GE(ゼネラルエレクトリック)は、ヨーロッパの3Dプリント企業2社を合わせて14億ドルで買収すると発表した。
その二社とは、スウェーデンのArcam(アーカム)とドイツのSLMソリューションズで、両社とも3Dプリントを航空宇宙・ヘルスケア業界の顧客に提供している。Arcamは金属ベースの3Dプリント技術を開発し、SLMソリューションズは金属の3Dオブジェクトを削りだすレーザーマシンを開発したところだ。
これはGEが苦戦を強いられている金融部門 GE Capitalを大きく縮小し、かつていた工業市場に注力し直そうとする一連の動きの1つである。
GEはArcamの株を1株あたり$33.26で買い取る。NYタイムズによると、この金額はこれまでの53%上回る額だそうだ。また、SLMソリューションズに対しては$42.40と、これまでより36.7%上回る買いという。
ArcamとSLMソリューションズの株主や取締役会は、GEの申し入れに好意的だ。だが、どちらの申し入れもそれぞれの企業が拠点を置くスウェーデンおよびドイツの監視官、ならびにEUの監視官の承認を要する。
そして一株あたりの価格が明らかになっている一方、GEがそれぞれにどのくらい支払うことになるのかについては不明である。これからされる監視官への申し入れの内容から、正しい金額は明らかになるだろう。
GEは3Dプリンター業界の蜘蛛の糸になるか
3Dプリンター業界の現状はとてもアンバランスだ。MakerBotの一時解雇をみてもわかる通り、営業側は新しい顧客の獲得に苦戦している。その一方、開発側では注目と開発の波が押し寄せている。
GEはヘルスケアや航空、エネルギー分野への供給がすでにあるというユニークな立場にある。3Dプリントの採用はGEにとって、低価格の実現および新しいマテリアルを製造に取り入れることを可能にするかもしれない。
GEの会長兼CEO ジェフリー・イメルト氏は次のように言う。「積層造成は、GEがデジタルな事業会社になるうえで重要なものだ。」
3Dプリント以外にも、GEはIoTやアナリティクスを工業に取り入れることを推進している。たとえば、最近リリースされた石炭資源にまつわるIoTサービスは、イタリアで休眠状態になっていた火力発電所を、再び十分なパフォーマンスで作動させることに成功している。
関連記事:日立とGEがIIoTに巨額の投資、第4次産業革命の実現を図る
GEの一連の動きにはすべて理由があり、彼らの狙いは定まっているようだ。だんだんと熱の上がってきた第2次宇宙競争やヘルスケア業界の革命を促進する存在になろうとしているのかもしれない。
ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]
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