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先進諸国と比較したIT投資
先進諸国との対比におけるIT投資/ITコストダウンとITコストマネジメント

第1回:企業情報システムへの投資動向の把握
著者:日本情報システム・ユーザー協会   2006/3/2
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情報社会における企業情報システム

   ブロードバンド/モバイル環境の充実とともに、本格的な情報交流を行うネットワーク/コンピュータ環境を活用できる情報社会の基盤の中で、企業情報システムは機能/性能の拡充が進んでいる。

   しかし、大きな期待を抱いて企業情報システムへのIT投資を行ってきたが、実態として、投資による見返りが乏しいという認識がユーザ企業では進んだ。IT産業のビジネス拡大戦略に惑わされているのではないか、何処までIT投資を行えばいいのかなどの混乱も生じているように見える。

   情報ネットワークが世界を覆い、ビジネス・エリアも世界を相手に進めることが一般化し、不特定多数の顧客/取引先を相手にオープンなビジネス展開を行うことが求められてきた。そのため、多くの企業が対応する情報交流サービスシステムを追加構築してきたが、ビジネス規模と収益の拡大に貢献するケースが稀であることは経営者に理解されいる。

   一方、事業活動における差別化/優位性の強化にために、情報をいかし業務の効果/効率化を追求するとともに、情報付加価値サービスを提供する情報システム化は継続的に行われている(図1)。

これからの情報社会におけるビジネスシステムのイメージ
図1:これからの情報社会におけるビジネスシステムのイメージ
引用:EMシステムコンサルティング資料より作成


ビジネス革新を行う経営が重要

   ユーザ企業では自己責任において自社の企業/事業のビジネスをビジネスシステムとして整理し、システム化するスキルを身につけて継続的なビジネス体制の革新を行う経営が重要となる。

   JUASとしては、このビジネスシステムをユーザ企業の業務担当のエンドユーザが自分たちの業務システムとして企画し、改善/改革するアプローチを提唱している(図2)。


図2:ビジネスシステムの基本構造(JUASエンタープライズ・アーキテクチャ 2004年版)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   今後は表1の効果を業務システム企画上で組み込み、情報システム構築を行うことが重要となってくる。

  1. 情報システムのデータ連携の更なる活用
  2. 業務ルールの明確による業務連携の自動化機能の強化
  3. 情報交流によるビジネススピード・アップ
  4. 情報提供による付加価値形成

表1:これからの情報システム構築に必要なこと

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JUASでは、情報システムユーザーとしての立場からの産業情報化の推進を目的に、様々なテーマや立場に応じた活動(委員会、研究会、研究プロジェクト)を行っており、その活動成果を報告書、マニュアルとして販売しております。JUAS報告書・マニュアルの詳細は、下記URLをご参照ください。

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社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
著者プロフィール
日本情報システム・ユーザー協会
社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
ユーザーの立場からの産業情報化の推進を目的とし、大手ユーザー企業を中心に、約250社の会員を擁し、経営とITに関する様々なテーマや、立場に応じた40以上の委員会、研究会、研究プロジェクトを実施し、毎年、各種調査・研究報告書の刊行や、提言を行っている。1962年、日本データ・プロセシング協会として創立、1992年社団法人日本情報システム・ユーザー協会として、全面的に拡充改組。
http://www.juas.or.jp/

INDEX
第1回:企業情報システムへの投資動向の把握
情報社会における企業情報システム
  日米間の情報化投資の差
  日本企業のIT投資は増加傾向