撮影した写真の管理ができるマイフォトアプリを作る

2013年8月31日(土)
薬師寺 国安

コントロールの配置

ツールボックスからFlipViewコントロールを1個配置します。
何番目の画像かを表示するTextBlockコントロールを1個配置します。
最後に飾りとなるImageコントロールを配置し、SourceプロパティにImageフォルダの画像を指定しておきます。

書き出されるXAMLをリスト2のように編集します。レイアウトは図9のようになります。

リスト2 書き出され編集されたXAMLコード(DataShowPage.xaml)

(1)プロパティ要素内に、Key名がFlipViewTemplateという要素を配置します。その子要素として要素を配置し、Widthに1024、Heightに768と指定し、Sourceプロパティに「画像名」をバインドします。「画像名」はVBコード内のクラスで定義されたプロパティ名です。

(2)名前がFlipView1という要素を配置し、ItemTemplateプロパティに(1)で定義したFlipViewTemplateをStaticResorceで参照して、指定します。

(3)名前がcountTextBlockという要素を配置します。文字色にはGoldを指定します。
何番目の画像かを表示します。

(4)飾りとなる要素を配置し、SourceプロパティにImageフォルダの画像を指定します。

<Page
  x:Class="myPhoto.DataIchiranShowPage"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  xmlns:local="using:myPhoto"
  xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
  xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
  mc:Ignorable="d">
  <Page.Resources>(1)
    <DataTemplate x:Key="FlipViewTemplate">(1)
      <Image Width="1024" Height="768" Source="{Binding 画像名}"/>(1)
    </DataTemplate>(1)
  </Page.Resources>(1)
    <Grid Background="{StaticResource ApplicationPageBackgroundThemeBrush}">
    <FlipView HorizontalAlignment="Left" Height="768" Margin="187,-4,0,0" VerticalAlignment="Top" Width="1024" ItemTemplate="{StaticResource FlipViewTemplate}" x:Name="FlipView1"/>(2)
    <TextBlock x:Name="countTextBlock" HorizontalAlignment="Left" Height="54" Margin="108,24,0,0" TextWrapping="Wrap" VerticalAlignment="Top" Width="133" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="24" FontWeight="Bold" Foreground="Gold"/>(3)
    <Image HorizontalAlignment="Left" Height="114" Margin="10,650,0,0" VerticalAlignment="Top" Width="147" Source="Image/フォト.png"/>(4)
  </Grid>
</Page>
図9:各コントロールを配置した(クリックで拡大)

「空白のページ」の作成(DeletePage.xaml)

画像を削除するページです。

VS2012のメニューの「プロジェクト(P)/新しい項目の追加(W)」と選択します。
「新しい項目の追加」ダイアログボックスが開きますので、「空白のページ」を選択します。
「名前(N)」にDeletePage.xamlと入力し、[追加(A)]ボタンをクリックします。

コントロールの配置

ツールボックスからScrollViewerコントロールを配置し、その子要素としてGridViewコントロールを配置します。

次に飾りとなるImageコントロールを配置し、SourceプロパティにImageフォルダの画像を指定しておきます。

書き出されるXAMLをリスト3のように編集します。レイアウトは図10のようになります。

リスト3 書き出され編集されたXAMLコード(DeletePage.xaml)

(1)子要素として要素を配置します。Marginに5を指定して余白を設けます。
その子要素として要素を配置します。
要素の子要素として、要素を配置し、Widthに102、Heightに77と指定します。
Sourceプロパティに「削除画像名」をバインドします。次に要素を配置し、Textプロパティに「ファイル名」をバインドします。ここで指定する名称はVBコード内のクラスで定義されたプロパティ名です。最後に

(2)要素の子要素として、名前がGridView1という要素を配置し、ItemTemplateプロパティに(1)で定義したGridViewTemplateを、StaticResourceで参照して、指定します。

(3)飾りとなる要素を配置し、SourceプロパティにImageフォルダの画像を指定します。

<Page
  x:Class="myPhoto.DeletePage"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  xmlns:local="using:myPhoto"
  xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
  xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
  mc:Ignorable="d">
  <Page.Resources>(1)
    <DataTemplate x:Key="GridViewTemplate">(1)
      <StackPanel Margin="5">(1)
        <Image Width="102" Height="77" Source="{Binding 削除画像名}"/>(1)
        <TextBlock Width="115" Text="{Binding ファイル名}" FontFamily="Meiryo UI"/>(1)
        <Button Content="削除" Click="DeleteGo"/>(1)
      </StackPanel>(1)
    </DataTemplate>(1)
  </Page.Resources>(1)
    <Grid Background="{StaticResource ApplicationPageBackgroundThemeBrush}">
    <ScrollViewer HorizontalAlignment="Left" Height="768" Margin="260,0,0,0" VerticalAlignment="Top" Width="1024">(2)
      <GridView Height="732" Width="992" FlowDirection="LeftToRight" ItemTemplate="{StaticResource GridViewTemplate}" x:Name="GridView1"/>(2)
    </ScrollViewer>(2)
    <Image HorizontalAlignment="Left" Height="114" Margin="3,648,0,0" VerticalAlignment="Top" Width="147" Source="Image/フォト.png"/>(3)
  
