第12回:CVSの利用(1) (4/4)

How to Eclipse!
Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発

第12回:CVSの利用(1)
著者:宮本 信二   2005/4/6
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プロジェクトの共用

   次にプロジェクトをCVSリポジトリに追加する作業を行います。追加するプロジェクトは何でもよいですが、ここでは前回利用したmyjsfプロジェクトをインポートする例を示します。作業はパッケージ・エクスプローラーで行いますので(他のビューからでもできますが)、パースペクティブをJavaパースペクティブに戻しておきます。

   パッケージ・エクスプローラー上で、myjsfプロジェクトを右クリック → チーム → プロジェクトの共用を選択します。

プロジェクトの共用
図8:プロジェクトの共用


   次の画面でCVSリポジトリ(ロケーション)を選択します。ここでは、先ほど作成した「:pserver:miya@localhost:/cvsrepo」のリポジトリを選択し「次へ」を押します。なお、この画面の「新しいリポジトリー・ロケーションを作成」で別のリポジトリを追加することもできます。

リポジトリの選択
図9:リポジトリの選択


   次の画面では、「プロジェクト名をモジュール名として使用」(デフォルトで選択されています)を選び、次へを選択します。その次の画面はCVSにインポートするリソースを選択する画面です。ここでは、プロジェクト以下のすべてのファイルをインポートすることにします。ツリーのルートのプロジェクトを右クリック → コミットを選択します。

CVSにインポートするリソースの選択
図10:CVSにインポートするリソースの選択


   コミット・コメントには適当なメッセージを入力してOKします。最後に「終了」を選択すると、プロジェクトのインポートは完了です。


プロジェクトをCVSリポジトリから削除する

   間違ったプロジェクトをインポートしてしまった場合は、CVSからプロジェクト(モジュール)を削除します。この操作はEclipse側からは行えません。モジュールを削除するには、OS上でフォルダごと削除してしまえばよいです(例えばC:/cvsrepo/myjsfフォルダを削除)。名前を間違えたから作り直すという場合はサクッと消せばよいと思いますが、既にある程度開発が進んでいるモジュールを削除する場合はバックアップを取っておいた方がよいでしょう。


プロジェクトのチェックアウト

   プロジェクトのチェックアウトは、CVSリポジトリービューから行えます。リポジトリのHEADを開き、プロジェクトを右クリック → チェックアウトを選択します。

プロジェクトのチェックアウト
図11:プロジェクトのチェックアウト


   この作業は、プロジェクトの共用を行った人とは別の人が行います。HEAD以下にプロジェクトが表示されていない場合は、CVSリポジトリービューでHEADを右クリック → 更新を行ってください。それでも表示されない場合は、インポート手順を見直してください。

※注:Tomcatプロジェクトはデフォルトでworkが.cvsignoreに記述されています。.cvsignoreというのは、CVSに登録してほしくないファイルを指定するためのファイルです。Tomcatプロジェクトでは、work以下はソースファイルでなく生成されたJSPサーブレットのディレクトリなので、CVS管理から外す設定になっています。このため、チェックアウトしたときにworkが存在しないとクラスパスのエラーになります。対処としては、チェックアウト後にworkを手で作成してもらうか、あるいは、.cvsignoreからworkの記述を外す方法があります。ただし、work以下に生成されたJSPサーブレットなどをCVSに追加するのはあまり適切ではありません。
プロジェクトをCVSから切断する

   CVSと同期されているプロジェクト(共用またはチェックアウト済のプロジェクト)をCVS管理から解除するには、パッケージ・エクスプローラーでプロジェクトを右クリック → チーム → 切断を選択します。

CVSから切断
図12:CVSから切断


   「メタ情報も削除します」を選択すると、完全にCVSから切断され、プロジェクト以下のCVS関連ファイルも削除されます(デフォルトでフィルターされているため表示されませんが、物理的にはディレクトリごとにファイルが作成されています)。「削除しないでください」を選択した場合は、これらのファイルは削除されず、あとで再び「プロジェクトの共用」を行うことで再接続することが可能です。


まとめ

   今回はCVSサーバの設定、プロジェクトのインポート、チェックアウトについて説明しました。次回は共用済のプロジェクト上でCVS関連の作業を行う方法を説明します。

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著者プロフィール
宮本 信二  http://muimi.com/
テクニカルライター。Ja-Jakartaコミッタ。Java Webアプリケーション開発業務を経て、現在、主にJavaやOSS関連の調査、執筆を行っている。著書に「Eclipse 3 完全攻略」、「JavaデベロッパーのためのApacheAnt入門」(ソフトバンクパブリッシング)、「徹底解説!JSFのすべて」(秀和システム)などがある。


INDEX
第12回:CVSの利用(1)
  CVSとは
  リポジトリの作成
  プロジェクトの共用とチェックアウト
プロジェクトの共用
Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発
第1回 Eclipse3の概要とインストール
第2回 Eclipse3の基本機能
第3回 Eclipse3の基本操作を憶えよう
第4回 Eclipseの便利な機能
第5回 Webアプリケーションの開発(1)〜JSP作成〜
第6回 Webアプリケーションの開発(2)〜サーブレットの作成〜
第7回 データベースの利用
第8回 フレームワークの利用
第9回 O/Rマッパーの利用
第10回 JUnitの利用
第11回 Antの利用
第12回 CVSの利用(1)
第13回 CVSの利用(2)
Eclipseが提供するBIとレポーティングツール
第1回 インストールからはじめるEclipse BIRT
第2回 データベースのデータをレポートに出力しよう
第3回 レポートを作成しよう
第4回 スクリプティング機能・Tomcatでのプレビュー・レポートエンジンを使用したレポート出力
Eclipse実践プラグイン開発
第1回 Eclipseとプラグイン
第2回 プラグインの配布とインストール
第3回 基本的なGUIコンポーネントの利用
第4回 JFaceのGUIコンポーネント
第5回 メニューとポップアップ・メニューの拡張
第6回 ビューの拡張
第7回 エディタの拡張
第8回 パースペクティブの拡張
第9回 プロパティと設定の拡張
Eclipse WTPによる標準開発ツールの提供
第1回 Eclipse WTPの概要とインストール
第2回 Eclipse WTPでHello World
第3回 Eclipse WTPのDB系ツールを使う
第4回 Eclipse WTPのエディタとその他のツール

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