第11回:OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編) (2/3)

オープンソースの適用可能性を示す
オープンソースの適用可能性を示す

第11回:OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編)
著者:イーシステム  芝 国雄   2006/6/23
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既に発見されているバグ情報

   リリースノートに相当するドキュメントの中で解説されている場合もある。SourceForgeでは、バグ管理機能が公開されていて、そのバグの重要度なども参照できる。重要度が高いにもかかわらず、修正担当者(Assigned To)が決まっていないバグが多数ある場合は、何か大きな問題があると考えるべきだろう。
製品の安定性を評価する

   ほとんどの製品で、数世代のバージョンを入手できるので、必ずしも最新版を使う必要はない。あえて旧バージョンを使うことで、より安定稼働を求める場合も少なくない。


テストの体制

   日本で一般的なテスト方法と米国のそれでは、根本的に異なる点がある。日本にはテスト専門の技術者はほぼゼロだが、米国には多数存在している点だ。

   彼らはテストの方法を設計し、ソフトウェアをテストする。バグを発見すると開発担当者に連絡するが、自分自身でデバッグはしない。このように、担当者ごとに仕事が完全に分かれている場合がある。比較的大規模なシステム開発に取り入れられるスタイルだが、その製品の品質は悪くない。逆に、開発者がプログラミングとテストを繰り返したり、テスト手法が確立されていない製品はバグが多い傾向がある。


ライセンス形態

   OSSの利用において、注意しなければならないポイントの1つといえる。

   OSSのライセンスの中には、そのOSS製品を組み込んだソフトであれば、必ずそれをOSSにしなければならないものもある。つまり、あるOSSを別の製品の中で使うと、使用する製品もOSSにする必要があるわけだ。これは、商用ソフトを開発している企業にとっては、受け入れ難いライセンス形態といえるかも知れない。

   こうした事態を回避するためにOSS製品の中には、GPLと呼ばれる無償のオープンソースライセンスと、有償の商用ライセンスを提供しているものもある。その場合は、目的によって使い分ける必要がでてくる。

   最近では、有償の商用ソフトでも期間や機能を限定し、評価目的でダウンロードして使える製品も増えてきた。こうした機会は積極的に活かしたいものだ。

   ただし前回も書いたが、バージョン1.0から2.0などのメジャーバージョンアップ直後の製品は、そのバージョンで追加された新機能などの動作が、安定しない場合が少なくない。状況によるが、マイナーバージョンアップやパッチのリリースを待つ方が安心して使えるかもしれない。

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イーシステム株式会社 芝 国雄
著者プロフィール
イーシステム株式会社  芝 国雄
グプタ事業部 部長
1995年、日本グプタ(現イーシステム)入社。米グプタ社製品の統合開発ツールの「Team Developer」、RDBMSの「SQLBase」といった製品の日本語化をはじめ技術支援や販売、マーケティング業務に従事。主に、ユーザ企業のシステム開発の現場で、システムの設計に関わる事前調査や助言などの上流工程から、プログラミング時のトラブルシューティングまで、幅広く支援していた。2000年4月、携帯電話を活用したワイヤレスソリューション事業の立ち上げに従事。2001年、グプタ事業に専念し、現在に至る。


INDEX
第11回:OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編)
  はじめに
既に発見されているバグ情報
  OSSと「フリーソフトウェア」の関係は?
オープンソースの適用可能性を示す
第1回 ユーザ企業におけるOSS浸透のカギはメインフレーム世代のSE
第2回 DB管理ツールを例にOSSの現在の実力を診断する
第3回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その1
第4回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その2
第5回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その3
第6回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その4
第7回 PostgreSQLを使い切るためのノウハウを徹底解説する その1
第8回 PostgreSQLを使い切るためのノウハウを徹底解説する その2
第9回 PostgreSQL vs MySQL2つのDBMSを検証する(前編)
第10回 PostgreSQL vs MySQL2つのDBMSを検証する(後編)
第11回 OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編)
第12回 OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(後編)
第13回 クライアントのOSとしてLinuxを検証する
第14回 バッファオーバーフローとサーバ側のセキュリティ対策を考える

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