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仕事で使えるRed Hat Enterprise Linux徹底入門
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サーバ構築の準備(後編)
著者:日本ヒューレットパッカード  古賀 政純   2006/10/11
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システムを停止する

   システムのシャットダウン管理Red Hat Enterprise Linuxをインストールしたサーバのシステムをシャットダウンするには、shutdownコマンドを用います。直ちにシステムをシャットダウンする場合、通常はshutdownコマンドに-h nowオプションをつけることが多く、以下のコマンド一行でシステムはシャットダウンされます。
# shutdown -h now

   この場合、Red Hat Enterprise Linuxにあらかじめ用意されている停止スクリプトが実行されます。サーバの種類によっては停止スクリプトの実行後に電源OFFまでできるものもあります。システムをシャットダウンするのではなく再起動を行う場合は、rebootコマンドか、shutdownコマンドに-r nowオプションを付与します。

# reboot

# shutdown -r now

   これにより、停止スクリプトが実行された後に、システムが再起動されます。通常、システム停止に関してはshutdownコマンドとrebootコマンドを使えば済みますが、どうしても強制的にシステムを再起動させたいことも管理上必要になる場合があります。そのような場合は、rebootコマンドに-fオプションを付加します。

# reboot -f

   これを使うと、システムは停止スクリプトを実行することなく強制的に再起動します。停止スクリプトの一部に不具合があり、再起動ができない場合には、reboot -fオプションにより停止スクリプトの実行をスキップして再起動させることもあります。

   ただしこの場合は、停止スクリプトを実行せず、強制的にリブートしているため、再起動後にファイルシステムを損傷している可能性があるので、あくまでも緊急時に利用するようにしてください。通常のシステム再起動手順は、shutdown -r nowか、rebootコマンドにオプションをつけないで実行してください。


システム起動直後のランレベル

   システムを再起動後、現在のランレベルの値を確認しておくことも重要です。通常X Windowベースのログインウィンドウ(gdmが提供しているログイン画面)がシステム起動後に自動的に起動する場合は、ランレベル5に設定されています。システム起動後にGUIではなくテキストコンソールのログインプロンプトが表示されている場合は、ランレベル3になっています。

   しかし、なんらかの理由によりX Windowが起動できない場合やランレベルの値を変更したなどは、現在システムがランレベルのいくつで動作しているのかを確認してくことをお勧めします。ランレベルは起動するサービスの種類が異なるため、障害の切り分けや管理上必要になります。ランレベルの値を確認するには、以下のようにrunlevelコマンドを使ってください。

# runlevel
N 5

   Red Hat Enterprise Linuxでは、通常ランレベルは3と5を利用しますが、システムメンテナンスを行う場合は、ランレベル1などにする場合もあります。ランレベルの変更は、initコマンドにランレベルの値を指定して実行します。

# init 3

   これにより、ランレベル3に移行します。もしinit 1とするとシングルユーザモードに移行するので、ネットワークサービスが停止します。シングルユーザモードは業務停止時のメンテナンス用に利用してください。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


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