エンジニア歴25年と17年のベテラン同士が語り合う世代間ギャップー お互い歩み寄りが大事

2024年2月1日(木)
テックコミュニケーション研究所
東京丸の内に本社を構えるとあるIT企業。異なる世代のエンジニア社員達が働き方やコミュニケーションなどの様々な「世代間ギャップ」を語り合います。

異なる世代のエンジニアが集い語り合う「エンジニア世代間ギャップ」対談企画。第4回目の今回は、初のベテラン同士の対談です。過去の経験を振り返りつつ、世代間ギャップをテーマに本音を語り合うベテランエンジニアの会話をお楽しみください。

左から牧野さん(エンジニア歴17年)、山吉さん(エンジニア歴25年)

登場人物紹介

さっそくですが、お2人の自己紹介をお願いします!

  • 山吉エンジニア歴25年です。もともとは開発エンジニア出身です。途中からインフラエンジニアとして仕事をしてきました。今はエンドユーザ案件を担当しています。自分たちのチームは2名体制で行っており、新卒2年目と一緒に仕事をしています。案件内容としては、セキュリティのシステム管理室で各プロジェクトのキュリティ診断です。脆弱性に対してコスト面も含めて対応方法を検討することがメインの仕事です。
  • 牧野エンジニア歴は17年くらいです。山吉さんと一緒で、5年目くらいまで開発エンジニアを経験したのち、この会社に所属してからはインフラエンジニアとして仕事をしています。今は自動車会社の案件で、主に走行データを収集し、データ活用として外販するシステムの基盤の保守を担当しています。システム保守の窓口業務や作業手順書のレビューを任されることが多いですね。最近、長期休みをもらって新婚旅行にも行きましたよ!

ベテランエンジニアのお2人にズバリ聞きたい!

実際に「世代間ギャップ」と感じることはありましたか。

  • 牧野実は若者たちと接していてもギャップを感じたことがないんだよね。逆に自分と同世代の人とか、自分よりも年齢が上の人たちと接している方にギャップを感じることがあるかな。必要に応じてオンラインの打ち合わせを設定することは問題ないのだけど、必要以上に対面の打ち合わせを設定しがちな感じ。前回の案件は若手と接することが多くて、自分は早い段階で良い関係を築けていた。もともと自分の価値観が今の時代に合ってきたというのもあるかも。多様性に対する考え方も昔からあったからね! 女性だから優しくするとか、男性だから厳しくするとかで判断したくないし、フラットに接したいかな。ちなみに山吉さんはどうかな?
  • 山吉自分はもしかしたら古いタイプの人間なのかも。価値観がかなり偏った環境でエンジニアを経験してきましたらかね。
  • 牧野我々の部門は若い人たちの割合が多いよね。その中にいる山吉さんを見ていても、コミュニケーションで苦戦している姿は見たことがないかも。
  • 山吉そうなんだよね。「もっと苦戦するかな」って思っていたけど、最近の若手はみんな優秀で、ソツなくこなしてくれる子が多い。難しい要求を出しても早い段階で回答してくれるしね。調べ方が上手なのも、その理由かもね。
  • 牧野確かに! 正にデジタルネイティブの世代だって感じるよね。仕事の動き方が分からないのかなと思う瞬間はあるけど、最初の意識付けをすることで、あとは協力して動いてくれる子たちが多いイメージだよ。
  • 山吉牧野さんの以前の案件だと若手が多かったイメージだったけど、実際はどうだったの?
  • 牧野当時は新卒1~4年目の若手がいたり、そもそもオンプレ未経験の若手もいたり、教えることが盛り沢山だったな。自分が案件に入ったのは構築フェーズが始まるタイミングだったけど、構築の準備がほぼできていなかった。Ansibleで自動化する話もあったけど、その準備すら全くできていなかったから最終的に「手で構築したほうが早い!」ということになってしまって、結果、休日も使って平日分の準備を一気に対応したよ。
  • 山吉そんな大変な状況でも、若手に都度指示を出していたってこと?
  • 牧野もちろん! 必要な手順を私の方で作成して、本人たちに対応してもらっていたよ。このときもメンバーはソツなく対応してくれて助かった。