  </Grid>
</Page>
図10:各コントロールを配置した(クリックで拡大)

次に、ソリューションエクスプローラー内のMainWindow.xamlを展開して表示される、MainWindow.xaml.vbをダブルクリックしてリスト4のコードを記述します。

ロジックコードを記述する

リスト4 (MainWindow.xaml.vb)

写真、オーディオ録音、ビデオなどをキャプチャするクラスを提供する、Windows.Media Captrue名前空間をインポートします。

Imports Windows.Media.Capture

ファイル、フォルダおよびアプリケーションの設定を管理するクラスの含まれる、Windows.Storage名前空間をインポートします。

Imports Windows.Storage

メディア形式のプロパティが作成された時に必要となるクラス、およびほかのプログラミング要素を提供するクラスの含まれる、Windows.Media.MediaProperties名前空間をインポートします。

Imports Windows.Media.MediaProperties

シーケンシャルアクセスストリーム、および、ランダムアクセスストリームに対する読み取りと書きこみのサポートを提供するクラスの含まれる、Windows.Storage.Streams名前空間をインポートします。

Imports Windows.Storage.Streams
Imports Windows.UI

オブジェクトのUIをサポートするクラスの含まれる、Windows.UI名前空間をインポートします。

Imports Windows.UI.Popups

デバイスを列挙するためのクラスを提供する、Windows.Devices.Enumeration名前空間をインポートします。

Imports Windows.Devices.Enumeration

アプリケーションウインドウやウインドウ対話を作成し管理するサポートと、Windows上の入力イベントをサポートする処理を提供するクラスの含まれる、Windows.UI.Core名前空間をインポートします。

Imports Windows.UI.Core

Public NotInheritable Class MainPage
  Inherits Page

  Dim myIndex As Integer

インデックスによってアクセスできる要素の読み取り専用コレクションを表す、IstorageFile型のメンバ変数myPictureFilesを宣言します。

  Dim myPictureFiles As IReadOnlyList(Of IStorageFile)

フォト、オーディオ録音およびビデオをキャプチャする、新しいMediaCaptureクラスのインスタンス、myMediaCaptureメンバ変数を宣言します。

  Dim myMediaCapture As MediaCapture
 
  Dim Index As Integer

BitmapImageクラス型のメンバ変数saveBmpを宣言します。

  Dim saveBmp As BitmapImage

  Dim no As Integer = 0

DeviceInformationオブジェクトのコレクションを表すメンバ変数myCameraを宣言します。

  Dim myCamera As DeviceInformationCollection

  Dim saveImageFileName As String

  Dim flag As Boolean = False
  Dim cameraNo As Integer = -1

ページがアクティブになった時の処理

カメラのデバイスを取得する、DataShowプロシージャを実行します。

AddHandlerステートメントで、現在アクティブ化されているウインドウのVisibleプロパティの値が変更された時に発生する、VisibilityChangedイベントに、イベントハンドラを指定します。

  Protected Overrides Sub OnNavigatedTo(e As Navigation.NavigationEventArgs)
    DataShow()
      AddHandler Window.Current.VisibilityChanged, AddressOf Current_Changed
    MyBase.OnNavigatedTo(e)
  End Sub

現在アクティブ化されているウインドウのVisibleプロパティの値が変更された時に発生する処理

Webカメラは、バックグラウンドにまわって、フォアグラウンドに戻った時その処理を停止し、Webカメラが動作しなくなりますので、この処理が必要です。

Webカメラがバックグラウンドからフォアグラウンドに戻った場合は、再度新しいMediaCaptureのインスタンスを作成する、CameraRestartプロシージャを実行します。

  Private Sub Current_Changed(sender As Object, e As VisibilityChangedEventArgs)
    If e.Visible = True Then
      CameraRestart()
    End If
  End Sub

Webカメラがバックグラウンドからフォアグラウンドに移った際、再度新しいMediaCaptureのインスタンスを作成する処理

メンバ変数myMediaCaptureにCaptureElementのSourceプロパティの値を指定し、新しいMediaCaptureのインスタンスを作成します。

InitializeAsyncメソッドで、以下の内容でMediaCaptureオブジェクトを初期化します。

新しいMediaCaptureInitializationSettingsクラスのインスタンスを作成します。
MediaCaptureInitializationSettingsクラスは、MediaCaptureオブジェクトの初期化設定をするクラスです。
VideoDevideIdプロパティにComboBox1の選択されたインデックスに対応する、コレクション変数myCameraのデバイスIDを指定します。

