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先進諸国と比較したIT投資
先進諸国との対比におけるIT投資/ITコストダウンとITコストマネジメント

第4回:ITコストダウン・アプローチ
著者:日本情報システム・ユーザー協会   2006/3/23
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これからのIT投資評価のあり方

   IT投資評価は一般的には投資回収期間や投資利益率(ROI)が広く使用され、業務評価におけるABB(Activity Based Budgeting: 活動基準予算)、EVA、バランススコアカードなども一部応用されている。戦略的IT投資/ITコストの効果測定ではIT投資部分がビジネスに寄与した部分の抽出が困難であり、効果的なIT投資評価の方法は確定していない(図1)。
情報システム投資効果の測定・評価方法
図1:情報システム投資効果の測定・評価方法(再掲)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   米国企業では、バランススコアカードのIT投資面での利用が進められており、情報システム部門の位置づけを明確にするために利用されているようである(図2)。

情報システムのBSC(バランス・スコアカード)評価
図2:情報システムのBSC(バランス・スコアカード)評価
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   情報システムのBSC評価は特に、バランススコアカードによる評価を事業戦略に寄与する表1がIT投資により向上することを評価する方法として利用されている。

  1. 売上増大
  2. 顧客差別化
  3. 取引コスト削減
  4. ビジネスプロセス合理化
  5. コンピテンシー

表1:バランススコアカードによる評価を事業戦略に寄与するもの

   IT投資評価に耐えるIT構築を行うためには、ITによるビジネスバリューの作り込みを意欲的に行うことが重要であり、ITベネフィットとして認識できる成果を上げる必要がある。

   このためには、業務担当のエンドユーザがビジネスプロセス連携、データベース連携の機能を創案し、その中での連携支援が生むIT効果の評価をすることになる。

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社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
著者プロフィール
日本情報システム・ユーザー協会
社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
ユーザーの立場からの産業情報化の推進を目的とし、大手ユーザー企業を中心に、約250社の会員を擁し、経営とITに関する様々なテーマや、立場に応じた40以上の委員会、研究会、研究プロジェクトを実施し、毎年、各種調査・研究報告書の刊行や、提言を行っている。1962年、日本データ・プロセシング協会として創立、1992年社団法人日本情報システム・ユーザー協会として、全面的に拡充改組。
http://www.juas.or.jp/

INDEX
第4回:ITコストダウン・アプローチ
これからのIT投資評価のあり方
  情報システム投資の明確な評価
  企業/事業戦略においてのIT活用方法とその評価の決定