第6回:日本編(地方自治体編) (4/4)

世界各国政府のオープンソース採用動向
世界各国政府のオープンソース採用動向

第6回:日本編(地方自治体編)
著者:三菱総合研究所  谷田部 智之   2005/6/10
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地元密着型サービスを目指す佐賀県呼子町

   人口数千人の町である佐賀県呼子町(2005年、唐津市に合併)では2001年からCATVを中心とした地域ネットワークを提供しています。町の主な資源である観光情報発信のためのサーバや住民向け行政情報を提供するシステムを、コスト面やセキュリティ面を考慮した結果、Linuxプラットフォームとオープンソースを活用して構築しています。

   特に、定点カメラやCATVのビデオ・オン・デマンド機能など映像を使ったサービスの利用が多いようです。システム運用後にはアクセス数や観光客も増加し、地元振興にも好影響を与えています。なお、構築に関しては大手ベンダーへ発注しましたが、日常の保守・運用に関しては地元のベンダーがおこなっています。


NPOとの協力体制を組む沖縄県那覇市

   沖縄県内のベンダーが組織するNPO団体であるOSPI(Open Source Promotion Institute)が自治体と協力して、地域産業活性化のためにオープンソースの活用や人材育成をおこなっています。その1つに那覇市との共同で「eまちづくり事業」として地域コミュニケーションのためのプラットフォームをオープンソースソフトウェアのSOBAを利用して開発しました。また「沖縄観光共通プラットフォーム構築事業」もオープンソースを全面的に利用して開発されています。


沖縄とOSPI
図4:沖縄とOSPI


次回は

   次回でも引き続き日本のオープンソースの採用動向について概観していきます。経済産業省などの中央官庁について触れていきます。

オープンソース政府調達マップ(日本編)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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三菱総合研究所 谷田部 智之
著者プロフィール
株式会社三菱総合研究所  谷田部 智之
情報技術研究部 研究員
2000年(株)三菱総合研究所入社。画像処理・認識研究やセンサネットワーク、ユビキタスコンピューティングなどの研究開発業務に従事。最近は通信業界関連の調査も手がける。最新版のソースコードからコンパイルしてインストールする症候群は治まりつつあるが、ついRPMを作り直してしまう癖は今も健在。博士(工学)。


INDEX
第6回:日本編(地方自治体編)
  今回は
  地理的環境を考慮して、地元産業育成を図る北海道
  ポータルサイトとの連携で活用する岐阜県
地元密着型サービスを目指す佐賀県呼子町
世界各国政府のオープンソース採用動向
第1回 欧州編(前編)
第2回 欧州編(後編)
第3回 米国・南米編
第4回 北東アジア編
第5回 アジア・オセアニア編
第6回 日本編(地方自治体編)
第7回 日本編(中央官庁編)

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