第11回:OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編) (3/3)

オープンソースの適用可能性を示す
オープンソースの適用可能性を示す

第11回:OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編)
著者:イーシステム  芝 国雄   2006/6/23
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OSSと「フリーソフトウェア」の関係は?

   OSSは、無償だと考えられているが、必ずしもそうとは限らない。また、OSSとフリーソフト(フリーウェア)は同じものだと考えられているが、前者は必ずソースコードが公開されているが、フリーソフトはその限りではない。

   OSSの中には、複雑なライセンス条件を持つものがあるので使用する際には、十分な注意が必要になる。ライセンスの種類は、GPLをはじめLGPL、BSDなど、多岐にわたる。また、それぞれが似ているので正確に理解すると同時に、Webサイトなどでその都度確認したほうがよいだろう。

   例えばLinuxの場合には、GPLと呼ばれるライセンスが適用されている。また、Linux上で稼働するOSSの中にもGPLを適用しているものが多いので、法的なミスを犯さないためにも、GPLの内容を正確に把握しておくことが望ましい。

   詳しい解説は、Open SourceInitiativeのサイトを参照して欲しい。

Open SourceInitiative
http://www.opensource.org/

   ところで読者の皆さんは、「コピーレフト」(CopyLeft)という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、ソースコードの著作権を放棄しないで公開するということだ。しかも、ある条件を満たしていれば、そのソースコードを自由に使用、配布、さらに改良もできる。そのある条件とは、改良したソースコードにも、同じ条件を付けることだ。

   コピーレフトという言葉には、著作権の「コピーライト」(CopyRight)から作られた単語だとする説と、「Left」には「残す、そのままにする」という意味があるので、著作権を残しているという説があるようだ。

   また、GPLは「フリーソフトウェア財団」が提唱してきたライセンス方式だ。同財団は、GNUプロジェクトの推進母体であり、フリーソフトウェア運動を推進してきた。この運動で提唱する「フリー」の意味は「無料」ではなく「自由」だ。

   次の言葉を聞いた読者もいるだろう。「"free" as in "free speech," notas in "free beer"」この「フリー」は、「言論の自由」の自由であって、「ビールをご自由にどうぞ」の自由(つまり無料)ではないということだ。

   フリーの意味が「自由」なのか「無料」なのかわかりにくいことから、「フリーソフト」にかわる言葉として「オープンソースソフトウェア」といわれるようになってきたのだ。


次回は

   今回はOSSを探す方法について説明してきた。続く次回はフレームワークの選択ポイントについて解説していく。

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イーシステム株式会社 芝 国雄
著者プロフィール
イーシステム株式会社  芝 国雄
グプタ事業部 部長
1995年、日本グプタ(現イーシステム)入社。米グプタ社製品の統合開発ツールの「Team Developer」、RDBMSの「SQLBase」といった製品の日本語化をはじめ技術支援や販売、マーケティング業務に従事。主に、ユーザ企業のシステム開発の現場で、システムの設計に関わる事前調査や助言などの上流工程から、プログラミング時のトラブルシューティングまで、幅広く支援していた。2000年4月、携帯電話を活用したワイヤレスソリューション事業の立ち上げに従事。2001年、グプタ事業に専念し、現在に至る。


INDEX
第11回:OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編)
  はじめに
  既に発見されているバグ情報
OSSと「フリーソフトウェア」の関係は?
オープンソースの適用可能性を示す
第1回 ユーザ企業におけるOSS浸透のカギはメインフレーム世代のSE
第2回 DB管理ツールを例にOSSの現在の実力を診断する
第3回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その1
第4回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その2
第5回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その3
第6回 OSSはビジネスになるのか?「魔法のお鍋」を読み直す その4
第7回 PostgreSQLを使い切るためのノウハウを徹底解説する その1
第8回 PostgreSQLを使い切るためのノウハウを徹底解説する その2
第9回 PostgreSQL vs MySQL2つのDBMSを検証する(前編)
第10回 PostgreSQL vs MySQL2つのDBMSを検証する(後編)
第11回 OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(前編)
第12回 OSSのプロがいなくても大丈夫!必要なソフトの情報はこうして探す(後編)
第13回 クライアントのOSとしてLinuxを検証する
第14回 バッファオーバーフローとサーバ側のセキュリティ対策を考える

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