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Eclipse実践プラグイン開発
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第5回:メニューとポップアップ・メニューの拡張
著者:ビーブレイクシステムズ  大森 洋行   2005/8/1
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"menu"のパラメータ設定

   メニューを追加します。「すべての拡張」の「サンプル・アクション・セット2」上で右クリックし、表示されたポップアップ・メニューから「新規」 - 「menu」を選択します。「拡張エレメント詳細」に"menu"のパラメータを以下のように設定し、保管します。
プロパティ
内容
id 値:sampleMenu2
メニューを識別するためのID
label 値:サンプル・メニュー2(&M)
メニューの名前
path 値:なし
メニューのルートから開始する新規メニューの位置。省略するとadditionsグループに追加されます
"separator"のパラメータ設定

   セパレータ(メニューおよびアクションを追加できる名前付きのグループ)を追加します。「すべての拡張」の「サンプル・メニュー2(M)」上で右クリックし、表示されたポップアップ・メニューから「新規」 - 「separator」を選択します。「拡張エレメント詳細」に"separator"のパラメータを以下のように設定し、保管します。

プロパティ
内容
name 値:sampleGroup2
セパレータ名
"action"のパラメータ設定

   アクションを追加します。「すべての拡張」の「サンプル・アクション・セット2」上で右クリックし、表示されたポップアップ・メニューから「新規」 - 「action」を選択します。「拡張エレメント詳細」に"action"のパラメータを以下のように設定し、保管します。

プロパティ
内容
id 値:examples.hello2.actions.SampleAction
アクションを識別するためのID
label 値:サンプル・アクション2(&S)
アクションの名前
accelerator 値:なし
使用されません。代わりにdefinitionIdを使用します
definitionId 値:なし
アクションが扱うコマンドのIDを指定します("org.eclipse.ui.commands"の拡張)
menubarPath 値:sampleMenu2/sampleGroup2
メニューのどこにアクションを定義するかを指定します。menu要素のidやseparator要素のname、および、groupMarker要素のnameを"/"で区切って指定します。指定した位置にメニュー・アイテムとして表示されます。省略すると、メニューにアクションを追加しません
toolbarPath 値:sampleGroup2
ツールバーのどこにアクションを定義するかを指定します。separator要素のname、およびgroupMarker要素のnameを"/"で区切って指定します。指定した位置にボタンとして表示されます。省略すると、ツールバーにアクションを追加しません
icon 値:なし
アクションに表示されるアイコンのパス。メニュー・アイテムやツールバー・ボタンのアイコンとして表示されます
disabledIcon 値:なし
アクションが使用できないときに表示されるアイコンのパス
hoverIcon 値:なし
マウスがアクション上にあるときに表示されるアイコンのパス
tooltip 値:Hello, Eclipse world
ツールチップ
helpContextId 値:なし
ヘルプ・コンテキストのID(F1キーをクリックすると表示される)
style 値:push
アクションのスタイルを指定します(以下の値を指定することができます)
  • push - 通常のメニュー・アイテムとツールバー・ボタン(デフォルト)
  • radio - ラジオ
  • toggle - トグル
  • pulldown - カスケード・メニュー・アイテム、およびツールバー・ボタン横のメニュー・アイテム
state 値:なし
アクションの初期状態(styleがradioかtoggleのとき指定する)
class 値:examples.hello2.actions.SampleAction
アクションの実装クラス(アクション・クラス)の完全修飾クラス名org.eclipse.ui.IWorkbenchWindowActionDelegateかorg.eclipse.ui.IWorkbenchWindowPulldownDelegateをインプリメントしていなければいけません
retarget 値:なし
ビューやエディタがこのアクションのハンドラを供給する場合、trueを指定します。trueの場合、classを指定すべきではありません
allowLabelUpdate 値:なし
ラベルとツールチップを更新できるか、更新できないかを指定します。retargetがtrueのとき適用されます
enablesFor 値:なし
アクションを使用可能にするために、一致しなければならない選択カウント

   追加したアクションは、menubarPathプロパティとtoolbarPathプロパティに設定しているので、同じアクションがメニューとツールバー・ボタンの両方に適用されます。以上でplugin.xmlの編集が終了しました。


examples.hello2.actions.SampleActionクラスの作成

   アクション・クラスを作成します。はじめに「概要」ページの「すべての拡張」から「org.eclipse.ui.actionSets」 - 「サンプル・アクション・セット2」 - 「サンプル・アクション2(S)」を選択し、「拡張エレメント詳細」の「class」リンクをクリックします。「Java 属性エディター」が表示され、examples.hello2.actions.SampleActionクラスを作成します。


「Hello2 プラグイン」の作成

   SampleActionクラスにJFaceのメッセージ・ダイアログを使用して「Hello, Eclipse world」メッセージ・ダイアログを表示するコードを以下のように記述します。

private IWorkbenchWindow window;

public void init(IWorkbenchWindow window) {
        this.window = window;
}

public void run(IAction action) {
        MessageDialog.openInformation(
                window.getShell(),
                "Hello2 プラグイン",
                "Hello, Eclipse world");
}

   以上で「Hello2 プラグイン」が作成できました。ワークベンチ・ランタイムを起動すると「サンプル・メニュー2」メニューと「サンプル・アクション2」ツールバー・ボタンが追加されています(図2)。

   これまでに、メニューを追加する手順について説明しました。次に、拡張ポイントとアクション・クラスについて説明したいと思います。

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ビーブレイクシステムズ社 大森 洋行
著者プロフィール
ビーブレイクシステムズ社  大森 洋行
中堅システム開発会社にて、データベース検索ソフトの開発・導入コンサルティング・セミナー講師に従事。その現場の中で、Java及びオープンソースを用いたシステム開発は今後のシステム開発の主流になると考え、それらを独学で学ぶ。本格的にそれらを用いた開発に携わるため、ビーブレイクシステムズに入社。現在、データ項目やその流れの分析に重点をおきながら、Javaやオープンソースを用いたシステム開発に携わる。


INDEX
第5回:メニューとポップアップ・メニューの拡張
  はじめに
"menu"のパラメータ設定
  拡張ポイント
  "separator"のプロパティ設定