第11回:Antの利用 (3/4)

How to Eclipse!
Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発

第11回:Antの利用
著者:宮本 信二   2005/3/30
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例2 JUnitテスト

   次にJUnitテストの例を紹介します。第10回で作成したJUnitのサンプルプロジェクト(testsample)を利用します。
ビルドファイルの作成 〜 Antエディターの関連付け

   ここでは、build.xmlとは異なる名前でビルドファイルを作成してみましょう。デフォルトではbuild.xmlおよび*.entという名前のファイルがAntエディターで開かれますが、それ以外のファイル名のファイルをAntエディターで開くには「ファイルの関連付け」を行う必要があります。

   ファイルの関連付けは、Eclipseの設定画面の、ワークベンチ → エディター → ファイルの関連付けで行います。例えば、*.xml(拡張子がxmlの任意のファイル)をAntエディターで開きたい場合は次のようにします。

  1. ファイルタイプ(上の画面)で「*.xml」を選択する
  2. 関連付けられたエディター(下の画面)で「追加」ボタンからAntエディターを選択する
Antエディターの関連付け
図8:Antエディターの関連付け
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   なお、ファイルタイプに*.xmlが存在しない場合は、追加ボタンから新しく追加します(XMLBuddyをインストールしている場合は存在するはずですが、Eclipseのデフォルト状態ではこのファイルタイプはありません)。

   次に、testsampleプロジェクト直下にhoge.xmlという名前で新規ファイルを作成します(名前は適当です)。ファイルの関連付けをしているので、次の画面のようにhoge.xmlをAntエディターで開くことができます。

Antエディターで開く
図9:Antエディターで開く
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)



ビルドファイルの記述

   JUnitテストを行うビルドファイルはリスト2のようになります。このビルドファイルでは、以下のことを行っています。

testターゲット
srcディレクトリ以下の"〜Test"という名前のJavaクラスを対象にJUnitテストを実行し、結果をxml形式でdest/dataディレクトリに出力。
test-reportターゲット
dest/dataディレクトリのテスト結果をHTML形式のレポートにして、test/reportディレクトリに出力。

リスト2:hoge.xml(JUnitテストを行うビルドファイル)
<project default="test">

<mkdir dir="dest"/>
<mkdir dir="dest/data"/>
<mkdir dir="dest/report"/>

<target name="test">
<junit printsummary="true">
<formatter type="xml"/>
<classpath>
<path location="bin"/>
</classpath>
<batchtest fork="true" todir="dest/data">
<fileset dir="src">
<include name="**/*Test.java"/>
<exclude name="**/AllTests.java"/>
</fileset>
</batchtest>
</junit>
</target>

<target name="test-report" depends="test">
<junitreport todir="dest/report">
<fileset dir="dest/data">
<include name="TEST-*.xml"/>
</fileset>
<report format="frames" todir="dest/report"/>
</junitreport>
</target>

</project>
実行(クラスパスの設定)

   Antのオプショナルタスクの中には、クラスパスの設定が必要なものがあります。junitタスクもクラスパスの設定が必要なタスクの1つで、Ant起動時のクラスパスにjunit.jarを追加する必要があります。Eclipse上で実行するAntのクラスパス設定は、Eclipseの設定画面のAnt → ランタイムで次のように行います。

  1. グローバル項目を選択
  2. 「外部JARの追加」ボタンを押しjunit.jarを選択(junit.jarは、例えばEclipseのplugins/org.junit_3.8.1にあります)
ランタイムのクラスパスにjunit.jarを追加
図10:ランタイムのクラスパスにjunit.jarを追加
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   test-reportターゲットを実行すると、ビルドが実行され、test/reportディレクトリ以下にテストレポートが作成されます。

test-reportで作成されたHTMLファイル
図11:test-reportで作成されたHTMLファイル


   このHTMLファイルはブラウザで開いて閲覧することができます(Eclipseから開く場合は、index.htmlを選択し右クリック → アプリケーションから開く → システムエディタ)。

index.htmlをブラウザで閲覧したところ
図12:index.htmlをブラウザで閲覧したところ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


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著者プロフィール
宮本 信二  http://muimi.com/
テクニカルライター。Ja-Jakartaコミッタ。Java Webアプリケーション開発業務を経て、現在、主にJavaやOSS関連の調査、執筆を行っている。著書に「Eclipse 3 完全攻略」、「JavaデベロッパーのためのApacheAnt入門」(ソフトバンクパブリッシング)、「徹底解説!JSFのすべて」(秀和システム)などがある。


INDEX
第11回:Antの利用
  Antとは
  ビルドファイルの記述 〜 Antエディター
例2 JUnitテスト
  EclipseユーザにとってのAntの用途
Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発
第1回 Eclipse3の概要とインストール
第2回 Eclipse3の基本機能
第3回 Eclipse3の基本操作を憶えよう
第4回 Eclipseの便利な機能
第5回 Webアプリケーションの開発(1)〜JSP作成〜
第6回 Webアプリケーションの開発(2)〜サーブレットの作成〜
第7回 データベースの利用
第8回 フレームワークの利用
第9回 O/Rマッパーの利用
第10回 JUnitの利用
第11回 Antの利用
第12回 CVSの利用(1)
第13回 CVSの利用(2)
Eclipseが提供するBIとレポーティングツール
第1回 インストールからはじめるEclipse BIRT
第2回 データベースのデータをレポートに出力しよう
第3回 レポートを作成しよう
第4回 スクリプティング機能・Tomcatでのプレビュー・レポートエンジンを使用したレポート出力
Eclipse実践プラグイン開発
第1回 Eclipseとプラグイン
第2回 プラグインの配布とインストール
第3回 基本的なGUIコンポーネントの利用
第4回 JFaceのGUIコンポーネント
第5回 メニューとポップアップ・メニューの拡張
第6回 ビューの拡張
第7回 エディタの拡張
第8回 パースペクティブの拡張
第9回 プロパティと設定の拡張
Eclipse WTPによる標準開発ツールの提供
第1回 Eclipse WTPの概要とインストール
第2回 Eclipse WTPでHello World
第3回 Eclipse WTPのDB系ツールを使う
第4回 Eclipse WTPのエディタとその他のツール

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