いよいよアプリ作り本番!どこからはじめる?

2012年4月4日(水)
PROJECT KySS

実開発に着手する前に

前回までは、アプリの申請・公開方法、企画、タイルデザインといった全般的な話題を取り上げました。

今回からは7回にわたって、実際にマーケットプレイスで公開中の3本のWindows Phoneアプリの開発方法を解説していきます。今回はアプリを開発する前に必要な課題の整理・解決と、ボタン用画像などの部品製作を主に行います。

アプリ開発の工程は、大まかに紹介すると以下のような流れになります。

このうち、申請準備以降の手順については、(第1回)と(第2回)で詳しく解説していますので、そちらを参照してください。

現在国内では、Windows Phone 実機は、au IS12Tの1機種しか発売されていません。しかし、だからこそ、今のうちにアプリ開発を始めることをおすすめします。普及を見届けてから着手したのでは他の開発者に出遅れることになるからです。今のWindows Phone開発は、他のスマートフォンよりもある意味大きなチャンスだと言えるでしょう。

→参照:ONLINE デジモノステーション「特集 Windows Phone」

実機の普及を待つ消極的姿勢ではなく、日本語アプリを英語化したり、最初から英語版アプリを開発したりして、海外へ積極的に打って出ましょう。

アプリの企画

アプリの企画は、(1)企画の方向性を定め、(2)機能をリストアップして、各々のバージョンで実装する機能を絞り込み、(3)最初のバージョンで実装する機能をページ単位にまとめ、(4)その過程で浮上した問題点の解決策を考えておく、という手順で進めるのが良いでしょう。実装は、その後です。

ずいぶん遠回りをしているように見えるかもしれませんが、モノ作りは段取り八分です。即プログラミングに着手すると、途中でアプリの方向性が揺らぐ可能性がありますから、一呼吸置いた方が良いと考えます。

企画の内容を書き出して方向性を定める

本連載で最初に取り上げるのは、「一日一句Ver.0.8」という、俳句や川柳を記録するアプリです。日本語版で、国内公開しています(図1)。
→参照:「一日一句Ver.0.8

図1:最初に解説する俳句アプリ「一日一句 Ver.0.8」(クリックで拡大)

こういった、単機能サンプルではない、複数機能を搭載するアプリの開発は、企画の整理から始めます。まず、企画の内容を書き出して、方向性を定めておきましょう(表1)。

表1:複数の機能を搭載するアプリ開発では、企画の内容を書き出して、方向性を定めておく。

クリックすると拡大表示します

機能をリストアップして、バージョン毎に絞り込む

企画のアウトラインを把握できたら、考えうる機能を一通りリストアップしてみます。

そして、どの機能をどのバージョンで実装するかを考えます。最初のバージョンで実装するもの、バージョンアップで実装を検討するもの、当面実装する予定のないもの、というように、振り分けていきます(表2)。

仕様を膨らませてしまうと、なかなか申請にいたらないので、機能は最小限に絞り込むと良いでしょう。あれもこれもと欲張らないことがコツです。

表2:実装する機能の候補をリストアップして、バージョン毎に絞り込む(○は実装予定、×は実装予定なし)

クリックすると拡大表示します

機能をページ単位にまとめる

次に、最初に開発するバージョンに実装する機能をまとめていきます。

前掲の表2の中にある実装予定の機能(「一日一句 Ver.08」)の中で、「×(実装予定なし)」の付いていないオレンジ色の項目)を抽出し、大まかに分類していきます。最初に表示する画面であるメインページも追加して、分けていくと、ページ単位に実装する機能が固まってきます(表3)。

表3:最初のバージョンで実装する機能を、ページ単位にまとめる

このように機能を分類してみると、俳句アプリの最初のバージョンは、4ページから構成すれば良いことが分かります。各ページに実装する機能も、ほぼこれで決まりでしょう。

  • 「メインページとボタンのExpression Designファイル」サンプルプログラム

四国のSOHO。薬師寺国安(VBプログラマ)と、薬師寺聖(デザイナ、エンジニア)によるコラボレーション・ユニット。1997年6月、Dynamic HTMLとDirectAnimationの普及を目的として結成。共同開発やユニット名義での執筆活動を行う。XMLおよび.NETに関する著書や連載多数。最新刊は「Silverlight実践プログラミング」両名とも、Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。http://www.PROJECTKySS.NET/

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