改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編 1

RDPLEサーバの構築に必須のRHEL4のサービス

RDPLEサーバの構築に必須のRHEL4のサービス

次に、RDPLEの構築に必要なRHEL4の標準サービスについて解説していきます。


DHCPサーバ

DHCPは、クライアントとなるブレードサーバがIPアドレスのプール(スコープ)からIPアドレスを取得することを可能にするネットワークサービ スです。そのサービスを提供するサーバがDHCPサーバとなります。DHCPサービスはPXE(注4)ブートにも必須となります。RDPLEサーバと DHCPサーバは1台で兼用可能です。

※注4:
PXE(Preboot eXecution Environment)とは、Intelが策定したネットワークブート規格のこと。

NFSサーバ

NFSサーバはRHEL4をターゲットサーバにインストールするために、RHEL4のCD-ROM一式を保存しておるファイルサーバとなります。 RHEL4のKickstartインストールを行う際、ターゲットサーバはNFSサーバ上に保存されているRHEL4のCD-ROMとまったく同じディレクトリ構成を参照してネットワークインストールを実行します。RDPLEサーバとNFSサーバは1台で兼用可能です。

PXEサーバ

PXEは、PXEクライアントとなるブレードサーバが起動イメージをダウンロードして実行するために必要なネットワークサービスです。これはフロッピーディスクからの起動に非常に似ています。PXEクライアントは、TFTP(Trivial File Transfer Protocol)を使用して起動イメージをダウンロードします。PXEブートによる全自動ネットワークインストールには必須のサービスです。RDPLE サーバとPXEサーバは1台で兼用可能です。

Sambaサーバ

RDPLEがターゲットサーバに対してジョブを実行すると、ターゲットサーバは電源投入後や再起動後にDOSが起動されます。ターゲットサーバ上でのハードウェア情報をRDPLEサーバ上に保存するためにSambaサーバの共有ディレクトリを利用します。RDPLEサーバとSambaサーバは1台で 兼用します。

RDPLEにブレードサーバを登録する

RDPLEサーバでブレードサーバ管理するには、その管理対象をRDPLEに登録する必要があります。登録方法は非常に簡単です。RDPLEと同一 LANセグメントに所属するブレードサーバであれば、ブレードサーバの電源を投入して、PXEブートさせるだけです。

PXEブート後、RDPLEのWebコンソール画面を更新すると、新たにブレードサーバが登録されていることがわかります。ブレードサーバがPXE ブートされて、RDPLEに最初に管理対象ノードとして登録されている時、ブレード側ではディスクレスで動作するDOSが起動しています。このディスクレ スで起動するDOSは、RDPLEサーバからPXEブートによって配布されたイメージファイルが展開されて実行されたものです。

このDOSが起動することにより、ノード登録やProLiantのハードウェア設定、イメージ取得、展開などのジョブが実行できるようになります。

RDPLEを使ってRHEL4を自動インストール(Kickstartインストール)

RDPLEを使ってブレードサーバにRHEL4をインストール場合は、RDPLEのメニューから「Script Install」ジョブを選択して、インストールしたいブレードサーバに選択したジョブを割り当てて実行します。

RHEL4の場合スクリプトインストールは、RHEL4の標準機能であるKickstartを利用します。管理者は、Webコンソールにログインし てからジョブの終了まで、すべてマウス操作でRHEL4のインストールが可能となっています。先に述べたように、PXEとKickstartを利用すればRHEL4の全自動インストールは可能ですが、高度なインテグレーション知識が必要となり管理も煩雑になる傾向があります。

そこで、RDPLEのような管理ソフトウェアによって管理者の負担を軽減する必要があります。RDPLEではRHEL4の自動インストールを行った後にPSP(注5)のインストールも自動で行うジョブがあらかじめ用意されています。

※注5:
PSP(ProLiant Support Pack)とは、HPが提供するProLiantサーバ用に最適化されたデバイスドライバ・ソフトウェア・ユーティリティをバンドルして、インストールおよびアップデートを行うソフトウェアパッケージのこと。

PSPには、Linux Deployment Utilityと呼ばれるGUIインストーラが用意されていますが、複数のサーバに対して一斉にインストールを行う設計にはなっていません。したがって、 ブレードサーバなどの複数のサーバに一斉にPSPをインストールしたい場合は、RDPLEを使うと大変便利です。

Kickstartに必要なks.cfgファイルはRDPLEサーバに保存しておきます。このファイルは管理者がカスタマイズすることが可能です。 RDPLEがあらかじめ用意しているks.cfgファイルにはPSPのインストールを行うためのpost処理が記述されています。

またブレードサーバにインストールするRHEL4のディスクパーティション構成をカスタマイズしてからスクリプトインストールを行う場合は、 ks.cfgファイルを編集します。あらかじめ複数のks.cfgファイルを用意しておき、各ks.cfgファイルを呼び出すジョブを別々に作成しておけば、様々なタイプのスクリプトインストールが可能です。

この記事をシェアしてください

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る