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統合化BI
統合化が進むBIツール

第2回:データを中心に統合化するOracle
著者:日本オラクル  桑内 崇志   2006/3/13
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成功に導くためのビジネス・インテリジェンスの構築

   さて、日々の業務データが蓄積されるデータベースはビジネス情報の宝庫です。ビジネスにおけるあらゆる事実はデータベース上にあり、皆が使えるのです。この蓄積されたデータを分析し、戦略的意思決定に活用しようというのがBIの目的です。

   今までの情報を収集・分析し、動向の比較、将来の方向性を予測して、最終的には企業業績のさらなる向上というゴールにつなげていくためには、統合化されたBIのメリットをうまく活用していく必要があります。ここでは3つの観点からから統合化のメリットを見ていきます。

   まず、開発やシステム構築の観点です。BIは多くの技術要素が存在します。例をあげてみると、ETL、DWH用のデータベース、OLAPエンジン、分析ツール、ポータル、レポーティング、ID管理、システム管理などなどです。これらがばらばらのツールで構成されていた場合、BIの開発や構築にはかなりの手間と労力を必要とします。しかもこれは最初の一回だけではなく、アップデートやツールのいずれかのサポート終了が起こった際にすべて発生するのです。

   そこで統合されたBI基盤が求められてきています。例えば、ETLから直接分析ツールが使う論理スキーマの構築を行ったり、分析ツールの画面を自動的にポータルに展開したりなどです。オラクルのETLツールであるOracle Warehouse Builderでは、Oracle Database 10gのETL技術を活用し、専用のETLサーバなしで動作します。また、分析ツールであるOracle Discovererの論理スキーマであるEnd User Layerを生成する機能を持っています。このようなシームレスな連携がBIシステムの開発と構築に関わる労力を削減し、素早い展開を可能にするのです。

Oracle Warehouse Builder 10g
図4:Oracle Warehouse Builder 10g
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   次に、システムの運用管理の観点からメリットを見てみましょう。運用管理で問題になるのは、障害があった場合の素早い対応やパフォーマンス・チューニングです。特にパフォーマンスは、BIのような様々な技術要素が絡まり合ったシステムでは、パフォーマンス劣化が起きた場合に問題点を特定することは容易ではありません。個々のコンポーネントの問題かもしれませんし、アプリケーションや設計に関わる問題かもしれません。実際に問題解決に数ヶ月を要するというケースも決して珍しいものではありません。

   こういった問題を素早く解決していくためには、システム全体を見渡す統合された管理ツールの存在が欠かせません。例えばオラクルのシステム管理ツールであるOracle Enterprise Managerでは、システムのパフォーマンス上の問題点をアプリケーションレベルで分析します。問題があるアプリケーションはどれか、その中の問題があるモジュールはどれか、SQLに問題はないか、といった分析を行い、さらに問題点の解決策を自動的に提示します。こういった診断やチューニングは、統合されたシステムだからこそ可能なのです。

ミドルウェア統合による統合運用管理
図5:ミドルウェア統合による統合運用管理

   さらに、エンドユーザへの展開の観点から見ていきます。今までの技術的な背景から、多次元OLAPとリレーショナルOLAPでは使用するフロントツールが異なるというのは一般的でした。しかし、エンドユーザからしてみると背景の技術が異なるからといって使うツールが異なるのでは、覚えきれません。使えないツールではシステムの効果を十分に発揮できるはずもありません。

   このようにユーザ教育の点からも統合されたBIは求められています。例えば、オラクルの分析ツールであるOracle Business Intelligence Discovererでは、Oracle Database 10gのパフォーマンスを最大限に引き出すように設計されており、リレーショナル・データも多次元データも同じインターフェースでアクセスできます。また、ポータル製品であるOracle Portalにポートレットと呼ばれるモジュールを配置することで、ポータル上のグラフから分析ツールまでシームレスに同じインターフェースで連携することが可能になります。

Oracle Business Intelligence Discoverer
図6:Oracle Business Intelligence Discoverer
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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Oracle Business Intelligence

情報を生きた戦略に変えるOracleのBIソリューション
http://www.oracle.co.jp/solutions/business_intelligence/

Oracle Database 10g Release 2

Oracle Database 10gはクラスタによる高い信頼性とスケーラビリティ、ベンチマーク等で証明済のパフォーマンス、ISO 15408取得済の高度なセキュリティを特徴とする業界標準のデータベース管理システム。データウェアハウス用のデータベースとしても高い実績を誇る。
http://www.oracle.co.jp/database/

Oracle Application Server 10g Release 2

Oracle Application Server 10gは、データベースと業務アプリケーションを一つに融合・連携させる製品群、Oracle Fusion Middlewareの中核となる製品。SOAを実現するオープンでスタンダードなアーキテクチャで、企業システムに求められるアプリケーション基盤を実現。J2EE、Web Services、ID管理などの基盤に止まらず、統合ビジネス・インテリジェンスのアプリケーション基盤としてもETLからポータル、分析、レポーティングまで統合されたアークテクチャでトータルにサポートします。
http://www.oracle.co.jp/products/middleware/
日本オラクル 桑内 崇志
著者プロフィール
日本オラクル株式会社  桑内 崇志
システム事業推進本部 営業推進部 担当マネジャー
日本オラクル株式会社に入社以来、データベースやアプリケーション・サーバーのプロダクト・マネジメントやマーケティングに従事。現在はビジネス・インテリジェンスやデータベース関連製品のマーケティングを担当。


INDEX
第2回:データを中心に統合化するOracle
  はじめに
  企業知の展開
成功に導くためのビジネス・インテリジェンスの構築
  Oracleが実現するセキュアで統合されたビジネス・インテリジェンス