SMB市場における新ITシステムの動向 2

3. 回復傾向にある景気

3. 回復傾向にある景気


 大企業に比べて自社の保有する金融資産の小さなSMBは景気に左右される。特にここ最近の景気回復基調はこうしたSMBのITシステムの導入を底支えするだろう。前回紹介した投資優先度のグラフに関しても、今後プラス方向に転化する可能性は十分ある。

強力な営業力、もしくはパートナーシップを持つ国産勢がシェア上位に


 強力な営業力、もしくはパートナーシップを持つ国産勢のシェアを図2に示す。
 

年商別ERPパッケージライセンス売上高シェア(2004年度)
図2:年商別ERPパッケージライセンス売上高シェア(2004年度)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

次に、2004年度のERPパッケージライセンス売上高シェアを4つの年商帯に分けて見てみよう。

 

  1. 1位:大塚商会「Smile α AD」(39.2%)
  2. 2位:ミロク情報サービス「MJSLINK」(17.3%)
  3. 3位:オービックビジネスコンサルタント「奉行新ERP」(14.7%)
表1:年商50億円未満
  1. 1位:富士通「GLOVIA-C」(25.4%)
  2. 2位:日本事務器「COREPlus」(11.6%)
  3. 3位:大塚商会「Smile α AD」(10.7%)
表2:年商50〜100億円
  1. 1位:富士通「GLOVIA-C」(25.5%)
  2. 2位:住商情報システム「ProActive」(16.0%)
  3. 3位:オービック「OBIC7ex」(10.1%)
表3:年商100〜300億円
  1. 1位:住商情報システム「ProActive」(21.3%)
  2. 2位:日本オラクル「Oracle E-BusinessSuite」(9.8%)
  3. 3位:富士通「GLOVIA-C」(9.0%)
表4:年商300〜500億円


これら顔ぶれを考察してみる。まず富士通については日本全国に広がっている販売網、チャネルをいかしたパートナー販売を強みにSMBに根強い実績を 誇る。次いで大塚商会には強力な営業力と40万社といわれる既存顧客を強みとし、特に年商50億円未満では圧倒的なシェアとなる。

同様に自社の営業力をいかしてオービックやミロク情報サービスが上位に食い込んでいる。パートナー販売という点でいうとオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)は徹底したパートナープログラムを用意し販売は100%間接販売に託している形だ。

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