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ITコスト評価インデックスとITコストベンチマーキング
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第7回:ITコスト集計上の課題とITコストベンチマーキング
著者:日本情報システム・ユーザー協会   2006/6/22
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ITコスト集計項目の選択

   日本企業におけるITコストの集計対象と実態事例の集計は表1となる。
ITコスト集計項目
表1:ITコスト集計項目
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大表示します)

   今回はこの収集結果を基にして、IT集計について考察していく。


情報システム開発投資のコスト集計対象

   情報システム開発投資を実行する上で消費した社内人件費は、半数の企業がコストとして把握していない。これは、多くの日本企業での人件費が固定費的に取り扱われ、給与を含む人件費は、人事部により予算化され経費処理されていることによる。

   開発するシステムの教育費は、開発投資の一部として計上しない企業が多く、システムの利用上のコストは、オペレーティングコストとして計上することが適切であると見ることもできる。

   企業によっては、外部委託の費用を開発投資と見て、またITインフラ(ハードウェア/ソフトウェア)は資産納入(購入資産)として処理しているケースがある。

   JUAS−ITコストモデルでは、次の費用を集計したものを「IT投資コスト」として見ている。

新規アプリケーション開発コスト
  • システム企画設計(社内人件費、外注費、その他)
  • 業務アプリケーション設計開発(社内人件費、外注費、その他)
  • 既存システム移行(社内人件費、外注費、その他)
  • 業務アプリケーションパッケージ(購入費、賃借費、保守費、外注費など)
  • 業務アプリケーション開発用ミドルウェア(購入費、賃借費、保守費、外注費など)

新規ITインフラ投資コスト
  • 新規ITインフラ導入コスト(購入費、賃借費、保守費、その他)
  • 共通ミドルウェア導入コスト(購入費、賃借費、保守費、その他)
  • 新規その他IT関連インフラ(購入費、賃借費、保守費、その他)

表2:IT投資コスト

   JUAS−ITコストモデルは、システムライフコストを把握し、投資対象の投資効果を明確にすることを目指している。

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社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
著者プロフィール
日本情報システム・ユーザー協会
社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
ユーザーの立場からの産業情報化の推進を目的とし、大手ユーザー企業を中心に、約250社の会員を擁し、経営とITに関する様々なテーマや、立場に応じた40以上の委員会、研究会、研究プロジェクトを実施し、毎年、各種調査・研究報告書の刊行や、提言を行っている。1962年、日本データ・プロセシング協会として創立、1992年社団法人日本情報システム・ユーザー協会として、全面的に拡充改組。
http://www.juas.or.jp/

INDEX
第7回:ITコスト集計上の課題とITコストベンチマーキング
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  既存システム運用費用のコスト集計対象
  ITコストベンチマーキング