新世代モーションコントローラー Leap Motion -Visual Basicによる実践プログラミング- 5

マウス・カーソルで指定した画像の一部を拡大表示するLeap Motionプログラム

今回のアプリは、画面上に表示された画像の一部分にマウス・カーソルを乗せ、タッチした状態(タッチ・ポイントが赤)で移動させると、マウス・カーソルのあたった個所が拡大表示されるアプリです。早速開発手順を見ていきましょう。まずはWPFプロジェクトの作成から今回のLeap MotionアプリもWPFで作成

薬師寺 国安

2013年11月12日 1:30

今回のアプリは、画面上に表示された画像の一部分にマウス・カーソルを乗せ、タッチした状態(タッチ・ポイントが赤)で移動させると、マウス・カーソルのあたった個所が拡大表示されるアプリです。早速開発手順を見ていきましょう。

まずはWPFプロジェクトの作成から

今回のLeap MotionアプリもWPFで作成します。

これには、Visual Studio 2012(以下、VS 2012)のIDEを起動して、メニューバーから[ファイル]−[新規作成]−[プロジェクト]と選択して、それにより表示される[新しいプロジェクト]ダイアログで「Visual Basic」のテンプレートから「WPF アプリケーション」を選択します。このアプリはVS2012で作成していますが、VS2013でも作成は可能です。

※Leap Motionは、.NET Framework 3.5と4.0に対応しています。しかし、.NET Framework 4.5でも動作します。今回のアプリは全て.NET Framework 4.5で作成していますが、あくまでも対応しているのは、.NET Framework 3.5と4.0です。心配な方は、.NET Framework 4.0で作成すると安心でしょう。

[名前]欄には、ここでは「ZoomLensLeapMotion」と指定します。

ソリューション・エクスプローラー内にImageというフォルダを作成して、画像を1枚配置しています。画像サイズは特に指定はありません。今回はPNG画像を使用していますが、JPEG画像でも問題はありません。

ダウンロードされたサンプルファイルには、画像ファイルは追加済みです。

ポーリング方式の採用

今回のサンプルは4回目のサンプルと同様、「ポーリング方式」を作用しています。「ポーリング方式」とは、Controllerクラス(Leap名前空間)だけを使用した方式です。詳細については、「C#によるLeap Motion開発の全体像」を参照してください。

WPFの基本的な作成手順は、「画面上の図形を5本の指で操作する基本的なLeap Motionプログラムを作る」と同じ手順となるので、説明を割愛します。具体的な手順は、第1回の「参照の追加」「プロジェクトのルートに「LeapCSharp.dll」と「Leapd.dll」を追加する」「プロパティを設定する」を参考にしてください。

今回のLeap Motionアプリについて

今回のアプリは、タッチ・ポイントが赤の場合(タッチ状態)で、タッチ・ポイントが画像の上にある時、マウス・カーソルの位置が拡大表示されるアプリです。タッチ・ポイントが青(ホバー状態)の時は、マウス・カーソルを移動させても拡大画像には反映されません(図1参照)。

図1:画像の上にあるマウス・カーソルの位置が拡大して表示された(クリックで拡大)

実際に動かした動画は次のようになります。

画面のレイアウト(MainWindow.xaml)

sourceImageという名前のImageコントロールを1個配置し、Widthに320、Heightに240と指定して、SourceプロパティにImageフォルダの画像を指定しておきます。

次に、zoomImageというImageコントロールを配置し、WidthとHeightをsourceImageと同じにします。Sourceプロパティにも同じ画像を読み込んでおきます。Canvas.LeftとCanvas.Topも大体、sourceImageに近い値を指定しておきます。最初の状態では、VisibilityにCollpsedを指定して非表示とします。

zoomImageの子要素としてプロパティ要素を配置し、その中に、と記述します。ScaleXとScaleYに指定している値は、X軸とY軸に沿ったスケールファクター(倍率)です。

次に同じくzoomImageの子要素としてプロパティ要素を配置し、その中に、と記述します。直径70pxのEllipseGeometryが表示されます。EllipseGeometryにはLensという名前を付けています。

プロパティ要素は、コンテンツのアウトラインの定義に使用するジオメトリを設定できます。通常、イメージの一部を表示するだけの場合は、Clip を使用する必要があります

最後に一番前面にタッチ・ポイントを表示する、paintCanvasという名前のInkPresenterコントロールを配置します。

書き出されるXAMLはリスト1のようになります。

リスト1 (MainWindow.xaml)

<Window x:Class="MainWindow"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  Title="MainWindow" Height="1080" Width="1920" WindowState="Maximized">
  <Canvas>
    <Image x:Name="sourceImage" HorizontalAlignment="Left" Height="240" VerticalAlignment="Top" Width="320" Canvas.Left="261" Canvas.Top="127" Source="Image/林_08.png"/>
    <Image x:Name="zoomImage" Stretch="Fill" Width="320" Height="240" Source="Image/林_08.png" Canvas.Left="263" Canvas.Top="128" Visibility="Collapsed">
      <Image.RenderTransform>
        <ScaleTransform ScaleX="3.5" ScaleY="3.5"/>
      </Image.RenderTransform>
      <Image.Clip>
        <EllipseGeometry x:Name="Lens" RadiusX="70" RadiusY="70" Center="0.5,0.5"/>
      </Image.Clip>
    </Image>
    <InkPresenter Name="paintCanvas"/>
  </Canvas>
</Window>

レイアウトは図2のようになります。

図2:各コントロールをレイアウトした(クリックで拡大)

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