第8回:フレームワークの利用 (4/4)

How to Eclipse!
Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発

第8回:フレームワークの利用
著者:宮本 信二   2005/3/9
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JSP

   JSPは次のようになります。ここでは、11行目から始まる<h:dataTable>タグで、JSFのテーブルコンポーネントを利用しています。
リスト:video.jsp
<%@page contentType="text/html; charset=Windows-31J"%>
<%@ taglib uri="http://java.sun.com/jsf/html" prefix="h" %>
<%@ taglib uri="http://java.sun.com/jsf/core" prefix="f" %>

<html>
<body>

<f:view>
<h:form>

<h:dataTable
value="#{videoHandler.videosModel}"
var="item"
border="1">

<h:column>
<f:facet name="header">
<h:outputText value="title"/>
</f:facet>
<h:outputText
value="#{item.title}" />
</h:column>

<h:column>
<f:facet name="header">
<h:outputText value="price"/>
</f:facet>
<h:inputText value="#{item.price}"/>
</h:column>

<h:column>
<f:facet name="header">
<h:outputText value="操作"/>
</f:facet>
<h:commandLink
action="#{videoHandler.updateSelectRow}">
<h:outputText value="更新"/>
</h:commandLink>
</h:column>

</h:dataTable>

<h:messages/>

</h:form>
</f:view>

</body>
</html>
実行

   これでアプリケーションの作成は完了です。Tomcatとデータベースを起動し、ブラウザでhttp://localhost:8080/myjsf/video.jsf(*.jsfにサーブレットマッピングしているので.jsf)にアクセスします。前述の図2の画面が表示され、更新のリンクをクリックすると、その行が更新されることがわかります。実際にデータベースの中身も更新されます。

   このように、JSFを利用すると比較的少ない記述で目的のアプリケーションが作成できるのがわかると思います。なお、ここで作成したWebアプリケーションは以下からダウンロードできます。このサンプルではDBの設定を行わなくても実行できるように、Webアプリケーション起動時にHSQLDBがスタンドアロンモードで起動するようにしています。

今回のサンプル(EclipseのTomcatプロジェクト形式)
Text  myjsf.zip
  (ZIPファイル/2.15MB)
JSFの開発ツールについて

   ここでは、特にJSF専用ツールは利用せずに、JSFアプリケーションを作成する例を紹介しました。ただし、JSFの特徴としては開発ツールの利用が想定されており、JSF専用ツールを利用することで、開発コストが相当量減少すると言われています。

   JSFをサポートしたツールとしては、IBMのWebSphere StudioやSunのJava Studio Creatorなど、またEclipseプラグインとしてはExadelのJSF Studioなどがあります。これらのツールは便利ですが、ツールの中には、ベンダー依存のAPIやタグが強制的に組み込まれてしまうものもありますので注意してください(依存自体に問題はありませんが、ポータビリティはなくなります)。


まとめ

   今回は、Webアプリケーションの開発を効率化するためのフレームワークを説明しました。フレームワークには今後、開発の中心となる(かもしれない)JSFを取り上げ、Eclipse上でJSFアプリケーションを開発する手順を紹介しました。次回はデータベース側のツールとして、O/Rマッパーを取り上げて説明します。

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著者プロフィール
宮本 信二  http://muimi.com/
テクニカルライター。Ja-Jakartaコミッタ。Java Webアプリケーション開発業務を経て、現在、主にJavaやOSS関連の調査、執筆を行っている。著書に「Eclipse 3 完全攻略」、「JavaデベロッパーのためのApacheAnt入門」(ソフトバンクパブリッシング)、「徹底解説!JSFのすべて」(秀和システム)などがある。


INDEX
第8回:フレームワークの利用
  Java Webアプリケーションの課題
  フレームワーク
  必要なファイルのコピー
JSP
Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発
第1回 Eclipse3の概要とインストール
第2回 Eclipse3の基本機能
第3回 Eclipse3の基本操作を憶えよう
第4回 Eclipseの便利な機能
第5回 Webアプリケーションの開発(1)〜JSP作成〜
第6回 Webアプリケーションの開発(2)〜サーブレットの作成〜
第7回 データベースの利用
第8回 フレームワークの利用
第9回 O/Rマッパーの利用
第10回 JUnitの利用
第11回 Antの利用
第12回 CVSの利用(1)
第13回 CVSの利用(2)
Eclipseが提供するBIとレポーティングツール
第1回 インストールからはじめるEclipse BIRT
第2回 データベースのデータをレポートに出力しよう
第3回 レポートを作成しよう
第4回 スクリプティング機能・Tomcatでのプレビュー・レポートエンジンを使用したレポート出力
Eclipse実践プラグイン開発
第1回 Eclipseとプラグイン
第2回 プラグインの配布とインストール
第3回 基本的なGUIコンポーネントの利用
第4回 JFaceのGUIコンポーネント
第5回 メニューとポップアップ・メニューの拡張
第6回 ビューの拡張
第7回 エディタの拡張
第8回 パースペクティブの拡張
第9回 プロパティと設定の拡張
Eclipse WTPによる標準開発ツールの提供
第1回 Eclipse WTPの概要とインストール
第2回 Eclipse WTPでHello World
第3回 Eclipse WTPのDB系ツールを使う
第4回 Eclipse WTPのエディタとその他のツール

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