CaptureElement1のSourceプロパティにデバイスIDで初期化されたmyMediaCaptureを指定します。
StartPreviewAsyncメソッドでプレビューを開始します。これで、Webカメラの画像が表示されます。非同期処理で行われるため、メソッドの先頭にAsyncを追加します。

  Private Async Sub CameraRestart()
    myMediaCapture = CaptureElement1.Source
    myMediaCapture = New MediaCapture
 
    Try
      Await myMediaCapture.InitializeAsync(New MediaCaptureInitializationSettings With {.VideoDeviceId = myCamera(ComboBox1.SelectedIndex).Id})
      CaptureElement1.Source = myMediaCapture
      Await myMediaCapture.StartPreviewAsync
    Catch
      Exit Sub
    End Try    End Sub

カメラのデバイスを取得する処理

ComboBox内をクリアしておきます。

FindAllAsyncメソッドで全てのビデオキャプチャデバイスを列挙して、DeviceInfomationオブジェクトのコレクションである、myCameraコレクション変数に格納します。

Webカメラが実装されている場合は、コレクション変数myCameraが格納しているデバイスの個数分、繰り返し変数iで反復処理を行います。
DeviceInfomationの列挙体である、変数cameraInfoで、コレクション変数myCameraが格納しているデバイスを参照させます。
cameraComboBoxにAddメソッドで取得したデバイス名を追加します。フロントカメラやリアカメラを実装しているタブレットPCでは、2つのデバイス名が追加されます。
ComboBox1のSelectedIndexが0より小さい場合、つまりデバイスが選択されていない場合は最初のデバイスを選択状態にし、選択されている場合は、それを選択状態にします。エラーが発生した場合はErrorShowプロシージャを実行します。
非同期処理で行われるため、メソッドの先頭にAsyncを追加します。

  Private Async Sub DataShow()
    Try
      ComboBox1.Items.Clear()
 
      myCamera = Await DeviceInformation.FindAllAsync(DeviceClass.VideoCapture)
      For i As Integer = 0 To myCamera.Count - 1
        Dim cameraInfo = myCamera(i)
        ComboBox1.Items.Add(cameraInfo.Name)
      Next
      If cameraNo < 0 Then
        ComboBox1.SelectedIndex = 0
        cameraButton.IsEnabled = True
      Else
        ComboBox1.SelectedIndex = cameraNo
        cameraButton.IsEnabled = True
      End If        Catch
      ErrorShow()
    End Try
  End Sub

エラーが発生した時の処理

警告メッセージを表示し、「Attach Camera」ボタンの使用を不可とします。非同期処理で行われるため、メソッドの先頭にAsyncを追加します。

  Private Async Sub ErrorShow()
    Dim message As New MessageDialog("カメラが装備されておりません。")
    Await message.ShowAsync
    cameraButton.IsEnabled = False
    Exit Sub
  End Sub

Webカメラのデバイスの種類が選択された時の処理

メンバ変数cameraNoにComboBox1より選択されたインデックス番号を格納しておきます。
MediaCaptureの新しいインスタンスmyMediaCaptureオブジェクトを作成します。
InitializeAsyncメソッドで、以下の内容でMediaCaptureオブジェクトを初期化します。
新しいMediaCaptureInitializationSettingsクラスのインスタンスを作成します。
MediaCaptureInitializationSettingsクラスは、MediaCaptureオブジェクトの初期化設定をするクラスです。VideoDevideIdプロパティにComboBox1より選択されたインデックスに対応する、コレクション変数myCameraのデバイスIDを指定します。

CaptureElement1のSourceプロパティにデバイスIDで初期化されたmyMediaCaptureを指定します。
StartPreviewAsyncメソッドでプレビューを開始します。これで、Webカメラの画像が表示されます。
マウスの右クリックで表示される、「Attach Camera」アイコンの使用を可能にします。非同期処理で行われるため、メソッドの先頭にAsyncを追加します。

  Private Async Sub ComboBox1_SelectionChanged(sender As Object, e As SelectionChangedEventArgs) Handles ComboBox1.SelectionChanged
    Try
      cameraNo = ComboBox1.SelectedIndex
      myMediaCapture = New MediaCapture
      Await myMediaCapture.InitializeAsync(New MediaCaptureInitializationSettings With {.VideoDeviceId = myCamera(ComboBox1.SelectedIndex).Id})
      CaptureElement1.Source = myMediaCapture
      Await myMediaCapture.StartPreviewAsync
      cameraButton.IsEnabled = True
    Catch
      Exit Sub
    End Try
  End Sub
  • マイフォトのサンプルプログラム

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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