■IEEE802.1Qトランキング
次の例題は、IEEE802.1Qトランキングについての例題です。
※『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.233より抜粋。
ここでは、スイッチのポートの種類やタギング(タグ付け)について説明します。VLANで使用するスイッチのポートの種類にはアクセスポートとトランクポートがあります。
●アクセスポート:スイッチのデフォルトのポートで1つのVLANのみが使用するポートのことです。次のコマンドで設定することができます。
Switch(config)#switchport mode access
●トランクポート:複数のVLANが使用できるポートのことです。スイッチ間などに使用されます。次のコマンドで設定することができます。
Switch(config)#switchport mode trunk
トランクポートを使用すると、複数のVLANが1つのリンクを使用して通信を行うことができます。そこで1つのリンクを複数のVLANデータが通過するために、どのデータがどのVLANに所属するのか識別する必要があります。IEEE802.1QトランキングはそのVLANデータの識別方法の1つになります。
トランキングとイーサネットフレーム
イーサネットフレームでは、4バイトのタグフィールドを挿入することによって、どのVLANに所属するフレームかを識別できるようにします。フレーム内にタグを挿入するため、データ誤り検出・訂正用フィールドであるFCS(Frame Check Sequence)は再計算されます。4バイトのタグが追加されるため、最小イーサフレームが68(64+4)バイト、最大は1522(1518+4)バイトになります。
フレームの構成は以下のようになります。括弧内の数の単位はバイト数になります。
タグの内容は次のとおりです(VIDがVLAN ID)。
以上のことから、この例題の解答はbになります。タグの追加時にMACアドレスは変更されることはありません。
次の例題は、IEEE802.1Qトランキングで使用する特殊なフレームについて問うものです。
※『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.233より抜粋。
ネイティブVLANと呼ばれる特殊なVLANは、802.1Qヘッダー(タグ)が付かないフレームを使用することができます。
●ネイティブVLAN
IEEE802.1Qトランキングで使用されます。タグが付かないフレームはネイティブVLANに所属したものと考えられます。デフォルトのネイティブVLAN1ですが、任意のVLANをネイティブVLANに変更することもできます。次のコマンドにより、任意のVLANをネイティブVLANに設定することができます。
Switch(config-if)#switchport trunk native vlan VLANID
なお、ネイティブVLANはタグを使用するトランクポートで設定を行います。また、対向のインタフェースでネイティブVLANを一致させる必要があります。
以上のことからこの例題の解答は、aになります。802.1Q ヘッダーが付かないものは、ネイティブVLANのフレームであり、VLAN1から別のVLANへと設定が変更できます。
【参考文献】
「シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J (Cisco Press)」 インプレスジャパン (発行年:2014/3/7)
【参考サイト】
「Cisco NetSpace」(http://www.netacad.com)(アクセス:2014/09)
「Catalyst 2960/2960-S スイッチ ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド、Release 15.0(1)SE Cisco IOS」(アクセス:2014/09)
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価格:4,400円+税
発売日:2014年03月05日発売
ISBN:978-4-8443-3553-5
発行:インプレスジャパン
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