競技部門1位のチームメンバーが解説する、ETロボコンの攻略ポイント(後編)

2013年4月18日(木)
岡嵜 雄平

5. 関西連合

ETロボコン2012 CS大会では関西地区から出場した3チームが、それぞれ何かしらの賞を受けることができました。開催地区にて実施されている「独自勉強会」が大きく寄与したことはもちろんですが、選手主導で活動している「関西連合」こそが、関西勢の強さの本質であると筆者は考えています。

5.1. 関西連合とは

「関西連合」は関西地区の参加チームの有志が集まり、ETロボコンに関する情報交換を行う活動です。ETロボコン2012から活動を開始し、現在では5〜6チームが活動に参加しています。選手が主導となっているため、参加者の生の意見が飛び交う活動となっています。

5.2. 活動内容

ETロボコン2012の期間中は下記のような活動を実施しました。

  • 前年度のモデルをベースとしたLT(Lightning Talk)
  • 地区大会後のリベンジ大会開催
  • 北陸地区リベンジ大会に合同で参戦
  • 意見交換(という名の飲み会)

このような活動を通じて、自チームの取り組みを他チームへ展開し、また、他チームの取り組みを参考にする、という「技術のGive and Take」ができました。何より、連合内のチームはライバルであり同志でもあります。これが競争心に火を付け、モチベーション向上につながりました。これがCS大会入賞の原動力となったように思います。

ETロボコン2012を終え、各チームとも世代交代により、ETロボコンから卒業するメンバーもいることでしょう。しかし、その卒業生が新たにETロボコンに参戦した新入生に技術を伝承する、そんな活動になればいいと筆者は思っています。

ETロボコン2013でも関西連合の活動は継続していきます。関西地区で参戦するチームに限らず、ぜひ関西連合の活動に参加してはいかがでしょうか?

6. まとめ

以上が「猪名寺駅前徒歩1分」のETロボコン2012でした。総括すると、いくつかの取り組みが功を奏したものの、決して「特別な」もしくは「革新的な」取り組みをした、ということはありません。「CS大会の競技部門で優勝するチーム=天才エンジニア集団」のように思う方もいるかもしれませんが、どのチームにも等しく優勝の可能性はあるのです。

我々のチームも既にETロボコン2013に向けて動き出しています。ETロボコン2012 競技部門のチャンピオンとして、ETロボコン2012以上の走行体を作り上げ、競技部門の連覇・総合優勝を狙います。本記事を読んでETロボコンに興味を持った方は、ぜひETロボコンに参戦しましょう!ものづくりを本気で楽しめる環境がそこにきっとあるはずです。

図8:CS大会競技部門 優勝トロフィ
2013年度は「総合部門」、「モデル部門」「競技部門」の全部門で優勝を目指します。

【参考リンク】

ETロボコン2013公式サイト

(リンク先最終アクセス:2013.04)

三菱電機マイコン機器ソフトウエア(株)

1989年生まれ。山口県下松市出身。徳山工業高等専門学校卒業。
FA分野における組込みS/Wの設計・開発に従事している。ETロボコン2012では「猪名寺駅前徒歩1分」のチームメンバーとして参加、チャンピオンシップ大会の競技部門にて優勝した。

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