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ITコスト評価インデックスとITコストベンチマーキング
ITコスト評価インデックスとITコストベンチマーキング

第1回:企業情報システム支出評価体系の確立
著者:日本情報システム・ユーザー協会   2006/4/20
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CIO/情報システム部門の責任

   グローバル市場での経済活動の仕組みに否応なしに適合していく中で、更なる競争激化が今後進む事業(ビジネス)環境下で、企業情報システムの機能性能の強化とそのコストダウンの相反する要求をバランスよく追求する責任をCIO、情報システム部門は負っている。

   このため、経営/事業展開方針や事業計画を実現するための「ビジネスシステム」の重要な構成部分である「業務システム」を効果的/効率的に遂行するための「情報システム」の企画支援からはじまり、情報システムの設計/開発/構築/運用を統括することがパッシブな情報システム部門の最低限の責任範囲である。

   アクティブな情報システム部門としては、ビジネスシステム自体の次の点を評価するとともに、その改善/改革を支援することが重要である。

  • 組織・スキル
  • 業務システム(人間系の業務処理を含む)
  • 情報システム
  • データ責任/データ精度確保
  • 業務遂行のお作法(業務システム/情報システムの利用ルール)

表1:ビジネスシステムで評価する点

   このビジネスシステムの評価、改善/改革に寄与することでITガバナビリティの本質を発揮することができる。

   このITガバナビリティのベースとなるものが「情報システム部門の組織役割設定と人材スキル獲得活用」である。

   CIOの役割は、この組織と人材を生かして、「ITシステム化方針と標準化」と「IT投資&コストマネジメント」により、ビジネスシステム上の情報システムの機能性能の改善/改革を行うための情報システムの企画支援、および情報システムの設計/開発/構築/運用を効果的/効率的に行うことを統括することが役割である(図1)。

ビジネスシステム化投資&コスト評価体制/引用:EMシステムコンサルティング 東山 尚
図1:ビジネスシステム化投資&コスト評価体制
引用:EMシステムコンサルティング 東山 尚
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   グローバル企業間の競争においては競争ルールを明確にすることで、優位性/差別化をはかり、対応策を構築することが可能となる。

   このために情報システム部門でも、情報化/情報システム化に伴うルール化を行うことが必要であり、そのルールの継続的な改革が必要である。

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社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
著者プロフィール
日本情報システム・ユーザー協会
社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
ユーザーの立場からの産業情報化の推進を目的とし、大手ユーザー企業を中心に、約250社の会員を擁し、経営とITに関する様々なテーマや、立場に応じた40以上の委員会、研究会、研究プロジェクトを実施し、毎年、各種調査・研究報告書の刊行や、提言を行っている。1962年、日本データ・プロセシング協会として創立、1992年社団法人日本情報システム・ユーザー協会として、全面的に拡充改組。
http://www.juas.or.jp/

INDEX
第1回:企業情報システム支出評価体系の確立
CIO/情報システム部門の責任
  情報システム支出としてのコスト把握限界
  コンピュータ用建屋の費用(償却費)のITコストへの計上