ネイティブは絶対に使っている! とっさのフレーズ「10選」
はじめに
英語のドラマや映画等を観ていて「この表現、よく聞くな」と思ったことはありませんか。日本語でもそうですが、英語にもネイティブや英語を話す人たちが頻繁に使っている「とっさの表現」というものが多く存在します。こういった表現の多くは学校の教科書には出てこないため、自発的に調べる必要があるものがほとんどです。
今回は、そのようなネイティブが絶対と言ってよいほど使っているとっさの表現「10選」を紹介します。なお、筆者が「これは使う!」というものを独断と偏見で選んでいるので、ぜひその中で自分でも使えそうなものを覚えてもらえればと思います。
また、各表現は日本語訳も併記していますが、調べると他にも微妙に異なる訳が出てくる場合もあります。そのため「このような意味なんだな」という程度で参考にしてください。
とっさのフレーズ その1:You know.
1つ目のフレーズはYou know.です。
You know.
(ほら、あれですよ/わかるでしょう)
これはネイティブが本当によく使う表現なので、恐らく「あるある!」と思った方も多いと思います。直訳すると「あなたは知っている」となります。ただ、この表現は会話の中で相手の共感を促すように「知っているでしょ」「分かるよね」といった感じで使います。俳優やスポーツ選手のインタビュー等でよく出てきます。
ただし、この表現を使った文を訳す際は、この表現自体が文の中身に影響することがないため、実際には訳さない方が自然と言えます。
例を見てみましょう。
I didn’t think he was going to be there, you know, so I was really surprised.
(彼がそこにいるとは知らなかったので、本当に驚いたよ)
このように、相手に共感してもらったり、話を盛り上げたりする際に便利な表現ですが、実際は文に入れる必要がない表現でもあります。ただし、よく使われる表現なので、覚えておくと良いでしょう。
とっさのフレーズ その2:like
2つ目のフレーズはlikeです。これもYou knowと似て同じような使われ方をします。
like
(えっと/なんか)
これも、ネイティブが話しているのをよく聞きます。特に、話している間にちょっと考えをまとめる際に使う表現(というより単語)です。
日本語でも、話しているときに「えっと」という人は多いですよね。このlikeも訳す必要はありませんが、「ちょっと間を作る」という意味では効果的な表現です。ただし、少しカジュアルな印象を与えるので、使い過ぎには注意しましょう。
とっさのフレーズ その3:I mean …
3つ目のフレーズはI mean …です。
I mean, …
(〜ではなくて/間違えた)
この表現にはいくつか使い方がありますが、今回は間違えて何かを言ってしまった際に訂正するときの使い方を見てみます。
I meanを直訳すると「私は意味する」となりますが、「私はこう言うつもりだった」というニュアンスになります。ネイティブの場合は間違った情報等を言った後、それに気付いた瞬間にこのI meanを続けます。
例を見てみましょう。
The meeting is this Thursday, I mean this Friday.
(打ち合わせは、今週の木曜…あ、ではなくて金曜です)
言い慣れると、反射的に出てくるようになります。
とっさのフレーズ その4:Hang on.
4つ目のフレーズはHang on.です。これも、よく聞く表現です。
Hang on.
(ちょっと待って)
「待って」と伝えたいときにはWaitという単語がまず頭に浮かぶと思います。もちろんWaitを使っても良いのですが、「ほぼ準備はできているから、もうちょっとだけ待って」というニュアンスの場合にはHang onを使うと、より自然に聞こえます。
例を見てみましょう。
A: John, we gotta go now! (ジョン、もう行かないと!)
B: Hang on. I’m just putting on my jacket. (ちょっと待って。ジャケットを着ているから)
このような感じですね。ぜひ、Waitと合わせてHang onも覚えてみてくださいね。
とっさのフレーズ その5:Speak of the devil!
5つ目のフレーズはSpeak of the devil!です。
Speak of the devil!
(噂をすれば!)
