一から取り組み、何かあった時の被害を最小限にしなければいけない」とCTの代表、オルガ・ウスコヴァ氏はいう。
CTの専門家は、ハイジャックされた自動運転車が犯罪、場合によっては殺人に使用される可能性を認めている。ハッカーは、センサーやデバイスに誤動作を起こす情報を送り込むことで、AIを機能不全に陥らせるかメインコントロールシステムを落とし、自動運転車を凶器に変えることができる。
ウスコヴァ氏は、飛行機に取り付けられるブラックボックスのようなレコーダーを自身の企業車に取り付けることで脆弱性を追跡し、外部からの攻撃に対してシステムを強化しているという。
「カメラと"知能"のどちらも車内にあるという点が、CTのシステムが外部からの影響に耐性がある理由になるだろう」と彼女は言う。
ロシアの捜査当局者は、自動運転技術が急速に進歩した結果、それがもたらすであろう事故について懸念を持ち始めている。
「20年のうちに、これまでの車は自動運転車に取って代わるだろう。しかし、それに伴う危険については誰も詳しく調べていない」と、国家元首交通安全視察団 巡回道路サービス部門のアレクサンドル・バイコフ氏は語る。
リモートカーのハイジャックに着目しているロシア
世界中のハッカーの温床となっているロシアだが、バイコフ氏の部署ではすでに、自動車が電子的取材を用いて遠くからのハイジャックを受けたという例が記録されている。結局のところ、自動運転車がロシアのあらゆる路上に出回っていくことになる以上、ハッカーは次第に車の内外にいる人々を傷つけるようなリモートコントロールを狙うようになるだろう。
これは自動運転者の事故や負傷による責任がどこに帰結するのかという、困難な問題に目を向けさせるものだ。
ドゥーマ州の戦略情報システム委員会がこの件について行った第一公判では、AIによってコントロールされた車に乗っていたとしても、そのすべての責任はドライバーにあるということになった。この件に関連して、バイコフ氏は「将来の判決では自動車のソフトメーカーも何らかの責任を負うことになる」だろうと言っている。
続けてバイコフ氏は次のように言った。「結局のところ、製造業者がインストールしたソフトが、自動運転によって引き起こされることの責任を追うことになるだろう。」
ReadWrite[日本版] 編集部
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