ローカル・ディスク上でのファイル操作
MyDocumentsフォルダ内を操作する処理を記述する
レイアウトとTrustedモードの設定ができたら、リスト1のようなロジック・コードを記述していきます。
リスト1: MyDocumentsフォルダ内を操作するロジック・コード（MainPage.xaml.vb）
■名前空間の読み込み
ファイルの入出力に関するクラスの含まれるSystem.IO名前空間をインポートします。
Option Strict On
Imports System.IO
■[MyDocumentsフォルダ内のファイル取得]ボタンをクリックしたときの処理
IsRunningOutOfBrowserプロパティでアプリケーションがブラウザ外で実行されているかどうかをチェックし、HasElevatedPermissionsプロパティで、アプリケーションが高い信頼性のあるブラウザ外で動作しているかをチェックします。
ブラウザ外で実行されず、高い信頼性に基づいていない場合は、メッセージボックスを表示します。
ブラウザ外で実行され、高い信頼性に基づいている場合は、以下の処理を実行します。
まず、ファイルを取得するためのリスト・コレクションを作成します。GetFolderPathメソッドでシステムの固定フォルダ（このサンプルでは、MyDocumentsフォルダ）へのパスを取得します。
Environment.SpecialFolder列挙体のメンバには、MyMusic、MyPictures、System、ProgramFiles、MyComputer等があります。ファイル・システムへの書き込みが可能であるのは、その中で「My」のついたフォルダのみです。MyDocumentsフォルダ内を反復処理しながら、Addメソッドでリスト・コレクションにファイルを追加していきます。ListBox1コントロールのItemsSourceプロパティに、ファイルの追加された、myDocumentFolderオブジェクトを指定します。ListBoxコントロール内にMyDocumentフォルダ内のファイルが、絶対パス付きで一覧表示されます。
さらに、Try～Catch～End Tryで例外処理を追加しておきます。これは、「Debug」ペインのStartActionを「Dynamically generate a test page」ではなく「Out-of-browser-application」に設定している場合、ファイル保存後に[My Documentフォルダ内のファイル取得]ボタンをクリックすると発生するエラーを回避するためです。
Private Sub Button1_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.Windows.RoutedEventArgs) Handles Button1.Click
Try
If App.Current.IsRunningOutOfBrowser = False AndAlso App.Current.HasElevatedPermissions = False Then
MessageBox.Show("Trustedモードによるブラウザ外実行を行ってください。")
Exit Sub
Else
Dim myDocumentFolder As New List(Of String)
Dim myDocument = Directory.EnumerateFiles(Environment.GetFolderPath(Environment.SpecialFolder.MyDocuments))
For Each myFiles In myDocument
myDocumentFolder.Add(myFiles)
Next
ListBox1.ItemsSource = myDocumentFolder
End If
Catch
Exit Sub
End Try
End Sub
■[MyDocumentsフォルダ内に書き込み]ボタンをクリックしたときの処理
IsRunningOutOfBrowserプロパティでアプリケーションがブラウザ外で実行されているかどうかをチェックし、HasElevatedPermissionsプロパティで、アプリケーションが高い信頼性のあるブラウザ外で動作しているかをチェックします。ブラウザ外で実行されず、高い信頼性に基づいていない場合は、メッセージ・ボックスを表示します。ブラウザ外で実行され、高い信頼性に基づいている場合は、以下の処理を実行します。
ファイル名を入力するTextBoxコントロール（名前はfileNameTextBox）内に、ファイル名が入力されている場合の処理です。
Path.CombineメソッドでMyDocumentsフォルダのパスと、fileNameTextBox内に入力されたファイル名を連結し、変数filePathに格納します。同じファイル名のファイルが存在した場合は、Deleteメソッドで削除します。ファイル名と文字コードで初期化された新しいStreamWriterのインスタンスである、writerオブジェクトを生成します。文字コードを指定する際には、Shift_JISではなく、Unicode形式でなければ書き込めませんので注意してください。ここではutf-8を指定しています。Writeメソッドで、TextBoxコントロール（名前はTextBox1）内に入力された内容をストリームに書き込みます。StreamWriterを閉じます。
Private Sub Button2_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.Windows.RoutedEventArgs) Handles Button2.Click
If App.Current.IsRunningOutOfBrowser = False AndAlso App.Current.HasElevatedPermissions = False Then
MessageBox.Show("Trustedモードによるブラウザ外実行を行ってください。")
Exit Sub
Else
If fileNameTextBox.Text String.Empty Then
Dim filePath As String = Path.Combine(Environment.GetFolderPath(Environment.SpecialFolder.MyDocuments), fileNameTextBox.Text)
If File.Exists(filePath) = True Then
File.Delete(filePath)
End If
Dim writer As StreamWriter = New StreamWriter(filePath, False, System.Text.Encoding.GetEncoding("utf-8"))
writer.Write(TextBox1.Text)
writer.Close()
MessageBox.Show(fileNameTextBox.Text & "を保存しました。" & vbCrLf & _
"[MyDocumentsフォルダ内のファイル取得]ボタンをクリックしてファイルの確認をしてください。")
Else
MessageBox.Show("書き出すファイル名を入力してください。")
End If
End If
End Sub
■ListBoxコントロール内に表示されているファイル名が選択されたときの処理
ListBoxコントロールより選択されたパス付きファイル名を、変数filePathに格納します。選択されたファイル名と文字コードで初期化された、新しいStreamReaderのインスタンスである、readerオブジェクトを生成します。ReadToEndメソッドでファイルの内容を読み取ります。読み取った内容をTextBoxコントロール（名前はTextBox2）に表示します。StreamReaderを閉じます。StreamReaderクラスは、標準テキスト・ファイルから情報の行を読み込みます。つまり、読み込み可能なファイルは、テキスト形式のファイルに限られます。WordドキュメントやExcelブックやPDFファイル等を読み込んで表示することはできません。
Private Sub ListBox1_SelectionChanged(ByVal sender As Object, ByVal e As System.Windows.Controls.SelectionChangedEventArgs) Handles ListBox1.SelectionChanged
Dim filePath As String = ListBox1.SelectedItem.ToString
Dim reader As StreamReader = New StreamReader(filePath, System.Text.Encoding.GetEncoding("utf-8"))
Dim myContents As String = reader.ReadToEnd
TextBox2.Text = myContents
reader.Close()
End Sub
