LifeKeeper for Linuxの概要
LifeKeeperは米国SteelEye Technology社が開発・販売をしているHA(High Availability:高可用性)クラスタ製品である。日本では(株)サイオステクノロジーが国内総販売店として販売・サポートをしている。製品は Coreと呼ばれる基本機能製品とARK(Application Recovery Kit)と呼ばれるアプリケーションごとに用意されたオプション製品から成る。
LifeKeeperの特徴
LifeKeeperの最大の特徴はGUIのウィザードだけでHAクラスタ環境を構築できてしまうARKの存在である。
LifeKeeperはHAクラスタ製品の中で対応するアプリケーションが一番多く、このARKによってスクリプト作成を行うことなくGUI操作だ けでHAクラスタが構成できる。GUIはCoreおよびARKと連携して動作し、クラスタの設定時には構成条件のチェックをARKが行うため、動作が不完 全となるようなクラスタの設定はできない仕組みとなっている。つまり、クラスタの設定をしながら構成チェックまで行っているのである。
LifeKeeperによるHAクラスタは、クラスタの設定が完了した時点からすぐに本番運用が可能なシステムとなるため、導入工数の大幅な削減が可能である。一般的なクラスタ製品での構築に比べて1/2から1/3の工数で、クラスタ化が可能である。
このGUIによる操作はクラスタの設定の変更や削除の場合にも有効で、既存サービスを稼動させたままで新たなサービスの追加が可能である。つまり、HAクラスタの最大の目的である高可用性という点で大きな効果をもたらす。
Generic ARK
LifeKeeperのもう1つの特徴はCore製品に標準で同梱されるGeneric ARKと呼ばれるフレームワークである。Generic ARKを使用することで、あらゆるアプリケーションのクラスタ化を行うことができる。
Generic ARKはオプションのARKに未対応のアプリケーションのHA化を行う際に最も多く使用されるが、ユーザ固有の仕様に基づいたクラスタ化を行いたい場合に も非常に有効なキットである。さらに、オプションのARKと同様にチェック機能の追加や複雑なクラスタ構成の自動設定機能などを盛り込み、ユーザ独自のリ ソース作成を行うARKパッケージを開発するツールとしてExtenderという製品が用意されている。
このようにLifeKeeperは非常に簡単にHAクラスタが構築できるだけではなく、任意のアプリケーションのクラスタ化やユーザ固有の機能を取り込んだ複雑なクラスタの構成も行える幅広い機能を持つHAクラスタ製品である。