駐輪場は必要ない? シェアサイクル事業に最も必要なものとは
ロシア発の国際ベンチャーファンド Grishin Robotics社がシェアサイクルプラットフォームに多額の投資を行っている。ここ4ヶ月ですでに少なくとも三度の取引が行われた。
5月には、米国市場におけるこの分野のパイオニアであるSpin社に800万ドルの投資を行った。CRCMとQuoraの共同設立者であるCharlie Cheever、Dropboxに投資をしているMatt Brezinaもこの投資に一枚噛んでいる。このスタートアップ企業が目指すのは”駐輪場を設けないシェアサイクルサービスを世界的に展開すること”である。
7月にGrishin Robotics社はAlibaba香港の非営利起業ファンドと手を組みGobee.bike社に900万ドルの投資を行った。この香港のスタートアップ企業が目指すことは”短距離の通勤ニーズを満たすことで交通渋滞を緩和しながら、都会の生活にフィットネスとレジャーを取り入れる”ことだ。
先月はoBikeへの4500万ドルの投資に関わった。名前は公開されていないが国際的な交通プラットフォームや東南アジアで事業を展開している事業者もこの話に関わっている。このスタートアップ企業は今年の1月にシンガポールで起業し、すでにアジアとヨーロッパ12カ国で営業している。
「シェアサイクルの登場は都市の移動において自家用車ができて以来最大の変革をもたらすかもしれません」とGrishin Robotics社の主任 Valery KomissarovaはEast-Westデジタルニュースに語った。
駅に駐輪場を併設したシェアサイクルサービスは既に見られるものである。Komissarova氏の見積もりでは、世界中で1,000か所ほどのそういったサービスが展開されていると言う。
「しかしながら駐輪場を持たないシェアサイクルはこれらと全く異なるもの」と彼は考えている。
スマートなコンセプトを現実のものに
「スマート自転車は24時間クラウドに接続されており、利用者の健康や大気汚染の面における利点だけでなく、インターネットに接続されているオブジェクトが町のあらゆるところを常に動き回っている様子を想像してみてください。企業や政府によってどれほどのセンサーが自転車に搭載され、どれほどのデータが集められることになるのでしょう?これはスマートシティのコンセプトが現実のものになる最初の一歩です。」
中国での駐輪場を持たないシェアサイクルサービスの大成功を受けて、Komissarova氏は「これは世界を大きく変えるものだ」と主張する。
Mail.RuグループのCEO Dmitry Grishinにより2012年に設立されたGrishin Robotics社は、もともとロボティクスに力を入れていたが、やがて作業用ロボットやAI、データアナリティクス、工業IoTなどに興味を示すようになった。
Grishin氏は昨年、米国およびヨーロッパ向けに10億ドルの投資を行うと発表した。
この春に、なんとも正体がつかめないカリフォルニアのスタートアップ企業 Wonder社に仮想現実(VR)を使った全てのゲーマーに向けた製品を開発に資金を投じている。この件についてはコロンビア人歌手であるShakiraや、サッカーのスター選手であるGérardPiqué、Neymarといった人々も資金を出している。
ADRIEN HENNI
[原文4]
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