新走行体「NXTrike」登場
新走行体「NXTrike」登場
アドバンストクラスでは、使用するロボットも変更される。ここで登場するのが、新設計のロボット「NXTrike(エヌエックストライク)」だ。「Trike(="Tricycle")」という名前が示す通り、3輪タイプのロボットで、外見同様これまでの2輪タイプのロボットとは操作が大きく異なる。
NXTrikeを一見すると、タイヤが増えたことで安定性が高く制御が簡単なように思えるが、それは間違いだ。前輪と後輪の距離(ホイールベース)ができたことでステアリングが難しくなり、これまでの倒立二輪タイプの走行体のようにその場で転回する事ができなくなる。
本部技術委員長の江口亨氏はほかにも、ウォームギア採用でステアリングが遅めになり、コントロールが難しくなることや、重心が高いことによるコーナリング突入時のスピードに気を使う必要などを説明した。
アドバンストクラスのために新しく設計されたNXTrikeが備えている特長の中でも特筆すべきは、ギア比の変更によるスピードアップが可能になった点だ。これまでのスピードを1倍速とすると、最大で5倍速という、とんでもない速さでロボットを走らせることができる。
発表会では3倍のスピードを見せてもらうことができたが、それですら相当な速度であり、まして5倍のスピードともなると、なかなか想像することができない。高速で駆け抜けるか、着実に難所をクリアしていくか、難易度の上がったコースをどう攻略するかはチームの作戦にかかっている。
他にも、重心の高さを生かした“尻尾走行”やウィリー走行ができるなどの特長があわせて紹介された。なお、NXTrikeは従来のNXTに付属するパーツで組み立てられるため、既に走行体キットを持つ参加者にとっては新たに部品を購入する必要がなく、費用面でも利点だといえる。
ちなみに、アドバンスクラスだけでなくアーキテクト部門でも、倒立2輪タイプとNXTrikeのいずれかを選択して参加することができる。
- この記事のキーワード :
関連記事
ETロボコン2014チャンピオンシップ大会レポート(前編)
2015年1月7日 18:00
次世代エンジニアはここから生まれる!?ロボットオリンピックWROの新たな挑戦とは
2013年7月4日 23:30
競技部門1位のチームメンバーが解説する、ETロボコンの攻略ポイント(前編)
2013年4月11日 22:00
競技部門1位のチームメンバーが解説する、ETロボコンの攻略ポイント(後編)
2013年4月18日 20:00
入門者も参加しやすくなったETロボコン2013と、2012チャンピオンシップ大会レポート
2013年4月5日 7:00
ETロボコン2014チャンピオンシップ大会レポート(後編)
2015年1月14日 18:00
バックナンバー
この記事の筆者
“オープンソース技術の実践活用メディア” をスローガンに、インプレスグループが運営するエンジニアのための技術解説サイト。開発の現場で役立つノウハウ記事を毎日公開しています。
2004年の開設当初からOSS(オープンソースソフトウェア)に着目、近年は特にクラウドを取り巻く技術動向に注力し、ビジネスシーンでOSSを有効活用するための情報発信を続けています。クラウドネイティブ技術に特化したビジネスセミナー「CloudNative Days」や、Think ITと読者、著者の3者をつなぐコミュニティづくりのための勉強会「Think IT+α勉強会」、Web連載記事の書籍化など、Webサイトにとどまらない統合的なメディア展開に挑戦しています。
また、エンジニアの独立・起業、移住など多様化する「働き方」「学び方」「生き方」や「ITで社会課題を解決する」等をテーマに、世の中のさまざまな取り組みにも注目し、解説記事や取材記事も積極的に公開しています。
筆者の人気記事
Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。


