サーバー仮想化最新技術Citrix XenServer 5.6
動的メモリー制御 (DMC)
メモリーのオーバー・コミット、もしくはメモリー・バルーニングとも呼ばれます。仮想マシンにメモリー範囲(最大値と最小値)を設定し、その範囲内でメモリーを増減させ、ある仮想マシンのメモリーをほかの仮想マシンへ割り当てることができます。
デスクトップ仮想化の仮想インフラストラクチャとして使用する場合には、サーバーを仮想化するよりも多くの仮想マシンを起動することになるため、こういった技術が有効です。図4は、XenCenterで動的メモリー制御の機能を設定する画面です。
図4: XenCenterの画面(動的メモリー制御の設定) |
ライブ・メモリー・スナップショットとロールバック
稼働中の仮想マシンに対して、ディスクとメモリーのスナップショットを取得できるようになりました。ディスクのスナップショットに関しては、引き続き無償版で提供します。XenCenter上でスナップショット・ツリーを表示して分岐させることも可能で、任意の時点のスナップショットにロールバックすることが可能です(図5)。
図5: スナップショット・ツリー。任意の時点にロールバックできる |
ユーザーのロール・ベース管理と操作履歴管理 (RBAC)
さまざまなアクセス権を持つユーザー・ロール(役割)を提供し、セキュリティを高めます。これらのロールを、Active Directoryのユーザーやグループに割り当てることが可能です(図6)。操作ログを取得することも可能です。
例えば、下記のようなユーザー・ロールを割り当てることができます。
- Pool Admin: 管理者
- Pool Operator: リソース・プールの管理
- VM Power Admin: 仮想マシンの管理
- VM Admin: 仮想マシンの管理(メモリー・オーバー・コミット、スナップショットなどを除く)
- VM Operator: 仮想マシンの日常的な管理(インストール、ディスクやネットワークなどのリソースの追加を除く)
- Read-only: リード・オンリー
図6: ロール(役割)をADのユーザー/グループに割り当てる(クリックで拡大) |
動的ワークロード最適化と電源管理(WLB)
ポリシーに基づき(パフォーマンス・モード、集約モード)、リソース・プールの仮想マシンを、最適なホストへと自動的に再配置します。また、必要に応じて、XenServer ホストの電源のオン/オフを行います。VMware DRS(Distributed Resource Scheduler)とDPM(Distributed Power Management)に相当する機能です。
パフォーマンスを優先する場合は、XenServerのリソース使用率をモニターします。最大パフォーマンスを設定すると、リソースを最大限使用して仮想マシンを実行します。逆に、集約モードを優先すると、起動しているXenServerをできるだけ少なくします。使用していないXenServerの電源を自動的に落とすことも可能です。
また、ワークロードに関するレポートを表示することもできます。例えば、図7では、仮想マシンを起動する際に最適なサーバーを、星印の数で示しています。
図7: サーバー負荷情報を基に、仮想マシンの起動に適したサーバーを提示 |