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統合化が進むBIツール

第6回:統合マネジメントシステムを実現するBIプラットフォーム
著者:マイクロソフト  米野 宏明   2006/4/10
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BIプロセス全体をカバーするマイクロソフトの統合BIアーキテクチャ

   近年日本国内企業においてもBIツールの活用が一般化しつつあり、ツールの標準化による保守や教育コストの削減、データやリソースの集約による品質の向上や統制の強化が期待されるようになってきました。

   しかし、ERPやCRMなど過去の統合化アプローチにおける数々の失敗の経験と同様、ツールやデータといった局所的なストックの標準化のみで、その試みを成功させるのは非常に難しいのが現状です。重要となるのは、データから導き出されるインテリジェンスがビジネス上の価値に変わるまでのフローの設計です。

   マイクロソフトの統合BIプラットフォームは、既に組織内で利用されている汎用ソフトウェアや技術を基盤とし、データからデスクトップまで、すべてのレイヤでのサービスの標準化と、それらの組み合わせによる柔軟なフロー設計を可能とし、BIによる価値創造プロセスを包括的に支援します。


BIの利用実態に合わせた最適なシステム設計

   近年の調査では、BIツールの主な利用者は現場マネージャーや一般社員とでており、6割を超える日本国内企業がBIツールのライセンス費用を高いと感じています。割高感は投資対効果(ROI)の低さのあらわれで、ツールが実装する機能とこれらのユーザの利用実態との不整合を意味しているといえます。

   低ROIの根本的な原因は、「時間」とコストを含む「リソース」「適用範囲」「インテリジェンスの質」といった決定要因のバランスの悪さにあります。これらはトレードオフの関係にあり、すべての要因を最大限にすることはできません。BIツール利用の目的は、あくまでリターンの最大化であり、インテリジェンスの質だけに捉われず、ユーザごとに異なるビジネス環境にあわせて各要因のバランスを検討すること必要です。

   例えば、一般にアナリストはインテリジェンス獲得のための時間やリソースを豊富に持っており、適用範囲も比較的絞り込むことができます。またインテリジェンスの獲得そのものがアナリストの価値ともいえます。

   このユーザ層には、高品質なデータソースと様々な分析手法をカバーするツールが必要になります。BIツールの多くは、この層のワークスタイルを基準に設計されており、これを核にして広いユーザ層やプロセスへと広げることに注力しています。

   また、経営者は豊富なリソースを持っておりますが、適用範囲が広いため、アナリストによる高い質のインテリジェンスにより一部を補完しつつ、広範囲をカバーする包括的かつ適時性の高いBI環境が必要なります。

   近年バランススコアカードなどによって、業績の包括的な可視化によるマネジメント強化手法が注目を浴びており、業績評価スコアカードツールの導入が進んでいます。

   一方で、最大の利用者である現場マネージャーや一般社員には、時間やリソースがありません。適用範囲は最も限定されていますが、それぞれの環境が異なるため、アナリストのインテリジェンス適用よりも難しくなります。

   このユーザ層は変化の最前線に立っており、インテリジェンスの質よりもスピードが優先されるため、すぐに利用できるカジュアルなBI環境に加え、より深い洞察が求められる時にユーザが自ら手軽に操作のできるアドホックツールが必要となります。

   そして何よりも重要なことは、これらのツールが日常の業務プロセスの中にシームレスに埋め込まれていることです。このユーザ層ではBIプロセスの実行だけに時間を割くことはできなので、時間の大半を占める日常業務プロセスの中で、洞察が求められる瞬間において、即時に「妥当な質」のインテリジェンスを引き出し、それを即座に次のプロセスへと引き継ぐことができる環境が求められます。

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マイクロソフト株式会社 米野 宏明
著者プロフィール
マイクロソフト株式会社  米野 宏明
インフォメーションワーカービジネス本部 シニアプロダクトマネージャー
BIコンサルティング、ソリューション提案業務を経て現職。Office Business Scorecard ManagerなどBI系Office製品のマーケティングを担当。データベーススペシャリスト(情報処理技術者試験)。


INDEX
第6回:統合マネジメントシステムを実現するBIプラットフォーム
BIプロセス全体をカバーするマイクロソフトの統合BIアーキテクチャ
  マイクロソフトの統合BIプラットフォーム
  優れた開発生産性と設計柔軟性
  ユーザフレンドリな操作性と多彩な機能の統合