コマーシャルオープンソースとオープンソースの仕組み
コマーシャルオープンソースとオープンソースの仕組み
「SugarASP」はコマーシャルオープンソースによるCRMであり、ワールドワイドで巨大な開発母体を有していることが最大の特徴だ。コミュニ ティが開発した無償版があり、それに追加機能やサポートを付加した有償版が販売され、追加機能はやがて無償版コミュニティに公開されるという開発サイクル を有している(図5)。
これによって「高速な開発スピード」と「高機能ながら安価な有償版の提供」が可能になる。これと同様の流れは世界規模で起こっており、既存のCRM製品からSugarCRMへのリプレースが進んでいる。
このリプレースの要因と考えられるのは「コスト」と「将来の可能性」の問題である。純粋に商用のCRM製品とSugarASPを比べた場合、同等の主要機能を備えながらSugarASPは半分以下のライセンス費用で提供されている。
さらに細かい点では、メールの一括送信数に上限がない点やプロジェクト管理機能を備えているといったポイントもあげられる。これらの機能追加は、自 発的な機能開発プロジェクトによって行われている。現在200以上のプロジェクトが展開されており、その数は増加中だ。
さらにSugarASPはSaaSでありながらソフトウェアの設計図であるソースコードが提供されたり、運用が安定してくる2年目以降に自社内サーバへと切り替えるインハウス運用や外部のIDCを使うホスティング運用に移行できるなどの特徴もある。

図6:SaaSからインハウス、ホスティング運用への移行
この姿勢によって、SaaSが持つメリットである「小さくはじめて大きく育てる」ことが可能になり、CRM導入の成功率が高まるといえるだろう。
記事協力:ケアブレインズ
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この記事の筆者
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2004年の開設当初からOSS(オープンソースソフトウェア)に着目、近年は特にクラウドを取り巻く技術動向に注力し、ビジネスシーンでOSSを有効活用するための情報発信を続けています。クラウドネイティブ技術に特化したビジネスセミナー「CloudNative Days」や、Think ITと読者、著者の3者をつなぐコミュニティづくりのための勉強会「Think IT+α勉強会」、Web連載記事の書籍化など、Webサイトにとどまらない統合的なメディア展開に挑戦しています。
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