第4回:ビジネス・パフォーマンス・マネジメントが実現する経営管理サイクル (3/3)

統合化BI
統合化が進むBIツール

第4回:ビジネス・パフォーマンス・マネジメントが実現する経営管理サイクル
著者:ハイペリオン・ソリューションズ  工藤 啓介   2006/3/27
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統合化がもたらすメリットとそのための機能

   この統合化が、利用者や管理者にいかなるメリットをもたらすのか、そのためにハイペリオンがどういう製品や機能を提供しようとしているかについて、もう少し詳しく解説していきます。
エンドユーザにもたらすメリット

   ビジネス・パフォーマンス・マネジメントとは、既に述べたように経営管理サイクル全体を支援することを目的としています。経営管理のプロセスには、戦略立案、戦略シミュレーション、計画立案、予算編成、予測、KPIモデリング、損益分析や差異分析などの各種分析、各種のレポーティング、連結管理とコンプライアンス、スコアカードなどが含まれるわけですが、これらのプロセスの間には相互に密接な関係があり、さらに情報を共有する必要もあります。

   したがって、エンドユーザにとっては、統合化によりこうした経営管理プロセス全体を1つのシステムによりカバーし、いわゆる「1つの真実」による意思決定と経営管理が実践できるというメリットがあります。

   また、製品レベルにおいても、統合化されたワークスペースと統一されたユーザインターフェースからからあらゆるビジネス・パフォーマンス・マネジメント機能をシームレスかつ容易に利用できるため、自然に業務の高度化と戦略的な経営管理、ひいては業績の改善を推進することができます。

   こうした機能はすべてブラウザから利用できるほか、マイクロソフトOfficeとも高度な統合がはかられており、エンドユーザが慣れ親しんだインターフェースから利用できるように配慮されています。


管理者にもたらすメリット

   一方、管理者に対してもたらされる統合化のメリットとしては、何といってもTCOの削減があげられます。

   ユーザ管理・セキュリティ管理の統合化を通じて、従来各製品ごとに行っていたこうした業務を一元化できるため、機械的作業が少なくなかったセキュリティ関係の作業負荷を低減できるほか、ビジネス・パフォーマンス・マネジメントおよびBIアプリケーションの開発と管理全体の統合を進めているため、管理工数全体を大幅に低減することが可能です。

   また、多次元DBとRDBがハイブリッドOLAPにより自動統合をはかれるほか、SAPに代表されるようなERPとの統合もしやすくなるため、システム間の連携も一段と容易にはかれるようになります。

   また、BIそのものについても、レポート、シミュレーションモデル、可視化、マスタデータなど各所においてよりエンドユーザの自主管理性が高まるためシステム部門の関与を減らせるほか、新たに提供されるインパクト・マネジメント機能により、データソースにおける変更を自動的にエンドユーザのBIドキュメントに変更することが可能になります。

   更にハイペリオンではビジネス・パフォーマンス・マネジメントに用いられるマスタデータ管理の統合ソリューションの開発を推進しており、ハイペリオン製品のみならずERPなども含め、パフォーマンスマネジメントに用いられる勘定科目や組織ヒエラルキー、製品情報、地域・チャネル情報などを統合管理できるようにする計画です。


ビジネス・パフォーマンス・マネジメントに向けて

   以上見てきたように、ハイペリオンでは、ビジネス・パフォーマンス・マネジメントを統合化ソリューションとして提供すべく、その一環としてBIの統合化を強力に推進しています。

   もともとBIについても非常に広範囲にわたる要素技術を提供してきており、統合化BIプラットフォームとしても「ベスト・イン・クラス」のものを目指しています。今後のハイペリオンの展開にご期待ください。

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ビジネス・パフォーマンス・マネージメント(BPM)ソリューション

経営管理サイクルを、戦略・目標設定、シミュレーション・モデリング、計画・予算策定、現状の把握と評価、分析、レポーティングの6つのステップにわたって総合的に支援するハイペリオンのBPMソリューション。

http://www.hyperion.co.jp/products/index.html

BPM(総合的な業績管理)の基盤となるBIプラットフォーム

BPMの中でも高度な分析能力を持った多次元DBのHyperion Essbaseと、操作性に優れた検索・レポーティングおよびダッシュボード機能を主に提供するHyperion Performance Suiteにより企業の可視化を支援。

http://www.hyperion.co.jp/products/bi_platform/index.html
ハイペリオン・ソリューションズ 工藤 啓介
著者プロフィール
ハイペリオン・ソリューションズ  工藤 啓介
プロダクトマーケティングマネージャー、アジアパシフィック
ハイペリオンBPM/BI製品全般について、日本を含むアジア大洋州地域向けの製品計画、ローカライゼーション計画および販売促進に従事。日本電気(株)およびBI系ベンダーを経て2001年にハイペリオン(株)に入社、2002年より現職。


INDEX
第4回:ビジネス・パフォーマンス・マネジメントが実現する経営管理サイクル
  ハイペリオンにおける「BI統合化」の考え方とビジネス・パフォーマンス・マネジメント
  従来型のBIが抱える問題点
統合化がもたらすメリットとそのための機能
統合化が進むBIツール
第1回 なぜ今、BI統合化なのか
第2回 データを中心に統合化するOracle
第3回 オープンアーキテクチャを採用した「Cognos 8 BI」
第4回 ビジネス・パフォーマンス・マネジメントが実現する経営管理サイクル
第5回 End To Endの包括的なBI・EPMを提供するBusinessObjects XI
第6回 統合マネジメントシステムを実現するBIプラットフォーム
第7回 統合化のメリットと各社の特徴
関連記事 : システム企画担当者のためのBIシステム導入の勘所
第1回 BIの世界を体験する−イントロダクション  オープンソースBIツールOpenOLAP
第2回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(1) BIシステム導入の目的
第3回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(2) BIシステムのアーキテクチャ
第4回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(3) データベースとBIツール
第5回 BIシステムの特性を知る−基礎知識編(4) BI構築プロジェクトの進め方
第6回 BIシステムをつくってみる−実践編(1)設計−導入計画と要件定義
第7回 BIシステムをつくってみる−実践編(2)設計と構築
第8回 BIシステムをつくってみる−実践編(3)続・構築フェーズ
第9回 BIシステムをつくってみる−実践編(4)構築フェーズ〜プロジェクト評価フェーズ
第10回 BIシステムをつくってみる−実践編(5)機能拡張プロジェクト
第11回 BIシステムの構成を決める−製品選択編(1)BIツール選択のポイント
第12回 BIシステムの構成を決める〜製品選択編(2)BIツール選択(続き)とデータベース選択のポイント
関連記事 : BIツール選択に失敗しないために
第1回 BIツール選択の基本は、分類すること
第2回 分析ツールの選択〜パワーユーザに必要な機能をチェック(前半)
第3回 分析ツールの選択〜パワーユーザに必要な機能をチェック(後編)
第4回 レポーティング・ツールの選択〜大量ユーザのサポートに必要な機能をチェック(前半)
第5回 レポーティング・ツールの選択〜大量ユーザのサポートに必要な機能をチェック(後半)
第6回 モニタリング・ツールの選択〜経営者が必要とする表現力をチェック(前半)
第7回 モニタリング・ツールの選択〜経営者の必要とする表現力をチェック(後半)

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