Webサービスデザインの進め方 1

どのようにユーザーの立場に立つか

どのようにユーザーの立場に立つか

 簡単に、ユーザーの立場に立つといっても、実際は非常に難しいことです。多くの人はそれさえも気が付いていません。

 たとえ、言葉で「ユーザーの立場に立とうよ!」と言っていたとしても、議論をしていく中ですぐにユーザーの視点が抜け落ちてしまいます。いかに、お題目だけにとどまらず常にユーザーの視点を持ってものを言えるか、提供者からのものの見方に反論できるか、具体的な画面構成やフローに生かしていけるか、開発をしていけるかというのが勝負の分かれ目となるのです。

 具体的にそうしたユーザー視点に立つためには、ブレストや打ち合わせの場でユーザー視点の意見を意識的に入れていくことが簡単に始められる方法です。図2のようなユーザーから見た意見を入れていくことによって、自然とチームがユーザー視点で考え始めます。

 誰も実際の利用者であるユーザーからの視点は否定することはできませんし、もしユーザーの考えや行動で意見が分かれるようであれば、それこそ良い議論の始まりです。意見が異なることでより深くユーザーについて考えることができますし、実際はチームの誰が答えを持っているわけでもないので、「じゃあ実際にプロトタイプを作ってユーザーに聞いてみよう!」という行動にもつながっていくことも考えられます。

サービスをデザインする

 サービスを検討するプロセスは、大きく4~5のフェーズに分かれます。まずはどんな状況であってもサイトを立ち上げるための背景があります。

 突然、自動的にプロジェクトが始まるわけではなく、サイトを立ち上げたり、リニューアルしたりする理由や歴史、課題やプロジェクトの使命が存在しているはずです。そうした背景を元にプロジェクトの目指すビジョンやゴールイメージをチームメンバーで共有したり確認します。その上でサービスのコンセプトや戦略や全体イメージを考えたり、確認します。

 そして、それらに基づいて実際のサービスデザインを考え、プロトタイプやベータ版を作り、実装していきます。詳しいことは拙著「Webサイトプランニングブック(http://www.amazon.co.jp/gp/product/4774133892)」に書いていますので、参考にしてみてください。

 もちろんそれぞれのプロセスが整然と順番通り実行される場合よりも、いったりきたりしながら結果としてそういった視点で考えているといった方が現実的かも知ません。

 ただ、もし実際のプロトタイプ作りからスタートしたとしてもコンセプトや戦略は必ず考えなければいけませんし、現状の課題やゴールイメージもチーム内外の説明用としても必ず考える必要があります。そうでないとチームが納得してプロジェクトを進めることができませんし、最高のパフォーマンスも引き出すことができないでしょう。

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