ハードウェア
ハードウェア
Cluster Managerが必要とするハードウェアは、2〜16台のノード用のサーバと、ノードが共有するストレージ、データの完全性を保証するためのフェンスデバ イスです。フェンスデバイスはノードの死活確認を行って共有ストレージの排他処理(フェンシング)を確実にし、データの破壊や不整合を防止するためのもの で、ネットワーク対応の無停電電源装置やサーバに搭載されるリモート管理用のカードなどが代表的です。
利用できるデバイスのリストがRed Hat Cluster Suite Configuring and Managing a Cluster(http://www.redhat.com/docs/manuals/csgfs/)に掲載されています。
フェイルオーバーの仕組み
Cluster Managerを技術的に見ると(図3)、フェイルオーバー時にアクティブになったノードでは、まず共有ストレージをロックし、サービスを起動後にサービ スに使用するIPアドレス(浮動IPアドレス=VIP)をNIC(Network Interface Card)に割り振ります。この一連の動作によりVIP(図3の10.0.0.1)が維持され続けます。

図3:フェイルオーバーの仕組み
サービスの種類にもよりますが、Cluster Managerがフェイルオーバーするのに必要な時間は最短で数秒です。
アクティブ/アクティブ型クラスタ
Cluster Managerではアクティブ/スタンバイ型のクラスタだけではなく、アクティブ/アクティブ型のクラスタを構築することも可能です。
例えば2ノードクラスタにおいて、ノード1でサービスA、ノード2でサービスBとサービスCを提供しているとします。ノード1でサービスAが停止し た場合にはノード2がサービスAを継続します。またノード2でサービスBとサービスCのいずれかあるいは両方が停止した場合、ノード1が停止したサービス を継続することが可能です。
この構成ではスタンバイノードも何らかのサービスを提供することになり、クラスタでよくいわれる「スタンバイ機の無駄」を避け、TCOを抑えることにも寄与します。
バックナンバー
この記事の筆者
レッドハット株式会社 プリセールスエンジニア
ホスト・オフコンのSIer、WebのSIerを経て様々なOSに触れた結果、これからはLinuxだという確信を持ち2005年4月より現職。レッド ハットのOEMパートナーやエンドユーザからの導入検討段階での技術的問題の解決、セミナーなどにおけるRed Hat Enterprise Linuxの技術情報の普及に努める。
筆者の人気記事
Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。