第7回:ラクする?こだわる?データベースのパフォーマンスチューニング (1/4)

商用&OSSデータベースの現状と今後
商用&OSSデータベースの現状と今後

第7回:ラクする?こだわる?データベースのパフォーマンスチューニング

著者:オフィスローグ  工藤 淳   2005/9/26
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DB職人とビジネスパーソンの間で揺れるエンジニアの気持ち

   データベース技術者にとって、もっとも難しく高度なスキルが要求される作業といえば、パフォーマンスチューニングだろう。

   データベースのパフォーマンスは、ハードウェア構成やデータベース構成といった静的な環境だけでなく、クエリやインデックスチューニングといった動的な要素によっても大きく左右される。いってみれば常に動き回っているネズミの群れを、もっとも短距離で目的地に移動させるにはどう並ばせたらよいかといったような、不確定なパラメータに満ちた作業は、エンジニアにとっては腕の見せどころでもある。

   それだけに、職人肌のエンジニアにはしばしば「僕、チューニングが好きなんです」という人がいるが、多くの職業エンジニアにとって、パフォーマンスチューニングは好きとか嫌いとかを超えた、重大事であるのは間違いないだろう。

   何しろ現実のビジネスの中では、会社のシステムが遅いと文句をいわれ、怒られるのは自分なのである。職人肌のエンジニアの一方で、「いつでもカンタンに苦労なくパフォーマンスがだせる方法ってないのかなぁ…」と悩んでいるエンジニアも大勢いるのは何の不思議もないことである。もっともな話だ。近道があるのならば、あえて趣味でもない徹夜の苦労をする必要はない。

   とはいえ、職人肌のエンジニアを単に好きでやってるマニアなどと侮辱する気はさらさらない。過去のセルフチューニング機能などがまだ存在しなかった時代にも、大規模ミッションクリティカルシステムがちゃんと動いていた背景には、間違いなくこうした技術者の「限界を追い求める」熱意があったのは間違いのないからである。

   むしろ現場のエンジニアたちは、技術者としての純粋な興味や関心と、職業人としての時間配分やコストのバランスシートの上で、「どちらを選びたいか」と「どちらを選ぶべきか」に揺れ続けてきたというのが実状だろう。

技術者の悩みどころ
図1:技術者の悩みどころ

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著者プロフィール
オフィスローグ  工藤 淳
IT技術系出版社勤務を経て、オフィスローグとして独立。データベース関連誌編集に携わっていた流れで、現在もデータベース系の執筆が比較的多い。元々は楽器から建築、自動車まで何でも注文があれば書いてきたのが、気がついたらIT専門のような顔をして仕事をしているのに自分で少し驚愕、赤面。


INDEX
第7回:ラクする?こだわる?データベースのパフォーマンスチューニング
DB職人とビジネスパーソンの間で揺れるエンジニアの気持ち
  OracleとSQL Serverにつきまとってきた対立の本質とは
  「赤勝て、白勝て」の表面的な見方から、進化のための競争という認識へ
  OSSの開発者もパフォーマンスチューニングには強い関心
商用&OSSデータベースの現状と今後
第1回 シェアの差はそのままデータベースの実力の差か?〜RDBMS各々のメリットとデメリット比較〜
第2回 止まらない安心&止まっても安心?〜有名ブランドだけが可用性を保証できるのか?
第3回 1台なら大丈夫。つないでいっても大丈夫?〜OSSのスケーラビリティの実際
第4回 商用 vs. OSSの単純な機能比較では話にならない 〜 データベースのセキュリティを考える
第5回 ホントにつながる?商用とOSSの異種データベース接続を見てみよう
第6回 「バックアップとは何か」から見た、商用 vs OSSデータベースの違いとは?
第7回 ラクする?こだわる?データベースのパフォーマンスチューニング
徹底比較!! Oracle & PostgreSQL
第1回 データベースソフトウェアの選択基準とは
第2回 アーキテクチャ比較  プロセス構造の違い
第3回 アーキテクチャ比較  ファイル構造の違い PostgreSQLの特徴
第4回 PostgreSQLの適用範囲を考える 〜 機能比較
第5回 PostgreSQLの適用範囲を考える 〜 データ登録のパフォーマンス
第6回 PostgreSQLの適用範囲を考える 〜 データ検索のパフォーマンス
第7回 PostgreSQLの適用範囲を考える 〜 更新・削除のパフォーマンス
第8回 PostgreSQLの適用範囲を考える 〜 ベンチマークテスト
第9回 PostgreSQLの適用範囲を考える 〜 管理・運用編

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