この表現は日本語の訳を読むとすぐに使い方は分かると思いますが、使うタイミングには注意です。誰かについて話していて、その人が来たときに使います。
もし、その人のことを良く言っていない会話だった場合、その人の姿が見えたときに、会話をしている相手に使うことがあります。その場合は「見ろよ、噂をすれば」というようなニュアンスになるので、悪口のように聞こえますね。
逆に、単にその人について話しているタイミングで、ちょうどその人が会話に参加してきたときも、この表現が使えます。その場合の相手は「え? なになに?」といった反応になるでしょう。
A: Hey, speak of the devil! (お~、噂をすれば!)
B: What? What were you saying about me? (何? (私について)何て言ってたの?)
とっさのフレーズ その6:Whatever.
6つ目のフレーズはWhatever.です。これも、よくネイティブが使う表現です。
Whatever.
(はいはい/どうでも良いよ)
この表現は、相手が言っていることを信じなかったり、怒っているときに、相手の釈明などに対して使ったりします。最終的には喧嘩になったり、関係が悪化することにもつながるので、使う際には注意が必要です。
こちらも、例を見てみましょう。
A: I’m sorry, but I’m sure I put the book in my bag. (ごめん。でも本当にカバンに本は入れたんだよ)
B: Whatever. (はいはい)
この反応から、Bが相当怒っている、または呆れていることが分かります。
とっさのフレーズ その7:Don’t mention it.
7つ目のフレーズはDon’t mention it.です。
Don’t mention it.
(どういたしまして/気にしないで)
この表現を訳すと「それは言わないで」となります。誰かに何かを言ってほしくない場合にも、例えばDon’t mention it to him.(彼には言わないで)のように使えますが、ほとんどの場合はYou’re welcomeと同じ意味で、お礼に対して使います。
お礼を言われたときに、さらっとこの表現を言えたら格好良いですよね。他にも、Thank youに対してNo worries.(大丈夫だよ)のような表現を使うこともできます。
とっさのフレーズ その8:Tell me about it.
8つ目のフレーズはTell me about it.です。この表現は、相手に100%同意や共感する際に、ひと言で返せるものです。特に自分が同じ経験をしたときにはこれを使うと良いですね。
Tell me about it.
(まったくだよ/それな)
ここ数年でよく使われるようになった「それな」に該当する表現とも言えます。これも使い方を見てみましょう。
A: That was such an amazing game! (本当に最高の試合だったね!)
B: Tell me about it! The last goal was incredible. (まったくだよ! 最後のゴールなんて信じられなかった)
相手の発言に同意や共感する際はI think so, too.ではなく、この表現を使うと会話も盛り上がりますよ!
とっさのフレーズ その9:Fair enough.
9つ目のフレーズはFair enough.です。
Fair enough.
(なるほど、分かった/納得)
Fairは「公平」、enoughは「十分」と訳すので、「十分公平」という意味だ考える人も少なくないと思います。しかし、直訳だとしっくり来ないですよね。
この表現は、相手の説明等を聞いて「そうなんだ、分かった」というように納得したことを示します。状況にもよりますが「それなら仕方ないね」といったニュアンスにも訳せる場合があります。
こちらも、会話例を見てみましょう。
A: I’m sorry I can’t make it tonight. My car has a flat. (ごめん、今夜行けないや。タイヤがパンクしちゃったんだよね…)
B: Oh man. That’s a shame. But fair enough. (うわ、マジか! 残念。でも分かったよ)
とっさのフレーズ その10:I better get going.
最後のフレーズはI better get going.です。
I better get going.
(そろそろ行かないと)
「そろそろ家に帰ろうかな」という際に、スマートに伝えられる表現です。その場がつまらなくて去りたいという場合にも、この表現を自然に使えると上手に帰れますよ。
他にも、カジュアルな表現でI should get going.やI need to take off.といった表現もあります。
おわりに
今回で紹介した以外にも、ネイティブが使う表現は数えきれないほどあります。いずれも学校の英語の授業では出てこない表現ですが、実際の会話では頻繁に使われるものがとても多いので、そういった表現も覚えて使ってみると良いでしょう。
ただし、表現の意味と使い方はしっかりと確認しておいてください。間違って使ってしまうと誤解が生じたり、無意識に相手を傷つけたり、関係に影響が出てしまうこともあります。その点さえ気を付ければ、ネイティブのような英語に近づくことができますよ!
映画やインタビュー等で「あれ?」と思う表現があれば、英語の字幕を表示したり、聞き直したりして、確認してみてくださいね。