Eclipse実践プラグイン開発 8

既存のパースペクティブの拡張

既存のパースペクティブの拡張

既存パースペクティブの拡張方法について見てみましょう。

既存のパースペクティブを拡張する場合は、元のパースペクティブのソースコードを編集することはできませんので、拡張ポイント"org.eclipse.ui.perspectiveExtensions"を利用することになります。ここでは先ほど作成した独自のパースペクティブに、タスク・ビューを追加してみましょう(図4)。

実行例
図4:実行例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

 

まずマニフェスト・エディターの「拡張」ページを表示し、「追加」ボタンをクリックして、「新規拡張」ウィザードを起動します。

次に拡張ポイント"org.eclipse.ui.perspectiveExtensions"を選択し、「新規拡張」ウィザードを終了します。

 

"perspective"プロパティ設定

"org.eclipse.ui.perspectiveExtensions"を右クリック します。表示されたポップアップ・メニューから「新規」-「perspectiveExtension」の"perspective"プロパティを以下のように設定し、保管します。

プロパティ
内容
targetID examples.hello2.perspectives.SamplePerspectiveFactory
拡張するパースペクティブのID

 

"view"のプロパティ設定

"examples.hello2.perspectives.SamplePerspectiveFactory"を右クリックします。表示されたポップアップ・メニューから「新規」-「view」を選択し、"view"のプロパティを以下のように設定し、保管します。

プロパティ
内容
id org.eclipse.ui.views.TaskList
追加するビューのID。今回はタスク・ビューのビューIDを指定
relative org.eclipse.ui.views.ProblemView
配置する際の参照として利用されるパースペクティブの既存のビューID。今回は問題・ビューのビューIDを指定
relationship stack
idとrelativeで指定した2つのビューの関係を指定
ratio 値:なし
追加するビューの表示領域の割合を指定する。relationshipでleft、right、top、bottomのいずれかを選択した場合には指定が必要
visible true
パースペクティブがはじめに開かれた時の可視、不可視設定
closeable true
ビューがクローズ可能かどうかを設定
moveable true
ビューが移動可能かどうかを設定
standalone false
同一フォルダ内でのビューの連結が可能かどうかの設定。relationshipがfast、stackedの場合は無視される
showTitle true
ビューのタイトルを表示するかどうか。standaloneがtrueの場合のみ適用される

以上で、既存のパースペクティブを拡張することができました。ワークベンチ・ランタイムを再起動してみましょう。図4のように問題・ビューに重なる形でタスク・ビューが表示されているはずです。

これまでに、既存のパースペクティブを拡張する手順について説明しました。次に、拡張ポイントについて説明したいと思います。

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