これからPostgreSQLが強化していくこと
これからPostgreSQLが強化していくこと
今後のPostgreSQLおよび、EnterpriseDBのPostgres Plusの強化点について、両氏に尋ねた。
Alsheimer氏は、「エンタープライズからNoSQLのクラウドまで対応し、垂直方向の拡張性(大型ハードウェアへの対応や並列処理など)と水平方向の拡張性(シャーディングなど)を拡大していくでしょう」と語った。
Momjian氏もそれに同意し、「それに加えて、さまざまなデータソースのソースをシームレスにアクセスするフェデレーション機能(FDW:Foreign Data Wrappers)の強化や、ロジカルレプリケーションによる柔軟なレプリケーションがあります」と補足した。
最後に、Momjian氏はPostgreSQLの歴史を振り返って、これまでとこれからについて熱意をこめて語った。
「PostgreSQLはまずアカデミックから生まれました。本番環境は得意ではなく、目標はクラッシュしないこと、という時代が2年ぐらいありました。それを克服した後は標準的なSQLに対応することを目指す時代となり、今ではほかのデータベースより標準に準拠しています。2001年以降はエンタープライズに対応する時代で、10年以上かけて必要な機能を追加してきました」(Momjian氏)。
そして「そうした、世の中にすでにある機能を追いかけて実装する時代は、ほぼ完了したと言っていいでしょう」とMomjian氏は語る。
「今は新しい段階に突入しました。これからは、柔軟に新しいアイデアを実装していく時代となるでしょう。これまでも、PostGISや範囲型のようにほかにないアイデアが生まれてきました。こうしたことは企業は得意ではありませんが、オープンソースは世界中からさまざまなアイデアを集めることができますし、PostgreSQLの開発コミュニティは信頼性や性能を維持しながら、新しいことができるコミュニティです。データベースを移行するのは今と同じ機能が実現できるからですが、本当に人々がワクワクするのは新しいことです。これから4年はPostgreSQLに期待できる時期でしょう」(Momjian氏)。
- この記事のキーワード :
関連記事
[入門編] RHELユーザーが知っておきたい、Ubuntu Serverとのコマンド・サービスの違い
2014年1月16日 20:00
[実践編] Ubuntu Serverの運用・管理、商用製品の利用メリットと今後の展望(後編)
2014年5月14日 20:00
[入門編] Ubuntu Serverの基礎(前編)
2013年12月12日 20:00
[入門編] Ubuntu Serverの基礎(後編)
2013年12月13日 20:00
[実践編] Ubuntu Serverの運用・管理、商用製品の利用メリットと今後の展望(前編)
2014年5月13日 20:20
[実践編] MaaSとJujuによるOSS配備、Ubuntu Serverの運用・管理(前編)
2014年3月25日 20:00
バックナンバー
この記事の筆者
フリーランスのライター&編集者。IT系の書籍編集、雑誌編集、Web媒体記者などを経てフリーに。現在、「クラウドWatch」などのWeb媒体や雑誌などに幅広く執筆している。なお、同姓同名の方も多いのでご注意。
筆者の人気記事
初めてでも安心! OCIチュートリアルを活用して、MySQLのマネージド・データベース・サービスを体験してみよう
2021年4月21日 12:39
使って分かった国産クラウド「K5」のメリットとは
2018年1月31日 6:30
Dockerを理解するための8つの軸
2015年7月29日 22:00
Dockerの誤解と神話。識者が語るDockerの使いどころとは? Docker座談会(前編)
2016年2月22日 0:00
【イベントリポート:Red Hat Summit: Connect | Japan 2022】クラウドネイティブ開発の進展を追い風に存在感を増すRed Hatの「オープンハイブリッドクラウド」とは
2022年11月10日 8:45
Kubernetes、PaaS、Serverlessのどれを選ぶのか? 機能比較と使い分けのポイント
2018年5月23日 6:30
Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。