今の若者について語り合う2人

  • 山吉今の若手は、自走するようになるのも早いよね!
  • 牧野2ヶ月くらいで一般的な構築テストも覚えてくれて、細かいところもソツなくこなしてくれていたよ。とは言え、かなり忙しい案件だったから、若手がどこまでついてきてくれるのか正直心配だった。若い子たちは体力があると思いがちだけど、仕事で使う体力とは少し違うからね。
  • 山吉牧野さんも、結構若い頃は徹夜が当たり前だったんじゃないの?
  • 牧野開発エンジニアだったときは、請負契約で開発を担当していたので地獄のような日々を送っていたよ。リリースして1ヶ月くらいはバグの多発が当たり前だったからね。
  • 山吉今、牧野さんの話を聞いて思い出したけど、「ライフワークバランス」って言葉も最近はよく聞かようになったよね。私たちの時代から意識できると良かったなぁ(笑)。
  • 牧野もしかしたら、きっちり定時で帰宅するって考え方は、今の若者にとっては当たり前なのだろうな。私は忙しい案件に参画することが多かったから、保守のときは「1日で障害対応をクローズさせなければ」と切羽詰まってやっていたよ。この会社に所属するようになってからはリーダを経験することが多くて、その分裁量も増えてきたから、安定的に仕事ができるようになってきたけどね。
  • 山吉そう考えると、昔はブラックな時代だった。自分が開発エンジニアをしていたときは、夜中の2時まで仕事して、次の朝9時に出社するなんてことも普通だったしね。苦しい経験をするとか時間をかけた分だけ成長できると思うタイプだったから、最近よく耳にする「ライフワークバランス」という言葉には違和感があるかも。
  • 牧野エンジニアは常にIT技術を勉強し続けることが重要だと思っているから、働いていない時間も自己成長に充てられるかで成長スピードも変わっていくだろうね。ライフワークバランスという言葉に捉われずに、時間を自己投資に使えると良いよね。自分の部門にいる若手を見ていると、空き時間とか休みの日にも勉強して資格を取って、それを次の仕事へ活かしていたりする姿をよく目にする。そういう子はやっぱり成長スピードが早いから、時間を自己成長に投資しているかで、早い段階から成長の差が生まれてきてしまうんだろうなと。たまに炎上案件マジック(?)で大変な案件に入ると成長した気になってしまうけど、実際は違うからね。そう言えば、私もこの間1週間くらいかけてAzureの資格を取得したよ!

牧野さんが語る姿に微笑む山吉さん

若手が上司に一番求めていること

今の時代、若手が上司に求めている一番の項目として「コミュニケーション能力」が挙がっているそうです。このデータについてお2人のお考えを教えてください。

  • 山吉若手が上司にコミュニケーション能力を求めているって聞くと、何となく「◯◯ハラスメント」を連想するよね。状況にもよるかもしれないけど、仕事上でハッキリと伝えなければならない局面は必ずあるから、どうしてその指摘をしたのか理解してもらえるように背景も伝えてあげる必要はあるかも。でも、どこまで指摘すると相手側が「厳しい言い方をされた」と捉えるかは分からないし、難しいよね。
  • 牧野私は相手のレベル感を見て仕事の渡し方を変えているよ。仕事の渡し方を間違えると、相手も苦しい思いをしてしまうからね。なるべく丁寧に説明して、相手側もその都度確認できるように配慮している。外から見ると、人によって接し方を変えていると不思議に思われるかもしれないけど、仕事を円滑に進めていくうえでは大事なことだと思う。あとは、自分の考え方とか仕事の仕方を伝えたときに、相手がどんな反応をしているのかをキャッチすることも大事。困っていそうだったら早い段階で深堀りをして確認すると、お互いの関係性も悪くならずに済むのではないかな。キャッチボールで例えると、50メートルのボールを投げて届かなかったら、25メートルのところまで歩み寄ってから投げる、みたいなイメージかも。
  • 山吉なるほどね。我々ベテラン勢もいろいろと模索してコミュニケーションを取っているけど、お互いに歩み寄りながら仕事をしやすい関係を築いて行きたいよね。今回の締めとして若者にメッセージを送るのであれば、「時代は移り変わってきているから、我々も努力していくし、我々に付いて来てほしい!」と伝えたいね!

若者へのメッセージを考える2人

* * * * *

お2人の対談は、ベテランエンジニアが働き方や若手エンジニアとのコミュニケーションについて深く掘り下げ、お互いの理解を深める良い機会となったのではないでしょうか。若手もベテランも、お互いに歩み寄りの精神を大切にしていきたいですね。

次回もお楽しみに!

著者
テックコミュニケーション研究所
都内のとあるIT企業がITの技術だけでなく、エンジニア同士のコミュニケーションをテーマに課題やノウハウを発信しています。IT業界は日々進化し、エンジニアリングの世界では新たな挑戦が絶えません。しかし、技術力だけでは成功を収めるのは難しく、エンジニア同士の効果的なコミュニケーションが不可欠です。我々はテックコミュニケーション研究所というチームを結成し、この重要な側面に焦点を当て、エンジニア同士が円滑に連携し、プロジェクトを成功に導くためのノウハウを発信していきます。

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